最終更新: 2019年5月18日
Peter Bjorn and John – What You Talking About?(yabori)
あの“口笛ソング”で一世を風靡したPeter Bjorn and Johnが、2011年に発売された前作『Gimme Some』より、5年ぶりとなる新作『Breakin’ Point』を6月にリリースする。今回はその新作より、イントロから違和感と変態臭MAXな「What You Talking About?」が公開された。前作はシンプルで骨太なポップソングが中心であったのに対し、この曲はタガが外れたようなキーボードの音で始まり、奇をてらっていながらもほぼ3分で終わるコンパクトさも併せ持っている。新作はポール・エプワース(フローレンス・アンド・ザ・マシーン、U2)やエミール・ヘイニー(FKAツイッグス、カニエ・ウェスト)という豪華プロデューサー陣を名を連ねている所を見ると、間違いない(変な)アルバムになりそう。
Mura Masa – What if I go? (木ノ下トモ)
期待の新人としてBBC Sound Of 2016にも選ばれ、今年フジロックへの出演も決定しているベッドルーム・ミュージック・アーティストMura Masa。彼のMura Masaという名前は、日本刀の村正から名づけられたそう。その名の通り、“ナイフのように切れる音を”と望む彼の音楽。そんな彼の新曲「What if I go?」が公開されました。ラジオのような無線放送のようなサンプリング。歪んだ電子ドラムの音が、ボーカルの声の始まりとともに愛らしい鐘の音のように変化していく。思い切ったエフェクトのかけ方が、これぞ宅録!という思い切りの良さ。とことん作り込めるのがソロの面白さだなと思いました。SoundCloudのコメントからも彼の注目度が感じられ、見ながら聴くのも楽しいです!
Grimes – Kill V. Maim(桃井 かおる子)
『Art Angels』というアルバムのタイトルといいこのジャケットといい、店頭で初めて見かけた時は、正直試聴するのを躊躇ってしまった。良いか悪いかのどちらかしかない、直感的にそう思った。しかし、先日になってようやく先行曲「Kill V. Maim」のMVを初めて見て、聴くのが遅かったと思わず後悔してしまった。アニメキャラのような声で歌ってたかと思いきや、中盤にいきなりディーバ的な雰囲気を醸し出す声で歌ったり。曲に詰め込まれている音の情報量もとてつもない数のように思えるが、それでいてしっかりとしたまとまりがある。確実に現代の音を鳴らしているはずなのに、80年代のポップスを思わせる節もある。何よりこの映像、実写とCGとアニメーションがグチャグチャになって混ぜ込まれている。そしてグライムス本人をはじめ、この世に存在するとは思えない出で立ちのダンサー陣。そう、「Kill V. Maim」は曲の内容もMVの世界観も矛盾だらけなのだ。そもそも、アー写の雰囲気とジャケットのイラストがまるで比例しない。こんな矛盾だらけの作品を堂々と世に送り出すことができるのは、彼女自身【戦う】ということを常日頃意識しているからなのだろうか?自称正義感の強い女、そんな彼女だからこの世界観を生み出すことができてしまうのかもしれない。なんてったってこんなにカワイイのに、実は私と同い年の28歳っていう…。見た目年齢と実年齢が一致しないじゃないか!グライムス本人が矛盾を孕んでいるのだから。どおりでこんな曲が作れるワケだわなぁ~。
Klan Aileen – Nightseeing(まりりん)
Klan Aileenが3年ぶりに新譜をリリースする!待ちに待った、だけどあの衝撃から3年も経っていたなんて早いなぁ。前作はギターボーカルの松山がリズム演奏からミキシングまでほぼ1人で作り上げたアルバムだった。今回の「Nightseeing」は生々しいバンドサウンドで、より力強くKlan Aileenの世界を作りあげている。この2人のお前しか信用してねーぞって互いに思っているような演奏が好きなんだ。歌詞が書けず苦しんだ結果という初の日本語詞も美しく聴く人の想像を膨らませる。5月にはTHE NOVEMBERSの企画”首”で海外で活動するBorisとの対バンが決まっている。Klan Aileenの閉じこもったような陰の世界感はBorisやBo Nimgenのように国外で活動し評価の高いアーティストのものに近い。それを大衆は受け入れてくれないだろう。日本でやるところがかっこいいし好きだが、もっと評価され高みに行けるやり方もあるんじゃないかとも思う。Klan Aileenの2人が揃えば最強だから、ぶっ飛ぶような大きいことをやってほしい。夏に発売予定のシングルとその先の活動でどこまで行ってくれるのか、予想を裏切ってくれるのかと期待している。
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— BELONG Magazine (@BELONG_Media) 2016, 2月 6
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