アー写2 完成
5人の男のロマンを描いた関西は大阪のバンド、AFRICAのデビューミニアルバム『Summer Long』はとにかく痛快な作品だ。フロントマンであるトモ・リョウマのミュージカル映画から着想を得たボーカルと、軽快にして磨き上げられたバンドサウンドとの相性が抜群である。AFRICAはかつてパーティーバンドだと語っていたが、東京の最前線で活躍するインディーバンドとの対バンによってサウンドの方向性を変えた。そういった出自から彼らこそ、東京インディーと関西インディーの間を繋いでくれる存在になるのではないだろうか。

※『Summer Long』の先行試聴は終了しました。

インタビュー:トモ リョウマ(Vo./Syn./Gt.) インタビュアー:yabori

-バンド名の由来について教えてください。
トモ:日本人でもパッと読める英単語にしたくて付けました。あとAから始まるとiTunesや店頭で上の方に並ぶんじゃないかなと思って。その時JAMAICAというフランスのバンドにハマってたのもあります(笑)。

-それではどのようなきっかけで結成したのでしょうか。
僕とギターのたいちゃん(中村泰二朗)の二人が大学でバンドを始めて、最初はLucky Tapesのドラム(濱田翼)がいて、その後にプププランドのドラムだったトミー(富田貴之)がいました。そのバンドは解散して、その後は僕とたいちゃんは別のバンドを始めたんですよ。別々のバンドを始める前にCDを貸し合っていて返さないといけないけど、その時は別バンドだったという事もあって会うのも恥ずかしくて(笑)。例えるなら別れた彼女に会いにいくみたいな感じです(笑)。でも返すもんは返そうって事で久しぶりに会って今、どういう音楽を聴いてるかって話をしたんですよ。聴いてる音楽やこれからやりたい音楽が一緒だったから、もう一回バンドをやろうって話になったところからAFRICAが始まりましたね。

-その時はお互いどういう音楽を聴いていたんですか?
POP ETCやGirls、Vampire Weekendの話で盛り上がりましたね。別のバンドをやってた時のギター(佐藤恭平)がシンセも弾けるから、シンセで入ってもらおうって事で、ベースはその時にたいちゃんと一緒に住んでいた子にお願いして。そこで4人集まったんですけど、ドラムがいないって事でメンバーを募集して。そこで出会ったドラム(友田龍志)が良かったんで、一緒にやる事になったのが2年前です。今のメンバーになったのは1年前にベースが辞めて、草太(大嶋草太)がベースで入って今の編成になりました。そもそも草太とは個展で知り合ったんですよ。僕も草太も絵を描いてて。その時にベースをやってる事を聞いて、ちょうど抜けたタイミングだったんで一緒にやる事になったんですよ。

-そうなんですね。ではプロフィールには“ヤングポップバンド”とありますが、これについて詳しく教えてください。
僕らの音楽ってよくシティポップって言われるんですけど、僕らは自分たちの音楽のことをシティポップだとは思ってないんですよ。人からシティポップって思われるなら良いんですけど、自分たちからは言いたくなくて。シティポップだけを聴いてる訳じゃなくて最近の洋楽も聴いてるし、シティよりもアーバンだと思っていて。

-アーバンってどういうイメージなんでしょう?
シティよりも若者が多いイメージで、街でいうと下北沢ですね。シティポップよりも・・・。う~ん、難しいですね・・・。というのもメンバー全員がそこまでジャンルにこだわってる訳じゃないんですよ。シティポップって少しでも思われないようにって発想から出た言葉が“ヤングポップ”だったんで。だからこの“ヤングポップ”っていう言葉から、サウンドを想像して欲しいっていう意味で名付けました。

-失礼な言い方だと思うんですけど、AFRICAの魅力はトモさんの大江千里のようなダサかっこいいボーカルだと思います。歌うときはどのような事を心がけているのでしょうか。
寺内(寺内将明)君から言われて気づいたんですけど、僕はサビで歌が上がるみたいなんですよ。例えば最近のバンドはサビで歌が下がるみたいで。だから寺内君から歌が上がるのが好きやでって言われてから、歌のアッパーな部分は気にするようになりましたね。語尾が上がるところが平沢進によく似てるって言われるんですよ。

-言われてみると大江千里もサビで歌が上がりますね!だから似ていると思ったんだと思います。では実際に似てるって言われて聴いてみてどう思いましたか?
聴いてみたら確かに似てるし、好きになりましたね。

-歌詞も聴き手が恥ずかしいくらいの内容だと思います(笑)。歌っていて恥ずかしいことはないんですか?
恥ずかしくはないですね。歌詞で一番好きなのはミュージカル映画なんですよ。その中でもディズニーが一番好きなんですけど、そういう歌詞ってすごいダサくて(笑)。リトル・マーメイドの「アンダー・ザ・シー」の歌詞で“素晴らしい アンダー・ザ・シー”っていうのがあるんですけど、ダサいじゃないですか(笑)。韻踏んでるぜっていう作り手のドヤ顔が見える感じがたまらないんですよ(笑)。

-マジですか!?じゃあ歌のルーツにはディズニーがあるってこと?
メンバーにはないんですけど、僕のルーツにはありますね。音楽的にディズニーで好きな作品だと「リトルマーメイド」と「美女と野獣」、「魔法にかけられて」の3つのが好きですね。そういう曲ってリズミカルで歌っているというより歌が載っている感じが好きで。マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダーなんかもそうですね。日本人で好きな人って少なくて。自分が一番しっくりくるのは洋画の吹き替え版の日本語バージョンの歌が一番好きだし、勉強になりますね。一般に受け入れられるように作られているじゃないですか。でも玄人が聴いても楽しめるのがすごいですよね。

-バンドマンからディズニーが好きって言われたのが初めてで、すごくビックリしてます(笑)。
そうですよね(笑)。あんまりフィルターがないんですよね。人から良いって言われたら音楽はジャンル問わずに聴くんですよ。

-AFRICAの良さはボーカルだけでなく、クオリティの高いサウンドにもあると思います。楽曲を制作するにあたって工夫していることがあれば教えてください。
サウンドはギターのたいちゃんが完璧主義なのでその色が出ているのと、基本的にはベースとドラムだけで曲が成り立つようにしていますね。ギターとキーボードはひたすら曲を盛り上げるっていう役割で。まずはドラムのノリを決めて、みんなのイメージを一緒にする事から始めるんですよ。

-どういう風にメンバー間でイメージを膨らませていくんですか?
例えば海っぽい曲を作ろうって話が出たら、ザ・モーニング・ベンダーズをみんなで聴いたり、大滝詠一がやっていたナイアガラサウンドにどこまで寄せるかとか話を合いますね。僕らの場合、歌は一番最後に入るんですよ。そういうパターンとたいちゃんが作ってきたものに歌をのっけるか、僕が全部作ってくる3パターンのどれかで曲を作ってますね。

-そうなんですね。以前に自主企画“子供の王国”でLucky Tapesやnever young beachと一緒に対バンしていたと思うのですが、その時のライブはいかがでしたか?
もともとAFRICAはパーティー系のバンドでノリはプププランドや愛はズボーンに近かったんですけど、自分たちがこういう音楽をやるのは違うんじゃないかと思ってて。そう思っていた矢先にそういう東京のバンドと対バンして、その時にすごく悔しい思いをして。僕らのイベントなのにその2バンドに持っていかれた感がすごくて。来てくれたお客さんはAFRICAも盛り上がってたでって言われたんですけど、僕らは全くそうは思わなかった。

-そこからサウンドを変えようと?
そうですね。その時にベースの草太が入った時でタイミングも良いし、この際サウンドを変えようかって。もっと上を目指すならサウンドを変えていかないとって事で。だから前はパーティーやってイェーイってバンドだったんですけど、今は堂々とライブをやろうってみんなで話してますね。もともと東京のバンドのことは意識してたんですけど、それを目の当たりにしたって感じですね。常に東京のカルチャーは意識してて。

-例えば東京のどういうカルチャーですか?
今の東京インディーのバンドは純粋に音楽を楽しもうとしてると思ってて。音楽に対しての知識もすごいし。自分たちもそういうカルチャーに憧れるし、そういうやり方で音楽をやりたいと思ってるんですよ。

-なるほど。ではこれからリリースする1stミニアルバムは『Summer Long』というタイトルになっていますが、このタイトルにした由来を教えてください。
特にこだわりはなくて、1曲目の「サマータイム」の歌詞から取ってるんですよ。この曲を作る前にアルバムを出すとなると春か夏ごろかなと思ってて。作ってた時期は冬やったんですけど、アルバムが出る時期を考えて夏の曲を作ろうって事でこの曲やアルバムを作ってたんですよ。いざできた曲を並べてみてアルバムタイトルをどうしようってなった時に曲名よりもインパクトのある“Summer Long”って歌詞をアルバムタイトルにしたらどうかって事で、このタイトルにしました。

-そうなんですね。1曲目の歌詞というのもあってインパクトありますよね。
僕らの中で「サマータイム」は噛ませ犬というという所もあって、まずここで好きになってもらおうっていう。このアルバムから「サマータイム」を抜くだけで、かなり印象が変わると思うんですよ。

-それゆえの1曲目ってことですね。
そうです。それ以外の曲の方が僕ららしいものになっていますね。アッパーな「サマータイム」という曲ができたからこそ、押せるし自信にもなりましたね。だからこのアルバムは今までの集合体だと思うし、AFRICAの名刺になったと思います。

-絵画風のジャケットがとても印象的なのですが、これにはどのような意図があるのでしょうか。
この絵は草太が描いてたいちゃんがデザインしてますね。たいちゃんはギターもできるんですけど、デザインもやってて。AFRICAは僕を入れて芸大卒が3人いるんですよ。

-歌詞では“大人”や“子供”って言葉が印象的でした。これらの言葉にはどのような意味があるのでしょうか。
歌詞は自分のことを歌っている訳ではなくて。それぞれの曲に主人公がいて、その子の人生を歌ってる感じ。だから僕はナレーションですね。「サマータイム」の歌詞だとラブソングですけど、僕と彼女ではなくてカップルを歌ってますね。

-なるほど。客観的に歌ってるから恥ずかしくないってことですね。
はい、僕の事を歌ってる訳ではないんで。だから“大人”や“子供”という言葉も“子供”が“大人”のように遊んでるっていう意味で歌ってて。分かりやすく言うと僕は天の声です(笑)。だからどれだけ恥ずかしい事を言っても何とも思わないです(笑)。

-それではこのアルバムをどういう人に聴いてほしいと思いますか?
仕事帰りの大人の人がCD屋さんに寄った時に僕らの曲を聴いて、ハッとなって欲しいですね。働いて疲れた人がその疲れを少しでも忘れられるようになれたら良いなと思います。

『Summer Long 』
2016年4月27日(水)発売

【Live】
〜”Summer long”RELEASE TOUR〜
5月14日(土)@広島スマトラタイガー
5月20日(金)@心斎橋Pangea
5月24日(火)@名古屋CLUB ROCK’N ROLL
5月25日(水)@東京新宿MARZ
6月3日(金)@神戸太陽と虎

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