最終更新: 2019年5月18日
BIM – オレンジシャーベット/Check It Out(yabori)
ヒップホップユニット、THE OTOGIBANASHI’SのBIMがソロ曲「オレンジシャーベット」と「Check It Out」を公開した。まずMV冒頭の映像を見て欲しい。グラサンと何故かゲームボーイアドバンスらしき物体が映りこんでいるではないか。しかもカラーは“ミルキーブルー”という何とも言えない色合いの機種だ(曲名の「オレンジシャーベット」にかけてオレンジではないんだね)。とまぁ懐かしのゲーム機の事でテンションが上がっていても何なので、曲の紹介をするとこの曲はTHE OTOGIBANASHI’S本家よりも肩に力が入ってないし、何と言ってもこのゆるさが気持ち良い。そして歌詞も“俺はチビだぜ 君はデブだね”というラインには、ハンディキャップを強みに変える“とんち”が効いている。まさに体型も“とんち”も一休さんクラスではないか。やっぱりラッパーには機転を利かせるユーモアってのが大事みたい。
https://www.youtube.com/watch?v=6Y8QR43V_oM
Daughter – How(桃井かおる子)
イギリスはロンドンを拠点に活動を展開している紅一点バンドDaughter。今年の頭にリリースした2ndアルバム『Not To Disappear』がロングランヒットを記録しているようで、私が住んでいる大阪市内のタワーレコード各店では、現在でも試聴できる状態で展開されている。音楽業界もファッションと同様に流行の移り変わりは早い方だと思うのだが、そうした中でもこうして未だに展開されているということは、このアルバムには秘めたる強さがあるからなのかもしれない。私なりにこのアルバムを一言で例えるとすれば…リリイ・シュシュの最初で最後のアルバム『呼吸』が一番しっくりくると思う(岩井俊二ファンならきっと分かってくれるはず)。アルバムの内容もさることながら、収録曲のMVもまた奥深い。イギリスの作家であるスチュアート・エヴァースがアルバムから構想を練った短編3作品をもとに、昨年日本でも公開されたニック・ケイヴのドキュメンタリー映画 『20,000デイズ・オン・アース』の監督 イエイン・フォーサイスが映像を撮り、そこにDaughterの曲を重ねるという趣旨になっている。アルバムのリリース前に昨年公開された「Doing The Right Thing」のMVから始まり、今回(と言っても少し時間が経ってるけど)いよいよ3番目となる「How」が公開された。曲が持っている世界観と映像が呼応するように、美しくもどこかもの悲しさを感じさせるような内容になっている。こんな企画でMVが作られたら、リスナーとしても次の映像が公開されるのを待つことが楽しみになってくる。ミュージシャンと作家と映画監督、カルチャーという大きな枠の中でこの三者が一緒になって作品を作る。これはもしかすると、MVにおける最先端の形態と言っても過言ではないのかもしれない。
Deerhoof – Debut (木ノ下トモ)
ソニック・ユースにも愛されたキャリア20年を誇るノイズ・ロック・バンド、Deerhoof。6月に発売されるアルバム『The Magic』からは、2曲の新曲が公開されています。今回は、その中から「Debut」をご紹介。このアルバム、メンバーが別々の場所で暮らしているとかで、レコーディングは7日間で行われたとか。しょっぱなからクルクル回るようなギターの音。心地よく計算されたノイズ音。前作の『La Isla Bonita』のメランコリックな雰囲気は影をひそめ、ワイルドな感じに仕上がっている気がします。エレクトリックでポップなノイズと愛らしいサトミ・マツザキの声。この比率が絶妙です。クールで無機質に聴こえるのに、色んな曲にはまる理由は表現力なんだろうなぁ。
The Coral – Holy Revelation(まりりん)
2012年に活動休止をしたThe Coralが5年ぶりに発表したアルバム『DISTANCE INBETWEEN』から「Holy Revelation」のMVを公開した。今作から元ザ・ズートンズのギタリストであるポール・モウリーが加入し5人編成になり、アルバムのほとんどの曲は生演奏の一発録音。MVにも演奏シーンが多く使われており、荒削りなサウンドと合わさってライブ感が増している。アルバムからは3曲MVが作られているが、先行トラックだった2曲に比べると「Holy Revelation」は派手さはない。しかしポップなんだけどどこかダークな部分が見えて、アメコミや絵本、1980年代のおもちゃに影響を受けたThe Coralらしさが感じられるので好き。
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