最終更新: 2020年5月16日

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Wild Beasts – Get My Bang(yabori)
な、何なんだ、事故ってるレベルのダサくてキモいジャケットは・・・。ここまで振り切れてダサければ、とんでない傑作か信じられない駄作かのどちらかだろうが、先行曲を聴く限り少なくとも後者ではなさそうだ。前作が全英トップ10入りしたUKロックバンド、Wild Beastsの新作『Boy King』が8月5日に発売されるそうだ(アルバムタイトルもやはりダサい)。その問題の新作より先行曲「Get My Bang」が公開されているが、これがまた掴みどころがない!というのも4人組のロックバンドが作る曲として今までに聴いた事のないものだからこそ、曲の良し悪しすらはっきり分からない。でもこんな情報の大爆発時代に聴いた事のない曲を作れるというのが単純に素晴らしい。Wild Beastsの新作、今年の年間ベストに入るかもしれませんよ!

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MUSE – Aftermath(桃井かおる子)
ここ何年かのMUSEの活動には、正直どうも納得いかなかった。ジョニー・デップ主演のアクション映画の主題歌にタイアップされたり、やたらとハリウッド映画の主題歌や挿入歌として起用されることが頻繁になったからだ。要はメジャーの洗礼を受け、すっかり売れっ子街道まっしぐらな感じがしたからだ。一時までかなりストイックにその世界観を極めつつあったから、もっと多彩なジャンルに挑戦していくものだと、その頃の私は思っていた。だが皆さんのご存知の通り、その後のMUSEは良くも悪くも売れっ子バンドとして知名度を上げていった。彼らの音楽や活動に対して興味を失くしたその矢先に発表されたのが、今回紹介する「Aftermath」だ。この言葉を日本語訳すると、【(災害や不運の)余波】・【(戦争や災害の)直後】という意味になる。…少し話題が逸れてしまって申し訳ないが、日本人が海外の音楽を聴かなくなってしまった大きな要因の一つに、英語がほぼさっぱり分からないということが挙げられる。日本人のほとんどは音楽を聴かずして、言葉(歌詞)でしか聞いていない。だから洋楽は聴かない。今の日本人にとって、「音楽は言葉の壁を越える」という言葉は無効だ。しかしこの「Aftermath」という曲には、日本人の語学力の壁を越える力がある。この曲に込められたメッセージが可視化されているからだ。今回のMVは(も)、全編鉄拳さんによる動くパラパラ漫画。シンプルで温かみのある鉄拳さんが描くそのパラパラ漫画にあるのは、イラク戦争(ベトナム戦争とも捉えられる)とそこにいる疲れ切ったアメリカ軍兵士と、穏やかな日々を戦争によって奪われてしまった人々だ。そう、この曲は反戦歌なのである。反戦歌の意義は、メッセージ性の強さと政治色の濃さにあると思われる。だが、そうした反戦歌をどんなに歌っても、それを届けるべき人の耳(心)に届かなければ意味がない。つまり、言葉の壁を越えなければ意味がないのだ。しかしこの「Aftermath」は、MVを誰でもどんな人にでも分かるアニメーション(動くパラパラ漫画)にすることで、歌詞に込められた意味の可視化に見事成功しているのである。これによって、MUSEが何を思ってどう考えて音楽を作るのかが、より明確になったようにも思える。彼らは、音楽を通して多くの人と本気で向き合いたいのである。「音楽は言葉の壁を越える」、この言葉を本気で証明しようとしているのである。そして、「音楽は人種や宗教の壁を越える」というこの言葉を自ら証明しようとしているのである。そんなことに挑戦してきた人、マイケル・ジャクソンとジョン・レノンしか私は知らない。MUSEは本気だ。その挑戦の行く末を、私は今から楽しみにしている。そして何より、この「Aftermath」が少しでも多くの人の耳に触れ、その心に届くことを願っている。

Dinosaur JR. – Tiny(まりりん)
DINOSAUR JR.が4年ぶりに新作をリリースする!!!このニュースを聞いて跳ね上がって喜んでいる、まりりんです。イギリスBBCに出演した際のライブから、ニュースアルバム『Give a Glimpse of What Yer Not』に収録される「Tiny」のライブ映像が公開された。おじさんだなーと思いつつ、無駄な動きが全くないパフォーマンスに貫禄があって痺れるほどにかっこいい。マスシスの声質は年齢とともに微妙に変化しているが、独特なポップさを変わらず持ち続けている。ノイジーではないけど振り切れてポップでもない、Dinosaur JR.の絶妙なバランスが◎アルバムのリリース日はHOSTES CLUB WEEKENDERでの来日直前。続報とともに期待しながら待っている。

Aloha
Aloha – Don’t Wanna Win(木ノ下トモ)
電車の中、帰りの通勤電車にゆられながら耳に残ったこの曲。夕焼けの時間によく似合う、Alohaの「Don’t Wanna Win」はなんと6年振りのリリース!『Little Windows Cut Right Through』からの新曲です。6年もリスナーを待たせちゃうなんて、罪深すぎますね。何でも、子育てのため、ゆっくりと制作がすすめられたそうです。きれいなリフレインがループするイントロ。心がすっと軽くなるようなゆるやかな音の波が、疲れた身体に染み込んでいきます。爽やかで透明感のあるボーカルが、透き通った音と重なりあって胸に響きます。真夏日に、ようやく涼しくなってきた夕方の風とともにやってくるものさみしい感じ。そんな時に、ぴったりの曲。めっちゃ癒されました。

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