最終更新: 2019年1月14日
「PLASTICZOOMS、何か雰囲気変わった?」そう感じていたあなたは、正解だった。12月15日に会場限定シングル『MINDS』を発売するPLASTICZOOMSは今、ゴシック・パンクスタイルという既存の型から抜け出し、広い音楽の世界へ焦点を当てて活動している。純粋に音を楽しむことに重きを置いた彼らの“新たな一歩”となった『MINDS』。「Minds」をはじめとした収録曲やMV、そして彼らの音楽人生で多大な影響を与えたベルリンでの話を交えて、SHO(Vo.)にPLASTICZOOMSの今を問う。インタビュー後半は彼らの音楽やファッション、そしてSHOの人柄がどう変わっていったのかについて、雑誌化するBELONG Vol.22に掲載!
アーティスト:SHO(Vo.) インタビュアー:桃井 かおる子 テキスト:pikumim 撮影:Takahiro Higuchi
-今年の頭にリリースされたセルフタイトルのアルバム『PLASTICZOOMS』から「Minds」をシングルカットしたのはどうしてですか?
SHO:『PLASTICZOOMS』の10曲の中でも、僕の一番新しい感覚で作ったのが「Minds」だったんです。他の曲は、今までリリースした曲や、それらを作っていた感覚を思い出しながら作りました。だからこそ今まで自分たちの音楽を知らなった・聴いたことがなかった人たちに向けて名刺代わりとなる作品として、今までの自分の感覚を活かして完成させたんです。でも、「Minds」は自分の新境地として作りました。アルバムって全体のバランスをとりながら作るものだからこそ、間の曲って埋もれがちじゃないですか。「Minds」を通して「今のPLASTICZOOMSはこうなんだ」「こういう曲もあるんだ」って伝えたい。だからこそシングルとしてリリースした方が聴こえ方が変わると思って。これからどうなっていくのか、っていう姿を追ってくれている人達にもわかりやすく見せることができるんじゃないかな。実際に今、次に向かっているし、来年もバンドにとって動きがある。その動きに対する一発目っていう気持ちも込めてリリースしました。
-SHOさん個人だけでなく、バンドにとっても新しい感覚で挑んでいるからこそ、今までのPLASTICZOOMSにはなかったような新しい曲になってると感じました。バンド全体での新しい取り組みやこだわりは、どういうところにありますか?
今回は最小限の音で、それぞれをちゃんと聴かせることに細かくこだわりました。あとは、メインフレーズ以外の音も口で歌えるくらい印象に残るように気をつけましたね。歌メロと歌詞の世界観にもかなりこだわりました。今までの手癖を消そうとして取り組んでいたのですが、この曲では完全に消せましたね。そのなかで自分の感覚にドンピシャでフィットする曲としてでき上がったし、コードができた時に歌メロがすんなりと浮かび上がってきたから、「あ、これは自分の中からちゃんと出てきた曲なんだ」って思えましたね。無理せずに。
-そういった深いこだわりがわかりやすく表現されてると感じました。「Minds」の世界観はアルバムの中でも独特で、歌詞の“We are different”と繰り返す部分に、SHOさんご自身やバンドの考えが凝縮されているように思います。SHOさんやバンドにとって、この曲は何か特別な意味を持っているのでしょうか?
曲が浮かんだ時にキーワードや世界観は既にイメージがあったんで、それに言葉を寄せていく感じで作ってたんです。この曲は歌いたいことが明確にあったから一気に書きました。その時に一緒に作業をサポートしてくれていたスウェーデンの友人ソフィアが「この曲は凄くいいからわかりやすく人に響くように作ろう」って言ってがっつり手伝ってくれたんですよね。ソフィアは常にアドバイザー的存在で、頭の中にある世界をどう表現したら良いかな、っていう相談に乗ってくれてました。「だったらこの言葉の方が響くんじゃない?」ってアドバイスしてくれたり。自然な流れでこの曲は一緒に作ろうよって話しました。
ヒップホップもよく聴いていて、その中でも印象に残っているのがKOHHの「飛行機」
-歌詞は特にサビの部分がSHOさんの考えそのものなんじゃないかなと感じました。
世の中十人十色の中で色んな摩擦があるじゃないですか。今って自分のことじゃないのに、人の事に首突っ込んでややこしくさせる人やメディアが多くて。それを見ていてすごく見苦しいと昔から思ってる。そういうのを歌ってもいいかもねって思ったんですよね。基本的に「よし、歌うぞ!」って意気込みではなくて、頭の中にあることを常に歌ってる。だからこそ、これっていうのに断定してないんで、色んな人が色んな角度から受け取って聴いてくれたら良いと思ってますね。
-「Minds」のMVはHavit Art Studioによる制作ですが、普段はAIやKOHHといったヒップホップやレゲエのアーティストを主に手掛けているチームにMVの制作を依頼されたのはどうしてでしょうか。
僕自身もメンバーも偏って音楽を聴くというよりは全体的に広く聴いていて、ヒップホップも聴いてました。その中でも印象に残っているのがKOHHの「飛行機」のMVで。これは日本とヨーロッパの映像が互い違いに出てくる演出や、色味と世界観がとても好きで。その他も色んなMVを見てかっこいい!と思ったんですよ。これ誰が撮ってるんだろうって探したらほとんどがHavitだったんですよね。ここまで歌い手に近い感覚で撮ってる人ってなかなかいないと思うんで。これは絶対に自分たちの表現したいものにハマるよねって話になってオファーしました。
-「Minds」のMVはPLASTICZOOMSとしては珍しく、バンドの出演シーンがないストーリー展開のある映像作品になっています。こうしたMVを作られたのはどうしてでしょうか。
PLASTICZOOMSってどうしても黒くて特殊な格好で出てるっていうイメージがあるじゃないですか。そういう先入観を取っ払って聴いてもらえるようにしたかったですね。それと誰かとコラボレーションしたいという気持ちがあったからこそ、映像はHavitに任せて、曲を聴いて感じたままに作ってもらいました。その方がかえって自分たちにとって良いんじゃないかって思ってます。広がるという意味で。これを機に色んな人に見た目の先入観なく聴いてほしいし、聴いた後に僕らを見たらまた印象が変わると思う。それと僕たち自身がMVに出演していないのは、深い意味はないです。MVでは外国人が出てるけど、日本人が出てても面白いと思うし。それに、今の形で仕上がってきたからこれが正解だと思ってます。
-今回カップリングでゲスト参加しているTHE NOVEMBERSの小林さんもそういった考えに通じるところがありますよね。
小林くんに出会って同じことを考えてる人っているんだって思いました。一緒にいて楽しいし、親友を見つけたって感じです。重たい感じで付き合ってるわけでもないし、単純に気が合うんですよね。言ってることひとつひとつが面白いし、つまらないことを言わないんですよ。ライバルでもあるんですけど、価値観が似てるっていうのは大事じゃないですか。そこが合わないと友達にもライバルにもなれない。小林くんとは出会った時からずっとそうなんですよね。
“BODY”の三組でニューウェーヴを広めようぜってなった時にリリースしたのもこの曲だった
-ゲスト参加は小林さんだけでなく、Lillies and RemainsのKENTさんとMaison book girlのコショージメグミさんも参加されてますが、なぜその3名が参加することになったのでしょうか?また、「Pink Snow」と「Time In The Celler」の2つの曲をリニューアルして収録していますが、過去の曲を新しいものにされたのはなぜですか?
企画イベントの“BODY”もあるし、ずっと一緒にやってきたTHE NOVEMBERSとLillies and Remainsと一緒に作りたいなと思って、声をかけるのはマストだと考えてました。女性の声が欲しいなと思って声をかけたのが最近仲良くなったコショージさんですね。Maison book girlってアイドルグループをやってるのに何でこんなにニューウェーブ好きなのって思うくらい音楽に詳しいし、頭のネジの飛びぬけ具合もすごくて面白いんですよ。合わない人と何かを作ることは出来ないので、基本的に合うメンバーを揃えた感じですね。この3人はみんな「Pink Snow」が好きだって言ってくれてるんですよね。小林くんも僕らを知ったきっかけの曲って言ってたし、“BODY”の三組でニューウェーヴを広めようぜってなった時にリリースしたのもこの曲だった。何かと縁があった曲だったんで、だからこそこの曲に参加してもらいました。
-「Minds」をどのような人に聴いてほしいと思いますか?
範囲を限定するんじゃなくて、とにかくこのメロディや世界観にひっかかってくれる人が一人でも多くいたらいいなっていうことに尽きますね。音楽をやってて自分の音楽に自信がない人はいないと思いますけど、僕、本当に自信あるんで。一人でも多くの人に届いたらいいな、と思います。
-最後に次のアルバムや作品について話せることってありますか?
作品として出来上がってないのでまだ何とも言えないんですけど、毎日曲は作ってますし、バンドの状態ももっともっと良くなると思う。現状をちゃんと超えていくのが僕の中のプライドでありポリシーです。それを貫いていけば、曲やバンドの位置も良くなっていくはず。そうしたら、みんなハッピーになるんじゃないかな。みんなに楽しんでほしいって思う。僕はそれだけで良いです。
※インタビューの続き(PLASTICZOOMSの音楽やファッション、SHOの人柄がどう変わっていったかについて)は、雑誌化するBELONG Vol.22に掲載!
【Magazine】
掲載内容:PLASTICZOOMSインタビュー後半・SHOが語る“音楽やファッション、自身の人柄がどう変わっていったかについて”、『Taboo』対談後編・ケンゴマツモトが語る“即興演奏について”、他
【Event】
PLASTICZOOMS presents「DIE KÜSSE #11 ~Minds Release Party~」
日程:2017年12月15日(金)
会場:東京・渋谷 CHELSEA HOTEL
OPEN / START : 19:00 / 20:00
ADV. / DOOR : ¥3,800 / ¥4,300(+1D)
イープラス・ローチケ・ぴあ・バンドWEBにて予約
(10/28より受付開始)
PLASTICZOOMS
ゲスト:小林祐介(THE NOVEMBERS )
【Release】
『MINDS』
発売:2017年12月15日
値段:¥1,389(税抜)/ ¥1,500(税込)
品番:VJR-3206
収録曲:
01. Minds
02. Pink Snow -2017 version- ft. KENT (Lillies and Remains)、コショージメグミ (Maison book girl)、小林祐介(THE NOVEMBERS)
03. Time In The Cellar -2017 version- ft. コショージメグミ (Maison book girl)
04. Quite Cleary (ELECTOROSEXUAL Remix)
※会場のみの限定販売
『PLASTICZOOMS』
NOW ON SALE
値段:¥2,700(税抜)
品番:VJR-3201
フォーマット:CD&配信