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風雲児はLAからやってくる
アメリカ・カリフォルニアのロサンゼルスと言えばその広大な自然と降り注ぐ太陽、映画の帝国ハリウッドもあるアメリカ有数の観光地であり、映画・音楽の一大拠点。
かつて映画の道に進もうと思っていたジム・モリソン率いるザ・ドアーズもこの地で結成し、押しも押されぬロックレジェンドとなりました。
90年代にはミクスチャーロックで世界的なバンドになったレッド・ホット・チリ・ペッパーズが登場したのもここ。
このロサンゼルスという地域は過去何度もロックに大きな影響をもたらすバンドが現れた土地なのですが、ここに来て面白いバンドやアーティストが次々と登場しています。
規格外の新人バンド、Liily
まずはデビューアルバムすら出していない4人組ロックバンド、Liily。
彼らは日本だとまだ無名ですが、海外ではBBC Radio 1のJack Saundersによって選曲され、人気に火がつきました。
デビューシングル「Toro」のMVはアルバムすら出していないにも関わらず、現在100万回再生されています。
あえて言いますが、彼らはポスト・アークティック・モンキーズと言っても過言ではありません。
今の時点でサマーソニックのメインステージのオープニングアクトができるくらい演奏もしっかりしています。
また先日、彼らは地元でフェスを開催し、今フェスで引っ張りだこのスタークローラーも呼んで成功させています。
ザ・レモン・ツイッグスもプロデュースするFoxygen
そのロサンゼルスで忘れてはいけないのはザ・レモン・ツイッグスやホイットニーのプロデューサーとして知られるジョナサン・ラドー率いるフォクシジェン。
初期作は破天荒極まりないサイケデリック・サウンド全開だった彼ら。
他のバンドのプロデュースを行うようになってきたからでしょうか、歌に力を入れプロダクションのしっかりした曲を作るようになってきました。
新曲はロックと言うよりもポップスに片足を突っ込んでいるあたり、ここからどういう風になっていくのか想像がつきません。
過去作のファンからしたら、少しもの足りないかもしれませんが、彼らはいつでも賛否両論あるから良いのです。
ロサンゼルスの暴走機関車、STARCRAWLER
そしてLAの風雲児と言えば昨年颯爽とシーンに表れては、オジー・オズボーンばりのパフォーマンスと暴走機関車のごときロックサウンドで注目を集めたスタークローラー。
昨年のフジロックのストリーミングのコメント欄は、ボーカル・アロウの血糊のパフォーマンスで最高潮を迎えていました。
昨年末に「Hollywood Ending」をリリースしたばかりで世界中をツアーで周り、半端じゃない数のステージをこなしている彼ら。
今年はさらにパワーアップした姿を見られることでしょう。
ユニーク過ぎる夫婦デュオ、KOLARS
またロサンゼルスはアメリカ有数のエンターテイメントの街ということもあり、ユニークなアーティストがたくさんいる場所でもあります。
特に夫婦デュオ、コラーズのローレンはタップダンスをしながら、ドラムを叩くという離れ業をやってのけます。
それはコラーズの前身バンドだったHe’s My Brother She’s My Sisterの時から健在。
現在ではデザート・ディスコと自ら称する音楽を演奏しており、ロサンゼルスのシーンでも一際異彩を放っています。
UKロックもどんどん面白いバンドが出てきていますが、ことロックに関しては断然LAの方が強烈で個性的なバンドばかりです。
濃くしているのは間違いなく彼らで、今後もこの土地から新しい才能が出てくることを期待して注目していきたいと思います。(文:矢部友宏)
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