最終更新: 2020年12月6日

どうしてイギリスから常にハイセンスなバンドが現れ続けるのか。

ザ・キンクス(The Kinks)や60’sのクラシカルでサイケデリックなUKロック感満載のバンド、ホロー・ハンド(Hollow Hand)もそのうちの1つ。

Hollow Handとは

Hollow Hand

Hollow Handはイギリスのブライトン出身で、マックス・キングホーン・ミルズ(Vo/Gt)、パン・アンドレス(Produce/Mixer)、

アトラス・シュラッグス(Dr/Produce)の3人から成るバンドでマックスを中心として活動している。

来歴

2015年にファーストアルバム『Ancestral Lands』をアメリカ・バージニアのインディーレーベル、Ongakubaka Recordsからリリース。

そして待望のセカンドアルバム『Star Chamber』がロンドンのインディーズレーベル、Talkshow Recordsより2018年に発売された。

ちなみにTalkshow Recordsと言えば、以前BELONGでも紹介したバンド、スタッツ(Stats)も所属している実力派レーベルだ。

『Star Chamber』

最新アルバム『Star Chamber』を通して感じる絶妙なアナログ感とローファイ感は、自宅のスタジオや自然たっぷりのガーデンでDIY的にレコーディングされた。

夏の曲をレコーディングするときはドアを開けっ放しでレコーディングすることにより、鳥のさえずりや自然の音が入ることで楽曲にマイルドな響きが加えられ、

Hollow Handの世界感がよりディープに表現されている。

アルバム名でもある”Star Chamber”という響きにもあるように、コスミックさとアース感の両立がバンドのテーマのようだ。

シド・バレット(Syd Barrett)のようなサイケフォークを踏襲しながらも、スペーシー感もバランス良くブレンドしており、サイケロックファン、

60’s〜70’sファン、そしてオルタナティヴ・ロックファンも全てのファン層を惹きつけるアルバムに仕上がっている。

「A World Outside」

シングル曲でもある「A World Outside」はイントロのギターから一発KO間違いなしの楽曲。

うれしさの中にある少し物悲しい感じと、ザ・キンクスを思わせるボーカル、そしてクラシックポップなメロディーラインのセンスはさすがである。

この曲と、もう一つのシングル曲でもある「Milestone」を聴けば彼らのセンスと力量が分かると思う。

イギリスの伝統的な音楽文化をしっかりと受け継ぎ、ノスタルジアとモダンさを絶妙にミックスさせながら次世代へと繋いでいく。

Hollow Handはその重要なバトンとなるバンドだと確信している。これからどう化けるのか楽しみで仕方ないバンドの一つだ。

リリース

Star Chamber
Star Chamber

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Hollow Hand
Talkshow Records (2018-10-26)
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収録曲:
1.Ancestral Lands
2.One Good Turn
3.Blackberry Wine
4.A World Outside
5.Milestone
6.It’s You
7.Two Of Us
8.End Of Everything
9.Made Up My Mind
10.Avalon
11.Land Of The Free

Youtube

Hollow Hand – A World Outside

Hollow Hand – Milestone

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、インターナショナルビジネスを専攻。兵庫県出身のサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。2017年には全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をインディーズレーベル、Dead Funny Recordsよりリリース。サイケデリック、ドリームポップ、ソウル、ロカビリーやカントリーなどを愛聴。好きなバンドはTemplesとTame Impala。趣味は写真撮影と映画鑑賞。
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