最終更新: 2020年12月6日
Låpsley
目次
ラプスリーとアデル
未だに“ネクストレベルのアデル”という触れ込みで紹介されている、ラプスリー(Låpsley)。
若干19歳で鮮烈なデビューを飾るとともにグラストンベリーへの出演を果たした経歴とBBC、
NMEの新人アーティスト賞に選出された実力から推し量れば、アデルの名を借りるまでもない。
とはいえ、彼女の所属するXL Recordings はVampire WeekendやThe XX、そしてアデルなどが在籍する英国のインディー・レコードレーベル。
そして、彼女自身も23歳シンガー・ソング・ライターであり、英国は北西に位置するサウスポート出身ゆえ、いやがおうにもアデルと比較されてしまうというわけだ。
新曲は予定調和?
そんなラプスリーは、前作のデビューアルバム『Long Way Home』からフジロックへの出演や映画『アメリカン・ハニー』のサウンドトラックへ曲を提供するなどを挟み、
約4年ぶりとなる最新EP『These Elements』を11月22日にリリースすることを発表。
それと同時に収録曲「My Love Was Like the Rain」を公開した。
今作も打ち込みを多用し、立体的な音像を創りあげながら変拍子と雅楽三管的な響きを奏でるシンセとをかけ合わせた上質なエクスペリメンタル・ポップな趣。
しかし展開的なところでいえば、すべて予定調和に鳴らされている印象だ。
すべてあらかじめ決まっていたかのように進行され、前作のようなスリリング感や瑞々しさは後退。
その代わりに円熟した艶やかなヴォーカルが前面に感じられるというのが今回の聴きどころであり、彼女の成長を感じられる事柄だろう。
収録が予定されている他の3曲では、どの要素から彼女の4年間を感じられるか今から楽しみである。
ライター:滝田優樹
北海道苫小牧市出身のフリーライター。音楽メディアでの編集・営業を経て、現在はレコードショップで働きながら執筆活動中。猫と映画観賞、読書を好む。小松菜奈とカレー&ビリヤニ探訪はライフスタイル。
リリース情報
収録曲:
01.My Love Was Like The Rain
02.Eve
03.Ligne 3
04.Drowning
プロフィール
数々のレーベルからの争奪戦の末、アデルやヴァンパイア・ウィークエンドを擁する<XLレコーディングス>と契約した19歳の新星シンガー・ソングライター、ラプスリー。BBCが毎年選出するその年期待の新人アーティスト・ランキング<Sound Of 2015>にもノミネートされるなど早くから話題となり、ライブはソールドアウトする会場が続出。ネクスト・アデルとも言われるなどブレイクが間違いないアーティストとして早くから注目を集めた。2016年3月にデビュー・アルバム『ロング・ウェイ・ホーム』をリリース。4月にはHostess Club Presents Sunday Specialで初来日公演を行い、7月にはフジロックフェスティバル’16で早くも2度目の来日を果たした。
Music
Lapsley – My Love Was Like The Rain