最終更新: 2021年8月9日
目次
squidとは
先日よりUKロックバンドを取り上げる機会が多くなってきたが、調べれば調べるほど、面白い(というか変な)新人バンドがゴロゴロいる。
今回は知人から教えてもらったバンドを紹介したい。前回紹介したPORRIDGE RADIOに引き続き、ブライトンから出てきた5人組の新人バンド、squid(スクウィッド)。
まずはバンドである“squid”という単語をGoogleで画像検索して欲しい。
出てくるのはなんとイカばかり!それをバンド名にするのか・・・という驚きがあるが、なんともイカしたバンド名である。
シュールなセンスを持つsquidだが、音楽もバンド名に負けていない。
ポストパンクが根底にあるのだが、突拍子もない音をアウトプットするギターやシンセ、管楽器が混じり、ありそうでなかった音楽を生み出している。
名匠ダン・キャリーがプロデュース
彼らが注目のバンドである理由の一つはフランツ・フェルディナンドの3作目『Tonight: Franz Ferdinand』を手掛けた名匠ダン・キャリーがプロデュースしていることだ。
ダンはここ最近、サウスロンドンシーンを形成する若手バンドを積極的にプロデュースしている。
以前取り上げたGoat GirlやBlack Midiなど日本にも来日し、本国でも評価されているバンドを手掛けている。
ダン自身のレーベルであるSpeedy Wundergroundはsquidと契約し、プロデュースも行われた。
その結果、2018年9月にリリースされた「The Dial」はバンドの持つストレンジさが際立つ素晴らしい楽曲に仕上がっている。
『Town Centre』
自身の持つストレンジな感性が露になったsquid(スクウィッド)は2019年9月にデビューEP『Town Centre』をリリースした。
楽曲はダンによってさらに整理され、えも言われぬ音楽に仕上がっている。
そして今作はPitchfolkも取り上げられ、彼らは注目のバンドの一角となった。
彼らの音楽は〇〇に似ていると言うのが難しい。オリジナリティが確立しているから、このバンドに似ていると言いにくいのだと思う。
良いバンドは得てしてそういう側面があると思う。
彼らの独自性がどこまで行くのかこれから注目したい。
BBC Sound of 2020に選出
英国放送協会(BBC)が注目の新人をピックアップする毎年恒例の企画“BBC Sound of 2020”にて、squidが10組に選出された。
これまでにAdeleやHAIM、Years & Yearsなど第一線で活躍するアーティストを輩出してきたこの企画。
▼BBC Sound of 2020公式ページ
https://www.bbc.co.uk/programmes/articles/4hf3JpfgFysgsBdpf7R0SbJ/sound-of-2020
Warpと契約!
“BBC Sound of 2020”にて、squid(スクイッド)がテクノの名門レーベル“WARP”と契約した。
「Sludge」
そんなこれから注目のバンド、squidが新曲「Sludge」を公開した!
「Sludge」は彼らがポスト・パンクの伝説的バンド、ワイアーの前座としてサウンドチェック中に曲の構想が思い浮かんだという。
以前からのポスト・パンク・サウンドはそのままに、よりサイケデリックに進化したsquidのサウンドは以前と比べ、飛躍的に進化しており、デビューアルバムが今から楽しみである。(2020年3月30日追加)
Squid – Sludge (Official Audio)
「Broadcaster」
先日、テクノの名門レーベルWarpと契約し、SUPERSONIC 2020の出演も決定しているsquid(スクウィッド)。
彼らが先日リリースした新曲「Sludge」に続き、「Broadcaster」の音源を公開した。
また、squidの新曲「Sludge」と「Broadcaster」を収録した10インチアナログが6月26日に発売されることも決定した。
squidの10インチアナログは、beatinkのHPで販売を開始している。
「Broadcaster」の公開に併せ、squidのメンバーであり、歌詞を手がけたオリー・ジャッジ(Dr./Vo.)は下記のように語っている。
メンバーからのコメント
“この曲の歌詞は現代美術家のナム・ジュン・パイクと彼のインスタレーション『TV Garden』からインスピレーションを得ている。それはディストピアとユートピアの間の境界線を曖昧にしていると思ったんだ。森の中にテレビがそびえ立っていて、自然とテクノロジーの中で同義的に生活するのがどんなものかってのを想像した。
– Ollie Judge (Drums & Lead Vocals)”
Squid – Broadcaster (Official Audio)
また、先日公開されたsquidの新曲「Broadcaster」のMVも公開された!(2020年7月25日 追記)
Squid – Broadcaster (Official Video)
リリース
発売日:2020年6月26日
レーベル:Warp Records
フォーマット:10inch 輸入盤
品番:10WAP443
価格:¥ 2,100(+税)
販売先:beatinkのHP
収録曲:
A1. Sludge
B1. Broadcaster
発売日: 2020/5/21
レーベル: Warp Records
発売日: 2020/3/25
レーベル: Warp Records
『Town Centre』
発売日:2019/9/6
レーベル:Speedy Wunderground / [PIAS]
収録曲:
1.Savage
2.Match Bet
3.The Cleaner
4.Rodeo
『Speedy Wunderground – Year 4(コンピレーション)』
発売日:2019年12月6日
レーベル:Speedy Wunderground
収録曲:
1. Scottibrains – Sustained Threat
2. black midi – bmbmbm
3. Squid – The Dial
4. Black Country, New Road – Athen’s, France
5. All We Are & Alex Kapranos – Heart Attack
6. Tiña – I Feel Fine
7. Treeboy & Arc – Concept
8. Sinead O’Brien – Taking On Time
YouTube
- Squid – Match Bet (Official Audio)
- Squid – The Dial | Stolen Sessions
- Speedy Wunderground – Year 4 – Visualizer
プロフィール
“ブライトンで結成された、オリー・ジャッジ (ドラム & リードボーカル)、ルイス・ボアレス (ギター&ボーカル)、アーサー・レッドベター (キーボード、弦楽器、パーカッション)、ローリー・ナンカイヴェル (ベース&ブラス)、アントン・ピアソン (ギター&ボーカル) から成る5人組バンド、スクイッド。”
bandcamp:https://squiduk.bandcamp.com/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCMLtEqhaPr8q-D_PkFcugzw
Facebook:https://www.facebook.com/squiduk
Soundcloud:https://soundcloud.com/squiduk
ライター:yabori
BELONG Mediaの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻
これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。
過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。
それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行してきた。
現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。
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Twitter:@boriboriyabori