2020年の3月に来日を予定していた海外アーティストの延期・中止が続出している。

これを読んでいる方も見に行きたかった公演が見れずに残念な思いをしたことだろう。

そこでBELONGでは来日延期・中心となった海外アーティストのライブ動画を紹介する。

これを見て、次なる来日の機会を待ちたいと思う。(文:矢部友宏)

海外アーティストのライブ動画10選

海外アーティストのライブ動画10選

HOMESHAKE

HOMESHAKE | Juan’s Basement Live

Mac DeMarcoの元ギタリストであるHOMESHAKE(ホームシェイク)による『Fresh Air』と『Midnight Snack』の収録曲で構成されたライブ映像。

特有のドリーミーで浮遊感のある曲に定評のある彼だが、ライブではその浮遊感に相反したタイトなリズム隊が曲に安定感とメリハリを生み出すため飽きずに聴くことができる。

このライブを観て思うのが、HOMESHAKEの音楽は広い会場で聴くよりむしろ狭く薄暗いライブハウスで聴くのが曲に対してのベストな距離感ではないかと感じる。

それは彼の音楽がベッドルーム・ポップだからなのか、近い距離感で聴くからこそより音に没入できるのだろう。(文:Rio Miyamoto)

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フォーマット:LP Record

Phoebe Bridgers

Phoebe Bridgers @ Brooklyn Steel | Pitchfork Live

ロサンゼルス出身の女性SSW、Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)のバンド編成によるライブ映像。

ファーストアルバム『Strangers in the Alps』より贅沢にも8曲が披露されている。

アコースティックでゆったりとした「Smoke Signals」からライブは始まる。

静かに聴かせながらも彼女から滲み出る陰影にどんどん心が持っていかれる。

「Georgia」では無限に広がる壮大な大地の情景がハッキリと頭に浮かぶほど、彼女の曲が持つ迫力に圧倒される。

彼女の代表作である「Motion Sickness」ではアコースティックから一変、エレキギターから発せられるインダストリアルで攻撃的なサウンドは本当に何度聴いても引き込まれる。

全体を通して薄暗いパープルの照明が印象的だが、彼女から垣間見られるダークな側面に呼応しているに違いない。その空気感も含めて、彼女の世界感に浸ってみてはいかがだろうか。(文:Rio Miyamoto)

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フォーマット:LP Record

Whitney

Whitney – Full Performance (Live on KEXP)

Whitney – “Giving Up” | Pitchfork Music Festival 2019

シカゴ出身のフォーク・ロックデュオ、Whitney(ホイットニー)。

最新アルバム『Forever Turned Around』より4曲が披露されたKEXPのスタジオライブ映像と「Giving Up」の野外ライブを紹介したい。

メンバーは2人だがライブではサポートを加え7人になり、トランペット、ピアノやギターなどが加入し音源の世界感をよりダイナミックに表現している。

スタジオライブと野外ライブを比べると音の広がりが格段に違うのでぜひ聴き比べて欲しいのだが、野外ライブでの音の広がりは曲の持つ大自然の雄大さをより引き立てている。

Whitneyの音楽はやさしく心を癒してくれ、どこか心のよりどころになるエッセンスがふんだんに含まれている。

本当は生で観たかったと心底思うが今はライブ映像で癒されて欲しい!(文:Rio Miyamoto)

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Whitney
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フォーマット:LP Record

Temples

Berlin Live: Temples – ARTE Concert

イギリスのサイケデリック・バンドTemples(テンプルズ)による1時間にも及ぶフルライブの映像。

ファーストアルバム『Sun Structures』から最新作『Hot Motion』まで網羅したライブで、これを観れば今のTemplesの全てが分かる内容となっている。

彼らのライブに実際に足を運んだことのある人は分かるかも知れないが、サウンドのアート性がとても高い。

よく同じサイケデリック・バンドの括りとしてTame Impalaと比較されがちだが、Tame Impalaは鼓膜と目、両方から脳へ直接伝わる快感がたまらないのに対し、

Templesはその名の通り古い寺や宮殿へ連れて行かれるような、その世界感に強く引き込まれるような感覚になる。

ぜひTemplesのサウンドに身を委ねサイケデリックな世界を楽しんでいただきたい!(文:Rio Miyamoto)

Hot Motion [Analog]
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Temples
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フォーマット:LP Record

Mac DeMarco

Mac DeMarco – Full Performance (Live on KEXP)

彼の自由奔放でチルな人柄が楽曲やMC、歌詞をど忘れした様子、全てから伝わるライブが魅力のMac DeMarco(マック・デマルコ)。

こちらは2019年に発売された『Here Comes the Cowboy』収録曲のみで構成されたKEXPでのスタジオライブ。

歌詞が一行しかない「Here Comes the Cowboy」からライブはスタートし、音数は少ないがマック特有の浮遊感のある「Nobady」。

「K」ではスムースなピアノプレイが光り、シングル曲である「All Of Our Yesterdays」で幕を閉じる。

今作でより大人な楽曲アレンジを身につけ、しっとりと聴かせながらもみんなの心を一つに繋ぎとめるカジュアルな温かさも兼ね備えたMac DeMarcoらしいライブだ。(文:Rio Miyamoto)

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フォーマット:LP Record

FOALS

Foals [EXTRAIT] @ ARTE Concert Festival – ARTE Concert

先日、公開の記事“FOALS、2枚のアルバムを携えたキャリア史上最高の爆発を体感せよ!”でも書かせていただいたが、彼のアクトはモッシュやシンガロング、横揺れが各所で巻き起こる。

持ち前の演奏力だけで、オーディエンスにここまでの反応をさせるバンドはそうは多くないはずだ。

実際に海外公演での客の反応を見てみると、日本とは違うタイプのリアクションを確認できて、それだけでも面白いものだ。

演奏はもちろんだが、FOALS(フォールズ)に限ってはそのリアクションを楽しんで欲しい。

それだけで彼らを知らない人、もしくはライブを見たことない人でもFOALSというバンドがどういうバンドかわかるはずだ。(文:滝田優樹)

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フォーマット:LP Record

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フォーマット:LP Record

FAT WHITE FAMILY

FAT WHITE FAMILY – NOX ORAE 2018 | Full Live performance HD

今回、初の来日公演を行う予定であったFAT WHITE FAMILY(ファット・ホワイト・ファミリー)。

日本人でそのライブを生で目にしたものは数少ないであろう。サイケをまとったロックンロールが魅力な彼ら。

悪い何かに取り憑かれたように唄い、暴れるリアス・サウディ(Vo.)に要注目だ。いや、注目しなくてもすぐに目につく。

過激すぎる立ち振る舞いは場を破壊するわけでなく増強剤となり、その音楽性をさらに深化させる。

音源だけでも充分に破天荒なのだが、彼らの音楽はライブパフォーマンスをもって完成されるといっていいほどに超常的なのだ。(文:滝田優樹)

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フォーマット:LP Record

NEW ORDER

New Order – Ceremony, live at Celebration 1981

New Order Live In Berlin (Electronic Beats TV)

まずは1本目のライブ映像(80年代)を見てみて欲しい。お世辞にも演奏が上手いとは言えない…。

それゆえにNEW ORDER(ニュー・オーダー)=ライブが下手。なんてイメージを持っている方も多いと思う。

しかし、2011年に再結成してからのライブ映像を拝見するとそんなことはない。

エレクトロニカ全開で、メンバーのほとんどが還暦をこえても若々しいパフォーマンスを披露する。

長いキャリアを誇るバンドであるが、決して懐古的なライブではない。

照明とステージ後方に構えるスクリーンに映し出された映像、そして演奏も全て攻めの姿勢。

心地よさと熱狂が溶けあい、次第に会場を呑みこんでいく様を見届けて欲しい。(文:滝田優樹)

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フォーマット:LP Record

THE NATIONAL

The National – Full performance (Live at Rock the Garden 2019)

The National @ Centquatre | Full Set | Pitchfork Live

彼らの鳴らす音楽を一言で形容すると、“繊細”だ。

感情の機微を見事に表現した演奏から感じとることができるのだが、ライブにおいてもその繊細さは失われることはない。

派手なことはなく、シンプルなライブだけれどもそれだけで美しい。ひたむきに演奏する姿が心の琴線に触れる。

1本目のライブ動画はモノクロでの加工が施されているのだが、音の彩りが感じられる最新作『I Am Easy To Find』のモードを見事に反映しているといえよう。

そういった美的感覚が優れたTHE NATIONAL(ザ・ナショナル)のライブ映像を見る際はただただ聴き入って欲しい。

そうすることで、たとえ映像であっても奥深い世界に浸ることができる。(文:滝田優樹)

フォーマット:LP Record

STORMZY

Dave (feat. Alex) – Thiago Silva

STORMZY – HEAVY IS THE HEAD MEDLEY & ANYBODY feat. BURNA BOY [LIVE AT THE BRITs 2020]

STORMZY(ストームジー)といえば、UKグライムの寵児。

カルチャー・アイコンとしても知られる彼は、“グラストンベリー2019”にて匿名のストリートアーティスト、バンクシー制作による防刃チョッキを着用してパフォーマンスを行った。

残念ながら公式チャンネルが配信している動画ではその姿を確認することができないのだが、気になる方はSTORMZYのインスタグラムを見てみるといい。

畳みかけるような節回しやエモなフロウが際だつ、攻撃的なトラックでは多くのダンサーを導入して豪華絢爛に魅せつける。

2つ目の動画(The BRIT Awards 2020)ではR&Bやソウルを取りこんだトラックもあり、大所帯のコーラスを擁したしっとりとバラードナンバーは力強さよりもきめ細かさを感じる。

とはいえ、派手な演出に劣らずSTORMZYのラップは圧倒的な存在感を示している。

他に目をひかれがちだけれども、マイクひとつで統制をとってしまう支配力抜群のラップさばきを、とくとご覧あれ。(文:滝田優樹)

Heavy Is the Head [Analog]
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Stormzy
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フォーマット:LP Record

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
兵庫県出身のサイケデリック・ロックバンド、Daisy JaineのVo./Gt.。アメリカ・ボストンに留学経験があり、BELONGでは翻訳を担当。サイケデリック、オルタナ、60s、ロカビリーやR&Bと幅広く聴きます。趣味はファッション、写真、映画観賞。
Twitter:@rio_daisyjaine

ライター:滝田優樹
滝田優樹
北海道苫小牧市出身のフリーライター。音楽メディアでの編集・営業を経て、現在はレコードショップで働きながら執筆活動中。猫と映画観賞、読書を好む。小松菜奈とカレー&ビリヤニ探訪はライフスタイル。
Twitter:@takita_funky

ライター:矢部友宏
矢部友宏
BELONGの編集長。理想のインディーミュージックを追い求め、日夜bandcampを漁っている。
Twitter:@boriboriyabori

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