最終更新: 2022年5月15日

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)が新作アルバム『Happier Than Ever』より、シングル曲「Your Power」をリリースした。

この記事では新曲「Your Power」の歌詞を和訳し、内容を掘り下げている。

Z世代のカリスマとして、絶望の時代を生きる同世代の若者に共感するメッセージを送り続けているBillie Eilish。

彼女が苦しんだ過去の恋愛から学んだ、今世界に伝えたいこととは。

Billie Eilishとは

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)
Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)はアメリカのロサンゼルス出身の女性シンガーソングライター。

代表曲「Bad Guy」のMVはYouTubeで10億回再生(2021年5月現在)を超え、グラミー賞では最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞している。

2019年にデビューアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』をリリースし、最優秀アルバム賞と最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞。

2021年6月25日より、ドキュメンタリー映画『ビリー・アイリッシュ: 世界は少しぼやけている(原題:Billy Eilish: The World’s A Little Blurry)』が日本で劇場公開される。

2021年7月30日にセカンドアルバム『Happier Than Ever』をリリースする。

Your Powerについて

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)のセカンドアルバム『Happier Than Ever』より先行シングル「Your Power」がリリースされた。

Billie Eilishの兄であるフィニアス・オコネルがプロデュースを務めており、ビリー自身が監督を務めたMVでは、巨大なアナコンダが彼女を締め付ける演出がなされている。

新曲へのコメント

Billie Eilishは、新曲「Your Power」について、下記のようにインタビューに答えている。

“この曲は人を騙したり利用している人へ対する公開状みたいなものなの、特に男性に向けての。女子も女性も、今まで辛い経験をしてきてない人には会ったことないわ。もちろん男性も含めてね。小さい頃に起きた酷い出来事は忘れ去られて、成長してから気づくものでしょ。”

また、自身のインスタグラムでは下記のようにコメントしている。

“この曲は、今までに作った曲の中でもお気に入りのひとつ。自分の心の中をさらけ出しているようで、とても無防備な感じがする。これは私たちが目撃したり経験したりした様々な状況について書いた曲。これが変化のきっかけになってくれることを願う。自分の権力を乱用しないで”

引用元:ビリー・アイリッシュ、2ndアルバムからの先行曲公開。MVでは約36キロもある蛇がビリーを締め付ける(uDiscoverMusic)

Billie Eilish – Your Power (Official Music Video)

Your Power和訳

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の新曲「Your Power」。

Billie Eilishが過去の恋愛で苦しんだ経験を基にして作詞された歌詞を和訳し、内容を考察していく。

自分の力を乱用しないで
私たちは変化を求めてた訳じゃない
力を失うのが怖いのね
力があるというのも変な話だけど

“Try not to abuse your power
I know we didn’t choose to change
You might not wanna lose your power
But havin’ it’s so strange”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「Your Power」歌詞(Genius Lyrics)

あなたはヒーローだった、と彼女は言った
あなたは自分の役を演じきったわ
でも彼女の一年間をぶち壊した
大変だったなんてフリしないで
知らなかったて言ったわよね(知らなかった)
私に何も聞いてこないのも無理はないわ
彼女は眠る時あなたの服を着てたのよ(あなたの服よ)
でも彼女はクラスに出席しないと

“She said you were a hero
You played the part
But you ruined her in a year
Don’t act like it was hard
And you swear you didn’t know (Didn’t know)
No wonder why you didn’t ask
She was sleepin’ in your clothes (In your clothes)
But now she’s got to get to class”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「Your Power」歌詞(Genius Lyrics)

よくもそんなこと平気でできるわね
どうしてそんなことするの?
バレた時だけ反省した態度を見せるなんて
もし全てを無かったことにできるなら
そうするの?

“How dare you?
And how could you?
Will you only feel bad when they find out?
If you could take it all back
Would you?”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「Your Power」歌詞(Genius Lyrics)

自分の力を乱用しないで
私たちは変化を求めてた訳じゃない
力を失うのが怖いのね
力があるというのも変な話だけど

“Try not to abuse your power
I know we didn’t choose to change
You might not wanna lose your power
But havin’ it’s so strange”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「Your Power」歌詞(Genius Lyrics)

私は特別だって思ってた
あなたがそう思わせたの
全て私のせいだなんて、あなたはまるで悪魔ね
もう魅力を失ってしまった
主導権を握り続けるため?(主導権を握って)
そのために彼女を檻の中に閉じ込めたの?
知らなかったって言ったわよね(知らなかった)
彼女は同い年だと思ってたなんてよく言えたわね

“I thought that I was special
You made me feel
Like it was my fault, you were the devil
Lost your appeal
Does it keep you in control? (In control)
For you to keep her in a cage?
And you swear you didn’t know (Didn’t know)
You said you thought she was your age”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「Your Power」歌詞(Genius Lyrics)

よくもそんなこと平気でできるわね
どうしてそんなことするの?
契約が打ち切られた時だけ
反省した態度を見せるなんて
どうなの?

“How dare you?
And how could you?
Will you only feel bad if it turns out
That they kill your contract?
Would you?”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「Your Power」歌詞(Genius Lyrics)

自分の力を乱用しないで
私たちは変化を求めてた訳じゃない
力を失うのが怖いのね
力があるというのは苦しめることとは別物よ

“Try not to abuse your power
I know we didn’t choose to change
You might not wanna lose your power
But power isn’t pain”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「Your Power」歌詞(Genius Lyrics)

Your Powerの意味

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の新曲「Your Power」では、恋愛で苦しんだ過去について描かれている。

元恋人からの身体的かつ精神的な虐待を受けていたことを示唆している一文から「Your Power」は始まる。

“自分の力を乱用しないで”

ここで出てくる“Abuse”という単語には乱用という意味の他に虐待という意味も含まれており、歌詞の“Try not to abuse your power”は、“Try not to abuse your lover”とも掛けられているとも考えられ、“恋人へドメスティック・バイオレンスをしてはいけない”、というメタファーとも読み解ける。

続くこの歌詞では、恋人との関係性が崩れ始め、虐待が外部に暴露された際に表向きには反省した態度を取る様子が表現されている。

“よくもそんなこと平気でできるわね
どうしてそんなことするの?
バレた時だけ反省した態度を見せるなんて
もし全てを無かったことにできるなら
そうするの?”

そして「Your Power」で最も重要なのが最後の一文。

“力があるというのは苦しめることとは別物よ”

これは、“自分の力を乱用しないで”、という最初の一文とリンクする内容で、人は精神状態によってはDVや性犯罪など、力の使い方を誤ることがあることを伝えようとしている、と推測できる。

Z世代の代表として、心が痛むような具体的な内容は示さずとも、女性が悩む社会問題を「Your Power」の歌詞に乗せて世界へ提示し、一人でも多くの悩める人にとっての光となればと願う。

Your Power作品クレジット

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)のシングル「Your Power」のクレジットは下記となっている。

プロデューサー:FINNEAS
作詞・作曲:FINNEAS & Billie Eilish
レーベル:Interscope Records & Darkroom Records
リリース日:2021年4月21日

Billie Eilishリリースアルバム

2ndアルバム『Happier Than Ever』

発売日: 2021/7/30
収録曲:
1.Getting Older
2.I Didn’t Change My Number
3.Billie Bossa Nova
4.my future
5.Oxytocin
6.GOLDWING
7.Lost Cause
8.Halley’s Comet
9.Not My Responsibility
10.OverHeated
11.Everybody Dies
12.Your Power
13.NDA
14.Therefore I Am
15.Happier Than Ever
16.Male Fantasy
フォーマット:Mp3
Amazonで見る

1stアルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』

発売日:
フォーマット:Mp3、CD
Amazonで見る

Billie Eilishプロフィール

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)

“2001年12月18日生まれの19歳、米国ロサンゼルス在住のシンガー・ソングライター。

2019年に発売したデビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』は英米を含め全世界18の国と地域で1位を獲得。同作は2019年に全世界で最も売れたデビュー・アルバムとなり、米ビルボード・アルバム・チャート(Billboard 200)の年間アルバム・チャートでは史上最年少で1位に輝いた。彼女の代表曲「bad guy」は、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で1位を獲得し、2000年以降に生まれたアーティストとして史上初の偉業を達成。日本でも、日テレ系日曜ドラマ「シロでもクロでもない世界でパンダは笑う。」の主題歌に同枠初の海外アーティストとして抜擢され、2021年4月には、日本レコード協会のストリーミング認定開始以降、洋楽女性アーティスト初、さらに洋楽史上最速でのプラチナ認定(1億回再生)となった。

2020年の「第62回グラミー賞」で、史上最年少18歳で、年間最優秀レコード、年間最優秀アルバム、年間最優秀楽曲、最優秀新人賞の主要4部門に加えて合計5部門を受賞。主要4部門の獲得は39年ぶりの史上2人目、最年少、初の女性という偉業を達成。

2021年の「第63回グラミー賞」でも、2年連続となる年間最優秀レコードと、最優秀映像作品楽曲を受賞。グラミー賞で最も権威がある年間最優秀レコード賞を2年連続で受賞した、史上最年少19歳という記録を作った。

2021年に公開予定の映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、主題歌「No Time To Die」を最年少で制作、歌唱。同楽曲は、ビリー初のUKシングル1位、初の女性シンガーが担当した007主題歌1位、そして2020年UK発売初週で最も売れた曲となった。

2021年6月25日から、ビリーのドキュメンタリー映画「ビリー・アイリッシュ: 世界は少しぼやけている」の劇場公開も決定している。

待望の2ndアルバム『Happier Than Ever ハピアー・ザン・エヴァー』は7月30日に発売。”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)プロフィール(ユニバーサルミュージック)

Billie Eilish代表曲(Youtube)

  • Billie Eilish – bad guy
  • Billie Eilish – Therefore I Am (Official Music Video)
  • Billie Eilish – my future

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。

高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

今まで執筆した記事はこちら