最終更新: 2021年5月30日

東京のポスト・パンクバンド、NEHANN(ネハン)がデビューアルバム『New Metropolis』をリリースする。

イギリスでは再度、盛り上がりを見せているポスト・パンクシーンに呼応するかのように現れたNEHANNとはどのようなバンドなのか。

バンドのフロントマンであるクワヤマにメールインタビューに行い、バンドやデビューアルバム、アルバムのルーツとなったプレイリストを教えてもらった。

NEHANNについて

NEHANN (ネハン) バンド
アーティスト:クワヤマ(Vo.) インタビュアー:桃井 かおる子

-まずはNEHANN(ネハン)のバンド結成のいきさつについて教えてください。
クワヤマ:同郷のクワヤマとオダの二人で、バンドやりたいねという話をしていました。2018年の秋頃だったと思います。その頃から曲作りを始めて、メンバーを探し始めました。

バンドメンバーとの出会い

-それぞれのメンバーとはどのようにして出会ったのでしょうか。
ギターのイノはクワヤマがアメリカ留学中に4人部屋のドミトリー住んでいた時のルームメイトでした。ドラムのナラはオダと過去に短期間だけバンドを一緒にやっていて知り合いでした。ベースのタイセイは友達のバンドのwaaterでベースやってて、掛け持ちしないかと言って誘いました。そうして2019年にバンドを結成して、その年の夏頃からライブ活動を始めましたね。

-バンド名のNEHANNは仏教用語の“涅槃”が由来だと思いますが、なぜこのようなバンド名にしたのでしょうか。また、バンド名の表記を“NEHAN”ではなく“NEHANN”にした意図があれば教えてください。
バンドのNirvanaが好きだからです。Nが2つなのはそっちの方がカッコ良いなと思ったからです。

New Metropolisについて

-デビューアルバム『New Metropolis』はKiliKiliVillaからリリースされますが、以前に発表した楽曲は自主でリリースされているようですね。どうして今作を自主ではなく、レーベルからリリースしようと思ったのでしょうか。
しっかりとしたクオリティのあるものを作りたかったので、アルバムはレーベルから出そうということになり、ちょうど良いタイミングでKilikilivillaに声をかけてもらいリリースすることになりました。

-NEHANNの楽曲はボーカルのクワヤマさんが作詞作曲されているかと思うのですが、いつもどのようにして楽曲制作を進めているのでしょうか。
曲によりますかね。曲作りの動機としては主には3パターンあります。純粋に何かを作りたいという好奇心から作る時、フラストレーションを発散させるために作る時、何か他の音楽やその他の作品から触発されて作る時です。楽曲制作のプロセスとしては、ギターのリフから作ることもあれば、ドラムから作ることもあります。最近はドラムから作ることが多いです。

-(上記の質問と関連して)また、クワヤマさんがライブの際、ボーカルに専念される理由についても教えてください。
歌うことが好きで、歌に意識を100%集中させたいからです。

-今作『New Metropolis』は「Hollowed Hearts」や「Curse」といった重々しい意味を持つタイトル曲が多く収録されていて、音質もハードな曲が目立つと思うのですが、デビューアルバムにしてダークな内容の作品を作られた理由について教えてください。
ダークな内容の作品を作ったことに理由は特にないですね。ダークな音楽が好きなので、自然に出来上がりました。

アルバムのテーマ

-(上記の質問と関連して)NEHANNの表現したいテーマとして、『AKIRA』に出てくる“ネオ東京”のような世界観が挙げられると思います。どうしてこのテーマをバンドで表現したいと思うのでしょうか。
バンドを組んだのが2019年で、その年がちょうど『AKIRA』と『Blade Runner』の時代設定の年だったので、面白いと思い、バンドのコンセプトに組み込みました。東京にいるということもあって、東京らしさも出ると思ったので。

-6曲目の「TEC」はB面の1曲目ということもあってか、バンドの音がピコピコと鳴っていて前半とは違う印象を感じされる曲となっています。この曲はどのようなコンセプトで作られたのでしょうか。
この曲はただただ自由に作った曲です。肩の力を抜いて実験的なアティチュードで作った曲ですね。一番遊んでいるし、遊べる曲だと思います。

-アルバム『New Metropolis』の制作中、コロナウイルスの感染拡大があり今も続いています。そのことが作品に影響を与えているのでしょうか。
コロナ渦の中で作った曲もいくつかあるので、確実に影響は受けています。外側との交流がしづらくなっていく中で、より深く自分自身を見つめることも多かったと思います。

-改めてアルバムタイトルの『New Metropolis』に込められた意味について教えてください。
意味というよりは“New Metropolis”は作品のイメージを表した言葉です。パンデミックもじきに終わりを迎え、これから新しい時代が始まっていくと思います。

-『New Metropolis』をどのような人に聴いて欲しいと思いますか?
特に聴いてほしい特定のターゲットはいませんが、色んな方に聴いていただければ幸いです。

-NEHANNは結成して2年と、バンドのイメージや楽曲、世界観に関してこれから作り上げていく部分も多々あるかと思います。これから先、自分たちをどのように成長させていきたいと思いますか?
先ずはより自分たち自身が楽しめてかっこいいと思える楽曲、世界観を作っていきたいです。

ルーツプレイリスト

-最後になりますが、今作のコンセプトである“New Metropolis”にちなんで、Spotifyでルーツプレイリストを作りたいと思います。そこでNEHANNのアルバムに影響を与えられた楽曲をご自身の曲も含めて15曲教えてください。
『New Metropolis』の楽曲に影響を与えてくれた作品を厳選してみました。よければ聴いてみてください。

1. NEHANN- Nylon
2. Lorn – 555-5555
3. The Sisters of Mercy – Lucretia My Reflection
4. The Soft Moon – Far
5. NEHANN – Under the Sun
6. A Place To Bury Strangers – You Are The One
7. Savages – The Answer
8. Iceage – Catch it
9. Sonic Youth – Kool Thing
10. Alice in Chains – Would?
11. Nirvana – Come as you are
12. Nirvana – Something in the way
13. Beach House – Space Song
14. Slowdive – Sugar for the Phill
15. NEHANN – Ending Song

アルバム

1stアルバム『New Metropolis』

発売日: 2021/5/26
収録曲:
1.Nylon
2.Hollowed Hearts
3.Concealment
4.Under the Sun
5.Labyrinth
6.TEC
7.Curse
8.HAZARD
9.Ending Song
10.Star
フォーマット:CD
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プロフィール

NEHANN (ネハン) バンド

“2019年2月結成、平均年齢24歳。Joy DivisionやThe Cure、Echo & the Bunnymenといった80年代ポストパンクの美学を正しく受け継ぎながら、90年代グランジ~オルタナティヴ以降のセンスをちりばめた現在進行形のアンサンブルを奏でる5人組。いま大きく変わりつつある国内のインディーシーンで独自の存在感を放ちはじめている。
現在までにシングルを7曲をリリース。都内のライブハウスを中心に話題を集め、ステージを重ねるごとに飛躍的な成長を遂げている。中でもボーカル、クワヤマの持つカリスマティックな存在感と2本のギターが奏でるモダンなオーケストレーションは荒削りながらも高いポテンシャルを秘めている。現在精力的にライブ活動と制作を行い、自主企画『Milk Poriddge』ではブッキングからフライヤーデザインまで全て自分たちで作り上げている。
80s90sのポストパンクやニューウェーブ、グランジ、現行インディーやダークウェイブなど様々な音楽からの影響を受け継ぎながら、いまの東京が反映された独自のヴィジュアルも含め、NEHANNにしかない世界観を作り上げている。今後彼らの存在はTOKYO発の新しい感性として世界に届くだろう。”

引用元:NEHANN(ネハン)バンドプロフィール(KiliKiliVilla)

NEHANN代表曲(Youtube)

  • NEHANN / Star
  • NEHANN – Under the Sun
  • NEHANN – Labyrinth (Audio)

ライター:桃井 かおる子

スマホ、SNSはやっておらず、ケータイはガラケーという生粋のアナログ派。

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