最終更新: 2021年7月12日

LA発の若きガールズ・パンクバンド、The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)。

ロサンゼルス公共図書館主催のオンライン・イベントをSNSで配信し、一躍話題となった新曲「Racist, Sexist Boy」。

そこで今回は「Racist, Sexist Boy」の歌詞を和訳し、内容について考察している。

クラスメイトから人種差別を受け、その思いを歌詞に昇華した「Racist, Sexist Boy」とは。

The Linda Lindasとは

The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)
The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)はアメリカのロサンゼルス出身のガールズ・パンクバンド。

アジア系とラテン系アメリカ人によるガールズバンドで、エロイース(Vo./Ba.)、ミラ(Vo./Dr.)、ベラ(Vo./Gt.)、ルシア(Vo./Gt.)の4人で構成されている。

The Linda Lindasは2018年に結成。

The Linda Lindasというバンド名は、日本映画『リンダ リンダ リンダ』から取られた。

2020年にファーストEP『The Linda Lindas』をリリース。

2021年公開のNetflixオリジナル映画『モキシー 〜私たちのムーブメント〜』に出演。

2021年5月にはアメリカの名門インディーレーベル、Epitaph Recordsと契約を果たした。

Racist, Sexist Boyについて

The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)が、ロサンゼルス公共図書館主催のオンライン・イベントで披露した「Racist, Sexist Boy」。

ドラマーのミラは「Racist, Sexist Boy」が生まれた経緯について、“クラスメイトの男子に、「親に中国人には近づくなと言われたんだ」と伝えられたの。そして「私は中国人よ」と言うと彼は離れていった、という経験を基に作った曲なの。”と答えている。

The Linda Lindas – “Racist, Sexist Boy” (Live at LA Public Library)

Racist, Sexist Boy和訳

The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)の新曲「Racist, Sexist Boy」。

人種差別された経験から着想を得て描かれる歌詞を和訳し、内容を考察していく。

(ワン、ツー
ワン、ツー、スリー、フォー!)

“(One, two
One, two, three, four!)”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

人種差別主義者で性差別主義者の少年
あんたは人種差別や性差別をするような奴よ
そんなことして楽しんでるんだもんね
偽りのダンス、全てを破壊する
そうよ、あんたは人種差別や性差別をする男なのよ

“Racist, sexist boy
You are a racist, sexist boy
And to have really take the joy
Fake dance, shoot and destroy
You are a racist, sexist boy”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

(ワン、ツー
ワン、ツー、スリー、フォー!)

“(One, two
One, two, three, four!)”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

いじわるなことを言って
嫌いなことは拒絶する
そして見たくないものから目を背けるのよ

“You say mean stuff and
You close your mind to things you don’t like
You turn away from what you don’t wanna see”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

人種差別主義者で性差別主義者の少年
あんたは人種差別や性差別をするような奴よ
人種差別と性差別があんたの楽しみなのね
あんたがぶち壊したものを私たちが立て直すわ
そうよ、あんたは人種差別や性差別をする男なのよ

“Racist, sexist boy
You are a racist, sexist boy
And you have racist, sexist joys
We rebuild what you destroy
You are a racist, sexist boy”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

(ワン、ツー
ワン、ツー、スリー、フォー!)

“(One, two
One, two, three, four!)”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

いじわるなことを言って
嫌いなことは拒絶する
そして聞きたくないものからは耳を塞ぐのよ

“You say mean stuff and
You close your mind to things you don’t like
You turn away from what you don’t wanna hear”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

目立ちたがり屋で
頭の悪い
人間のクズ
嫌な奴ね

“Poser
Blockhead
Riffraff
Jerkface”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

人種差別主義者で性差別主義者の少年
そうよ、あんたは人種差別や性差別をする男なのよ

“Racist, sexist boy
You are a racist, sexist boy”

引用元:The Linda Lindas「Racist, Sexist Boy」歌詞(Genius Lyrics)

破壊と再生

The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)の「Racist, Sexist Boy」は、メンバー自身が経験した人種差別を基に作曲された楽曲である。

冒頭の歌詞では、ドラマーのミラがクラスメイトの男子に人種差別をされた経験を描写している。

“人種差別主義者で性差別主義者の少年
あんたは人種差別や性差別をするような奴よ
そんなことして楽しんでるんだもんね”

The Linda Lindasの出身地であるロサンゼルスなどアメリカの都市部では、様々な人種が入り混じり開放的な文化が根付いてきているが、一部の地域では今だに閉鎖的かつ差別的な文化が定着している。

この一文では、そんな現実を表現すると共に、視野を広げて新たな常識を取り入れて世界を見て欲しい、という願いが込められている。

“いじわるなことを言って
嫌いなことは拒絶する
そして見たくないものから目を背けるのよ”

ロックやパンクの音楽精神は“破壊と再生”が根底にある。世界の情勢が悪くなれば、それを再生するためにアーティストは音楽を作る。

そんなパンク・バンドの音楽精神を凝縮したのが次の一文だ。

“あんたがぶち壊したものを私たちが立て直すわ”

The Linda Lindasの「Racist, Sexist Boy」はSNSという媒体の普及、そして差別へ対する世界的な認識という点で現代に合致している。

混沌とした世界情勢だからこそ古いカルチャーを“破壊”し、新たな文化を“再生”しようとするパンク精神が、10代前半の若きガールズバンドによって体現されているのが素晴らしい。

歌詞の内容や言い回しは攻撃的ではあるが、芯に込められた願いは“差別の無い世界への希望”である。

今回の和訳によって、The Linda Lindasの思いが少しでも伝われば幸いである。

アルバム

シングル『Racist, Sexist Boy (Live at LA Public Library)』

発売日: 2021/5/21
フォーマット:Mp3
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1st EP『The Linda Lindas』

発売日: 2020/12/10
収録曲:
1. Missing You
2. No Clue
3. Monica (feat. Snacks)
4. Never Say Never
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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The Linda Lindasプロフィール

The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)
撮影:JESS COWAN

“2018年に結成されたThe Linda Lindasのメンバーは、Luciaを含む10歳の妹Mila(ボーカル、ドラム)、13歳のいとこEloise(ボーカル、ベース)、そして長年の友人である16歳のBela(ボーカル、ギター)。バンドが初めて一緒に演奏したのは、元Dum Dum Girlsのフロント・ウーマンであるKristin Kontrolが、Girlschool LA(女性を意識したアーティスト、リーダー、声を結びつけ、団結することを目的とした音楽とアイデアのフェスティバル)のためのカバー演奏に彼らをステージに誘ったときだった。バンドを結成し、ロサンゼルス周辺でDIYライブを行った後、パンクのアイコンであるAlice Bagのオープニングや、ライオット・ガール・バンドBikini Killの2019年に行われた再結成ライブのオープニングを務めた。やがてバンドは、2020年のNetflixドキュメンタリー『The Claudia Kishi Club』で起用された楽曲をはじめ、自分たちで曲を作るようになった。

2020年12月、The Linda LindasはJawbreaker、The Go-Go’s、The Alley Catsなどをインスピレーションの源として挙げ、エネルギッシュなパンク・サウンドを披露したセルフ・タイトルのデビューEPをリリース。その数ヵ月後には、Amy Poehler監督の映画『Moxie!』に出演した。

2021年5月4日、ロサンゼルス公共図書館で行われたThe Linda Lindasのセットは、AAPI Heritage Monthのイベントとしてストリーミング配信された(バンドのメンバーは、アジア系アメリカ人、ラテン系アメリカ人、またはその両方)。40分間のセットのハイライトは、”Racist, Sexist Boy”の激しいパフォーマンス。このクリップは、インスタグラムで400万回以上再生されたほか、Hayley Williams、Questlove、Flea、Rage Against the MachineやSonic Youthのメンバーからも絶賛されている。”

引用元:The Linda Lindas(ザ・リンダ・リンダズ)バンドプロフィール(Silent Trade)

The Linda Lindas代表曲(Youtube)

  • The Linda Lindas – Performance video for MOXIE premiere
  • The Linda Lindas – Claudia Kishi
  • The Linda Lindas – VOTE!

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。

高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

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