最終更新: 2022年5月15日

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)がセカンドアルバム『Happier Than Ever』より、新曲「NDA」をリリースした。

この記事では、新曲「NDA」の歌詞を和訳して内容について考察している。

“富と名声”という光の裏側に見えたのは、“プライベートの侵害”という闇の側面。

Billie Eilishが3つの実体験から描いた、「NDA」にサインさせた理由と有名になることで感じた苦悩とは?

Billie Eilishについて

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)
Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)について、以前執筆した「Your Power」の歌詞和訳記事にまとめている。

NDAの意味とは

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の新曲「NDA」。

タイトルの“NDA”とは、Non-Disclosure Agreementの頭文字で、秘密保持契約という意味がある。

「NDA」のMVはBillie Eilish自身が監督を務めている。

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ) – NDA (Official Music Video)

Billie Eilish – NDA (Live)

NDA歌詞和訳

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の新曲「NDA」について。

名声と引き換えにプライベートを失ってしまった、というテーマの歌詞を和訳して内容について掘り下げていく。

もしかして私がリムジンで登場するとでも思った?(そんな訳ないでしょ)
警備員のためにお金を節約しなきゃいけないの
ストーカーが通りをうろついていて
俺は悪魔だ、会わせろって言ってる
17歳の時に隠れ家を買ったけど
家の鍵を手にしてから一度もパーティーなんて開いてない
可愛らしい男の子を家に呼んだけど泊まれないって
だから彼が帰る時に秘密保持契約書にサインさせたわ
えぇ、秘密保持契約書にサインさせたのよ
一度で十分
だって彼にあれこれ暴露されたくないし

“Did you think I’d show up in a limousine? (No)
Had to save my money for security
Got a stalker walkin’ up and down the street
Says he’s Satan and he’d like to meet
I bought a secret house when I was seventeen
Haven’t had a party since I got the keys
Had a pretty boy over, but he couldn’t stay
On his way out, I made him sign an NDA, mm
Yeah, I made him sign an NDA
Once was good enough
‘Cause I don’t want him having shit to say, oh-oh”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「NDA」歌詞(Genius Lyrics)

あなたは私を救えやしないけど、私を諦めることもできない
あなたが欲しくてたまらない、けどそんなこと知らなくていいのよ

“You couldn’t save me, but you can’t let me go, oh, no
I can crave you, but you don’t need to know, oh-oh”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「NDA」歌詞(Genius Lyrics)

『30 Under 30』にもう一年載るわ
外出もできなくて、家にいるのも嫌
新しい仕事を探した方が良いかもね
カウアイ島のどこか誰にも見つからない場所に
今までずっと楽しんでこれたけど、年も取ってきた
番号は今も変えずに、彼を黙らせた
少なくとも彼が嫌がるようなことはしたわ
自分の未来について考えたけど、とにかく今欲しいの
とにかくちょうだい
私を諦められないでしょ

“Thirty under thirty for another year (Another year)
I can barely go outside, I think I hate it herе
Maybе I should think about a new career
Somewhere in Kaua’i where I can disappear
I’ve been havin’ fun gettin’ older now
Didn’t change my number, made him shut his mouth
At least I gave him something he can cry about
I thought about my future, but I want it now, oh-oh
Want it now, mm-mm-mm
You can’t give me up”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「NDA」歌詞(Genius Lyrics)

あなたは私を救えやしないけど、私を諦めることもできない
あなたが欲しくてたまらない、けどそんなこと知らなくていいのよ

“You couldn’t save me, but you can’t let me go, oh, no
I can crave you, but you don’t need to know, oh-oh”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「NDA」歌詞(Genius Lyrics)

やりすぎたかしら?
あなたが何者かようやく分かったわ
あなたに強く叩れて
星が見えたわ
やりすぎたかもしれないわ
あなたに魂を売ってしまった
なんでこんなに暗くなってしまったの?
星が見えたわ
星が輝いてた

“Did I take it too far? (Did I take it too far?)
Now I know what you are (Are)
You hit me so hard (So hard)
I saw stars (I saw stars)
Think I took it too far (Too far)
When I sold you my heart (My heart)
How’d it get so dark? (So dark)
I saw stars (I saw stars)
Stars (Stars)”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)「NDA」歌詞(Genius Lyrics)

NDAにまつわる3つの実体験

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)
Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の新曲「NDA」は、名声と引き換えにプライベートの生活が脅かされた3つの実体験がテーマである。

ストーカー被害

歌詞に登場するストーカーに関する一節は、Billie Eilishが2020年にストーカー被害にあった経験談であり、ガーディアンのインタビューで、“私と家族の安全、そして平穏な生活環境とパーソナルスペースが脅かされて精神的に傷ついている。外へ行くのも危険だと感じている。”と答えている。

“ストーカーが通りをうろついていて
俺は悪魔だ、会わせろって言ってる”

NDAとプライバシー侵害

続く一文では、17歳という若さで富と名声を手にしたが、遊びたい気持ちとプライバシーを守らなければならない気持ちの葛藤、そして若い男の子を家に招くがNDA(秘密保持契約)を結ばせてプライベートの情報を外へ漏らされないようにしなければならない“生活の制限”に直面している様子が描かれている。

“17歳の時に隠れ家を買ったけど
家の鍵を手にしてから一度もパーティーなんて開いてない
可愛らしい男の子を家に呼んだけど泊まれないって
だから彼が帰る時に秘密保持契約書にサインさせたわ
えぇ、秘密保持契約書にサインさせたのよ
一度で十分
だって彼にあれこれ暴露されたくないし”

歌詞に出てくる『30 Under 30』とは、アメリカの経済誌Forbesが毎年発表する、“次代を牽引する30歳未満の若者を30人選出する”、というリストであり、Billie Eilishは2019年に選出されている。

“『30 Under 30』にもう一年載るわ”

カウアイ島での出来事

ハワイにあるカウアイ島という地名が歌詞に登場するが、Billie Eilishが2020年に休暇を取ってカウアイ島を訪れた様子をインスタグラムにアップしたが、ビキニや彼女の体型に関する批判とゴシップで心を痛めたという経験が「NDA」のテーマにも繋がっていると推測できる。

“新しい仕事を探した方が良いかもね
カウアイ島のどこか誰にも見つからない場所に”

次の一文で示唆されているのは、名声に支配された現実からの逃避。

そして、プライベートの情報が暴露され、パパラッチに追いかけ回されても大丈夫と思える恋人が欲しいという、希望に満ちた未来である。

“自分の未来について考えたけど、とにかく今欲しいの
とにかくちょうだい”

富と名声という光、それに反して日常生活が脅かされる闇。

SNSが生活の基盤となっている現代社会では誰もがパパラッチとなり得るため、プライベートが削られることは避けられないなのかもしれない。

Billie Eilishの“Z世代のアイコン”という顔だけでなく、“一人の人間”としての平穏な生活が両立できる日は来るのだろうか。

NDA作品クレジット

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の「NDA」のクレジットは下記となっている。

プロデューサー:FINNEAS
作詞・作曲:FINNEAS & Billie Eilish
レーベル:The Dark Room
リリース日:2021年7月9日

「NDA」収録アルバム

Happier Than Ever

発売日: 2021/7/30
収録曲:
01.Getting Older
02.I Didn’t Change My Number
03.Billie Bossa Nova
04.my future
05.Oxytocin
06.GOLDWING
07.Lost Cause
08.Halley’s Comet
09.Not My Responsibility
10.OverHeated
11.Everybody Dies
12.Your Power
13.NDA
14.Therefore I Am
15.Happier Than Ever
16.Male Fantasy
フォーマット:Mp3
Amazonで見る

Billie Eilishプロフィール

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)

“2001年12月18日生まれの19歳、米国ロサンゼルス在住のシンガー・ソングライター。

2019年に発売したデビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』は英米を含め全世界18の国と地域で1位を獲得。同作は2019年に全世界で最も売れたデビュー・アルバムとなり、米ビルボード・アルバム・チャート(Billboard 200)の年間アルバム・チャートでは史上最年少で1位に輝いた。彼女の代表曲「bad guy」は、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で1位を獲得し、2000年以降に生まれたアーティストとして史上初の偉業を達成。日本でも、日テレ系日曜ドラマ「シロでもクロでもない世界でパンダは笑う。」の主題歌に同枠初の海外アーティストとして抜擢され、2021年4月には、日本レコード協会のストリーミング認定開始以降、洋楽女性アーティスト初、さらに洋楽史上最速でのプラチナ認定(1億回再生)となった。

2020年の「第62回グラミー賞」で、史上最年少18歳で、年間最優秀レコード、年間最優秀アルバム、年間最優秀楽曲、最優秀新人賞の主要4部門に加えて合計5部門を受賞。主要4部門の獲得は39年ぶりの史上2人目、最年少、初の女性という偉業を達成。

2021年の「第63回グラミー賞」でも、2年連続となる年間最優秀レコードと、最優秀映像作品楽曲を受賞。グラミー賞で最も権威がある年間最優秀レコード賞を2年連続で受賞した、史上最年少19歳という記録を作った。

2021年に公開予定の映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、主題歌「No Time To Die」を最年少で制作、歌唱。同楽曲は、ビリー初のUKシングル1位、初の女性シンガーが担当した007主題歌1位、そして2020年UK発売初週で最も売れた曲となった。

2021年6月25日から、ビリーのドキュメンタリー映画「ビリー・アイリッシュ: 世界は少しぼやけている」の劇場公開も決定している。

待望の2ndアルバム『Happier Than Ever ハピアー・ザン・エヴァー』は7月30日に発売。”

引用元:Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)プロフィール(ユニバーサルミュージック)

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。

高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

今まで執筆した記事はこちら