最終更新: 2022年5月15日
Lorde(ロード)が新作アルバム『Solar Power』より、新曲「Solar Power」をリリースした。
この記事では、Phoebe BridgersとClairoがバック・ヴォーカルとして参加した「Solar Power」の歌詞を和訳し、内容について考察している。
Lordeがメンタル的にも苦しんだ閉塞的な冬が終わり、夏の開放感に思いを馳せる。
コロナ禍のステイホーム生活という“冬の世界情勢”は収束して夏を迎えることができるのか。
目次
Lordeとは
Lorde(ロード)ことエラ・マリヤ・ラニ・イェリッチ=オコナはニュージーランド出身の女性シンガーソングライターである。
第56回グラミー賞では最優秀楽曲賞、最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞を受賞。
Lordeの代表曲の一つ「Royal」はYouTubeで8億6000万回再生を超える。
2013年にデビューアルバム『Pure Heroine』、2017年にはセカンドアルバム『Melodrama』を発売。
そして2021年8月20日にサードアルバム『Solar Power』をリリースする。
Solar Powerについて
Lorde(ロード)の新曲「Solar Power」について。
Phoebe BridgersとClairoがバック・ヴォーカルとして参加している。
Loadedとの関係
LordeはNMEのインタビューで、「Solar Power」とPrimal Scream「Loaded」の関係について、下記のように答えている。
“Primal Screamを聴いてごらんってずっと周りに言われてたけど、それまで聴いたことが無かったの。ピアノでこの曲を作曲しているときに「Loaded」に似てるかもって思ったの。なんだかこの曲のご先祖様みたいな感じでスピリチュアルな繋がりを感じてるわ。”
それに対してPrimal Screamのフロントマンであるボビー・ギレスピーは、“俺たちがあの頃に感じたヴァイブスを彼女も感じたんだよ。”と称賛している。
Lorde – Solar Power
Solar Power和訳
Lorde(ロード)の新曲「Solar Power」について。
“太陽の力”を意味する「Solar Power」の歌詞を和訳して内容について掘り下げていく。
冬は嫌い、寒いのが苦手だから
約束があってもキャンセルしがちなの(ごめんね、行けそうにないわ)
でもこの温かさが私に元気を与えてくれる
そろそろ遊んじゃう?最高ね
“I hate the winter, can’t stand the cold
I tend to cancel all the plans (So sorry, I can’t make it)
But when the heat comes, something takes a hold
Can I kick it? Yeah, I can”
頬が日焼けして、まるで熟した桃みたい
シャツや靴なんて脱ぎ捨てて、ありのままで
彼は後ろで写真を撮ってる
さぁみんなビーチに集まって
男の子も女の子もみんなで一つになろうよ、私の秘密を教えるわ
まるでキュートなイエス・キリストみたいな気分よ
“My cheeks in high colour, overripe peaches
No shirt, no shoes, only my features
My boy behind me, he’s taking pictures
Lead the boys and girls onto the beaches
Come one, come all, I’ll tell you my secrets
I’m kinda like a prettier Jesus”
流した涙は全て忘れよう
悲しみは終わったのよ
最高の気分ね
ベイビー、一緒に来るでしょ?
“Forget all of thе tears that you’ve cried
It’s ovеr (Over, over, over, over)
It’s a new state of mind
Are you coming, my baby?”
アシッドグリーンにアクアマリンと色鮮やかね
女の子たちは砂浜で踊ってる
スマホなんて海に投げ捨てたわ
私に連絡できる?もう繋がらないでしょ
“Acid green, aquamarine
The girls are dancing in the sand
And I throw my cellular device in the water
Can you reach me? No, you can’t”
頬が日焼けして、まるで熟した桃みたい
シャツや靴なんて脱ぎ捨てて、ありのままで
彼は後ろで写真を撮ってる
さぁみんなビーチに集まって
男の子も女の子もみんなで一つになろうよ、私の秘密を教えるわ
まるでキュートなイエス・キリストみたいな気分よ
“My cheeks in high colour, overripe peaches
No shirt, no shoes, only my features
My boy behind me, he’s taking pictures (He’s taking pictures)
Lead the boys and girls onto the beaches
Come one, come all, I’ll tell you my secrets
I’m kinda like a prettier Jesus”
新たな光が差し込んでくる
これが太陽の恵みよ
さぁ、至福の時間が始まるわ
感じ始めたらまばたきを三回して
“Turn it on in a new kind of bright
It’s solar (Solar, solar, solar, solar)
Come on and let the bliss begin
Blink three times when you feel it kicking in”
これが太陽の力よ
太陽の恵みが降り注いでるわ
これが太陽の力よ
太陽の恵みが降り注いでるわ
これが太陽の力よ
太陽を感じて
“That solar-olar-olar power
Solar-olar-olar power
Solar-olar-olar power
Solar-olar-olar power
Solar-olar-olar power
Solar-olar-olar power”
Solar Powerとメンタルヘルス
Lorde(ロード)の新曲「Solar Power」は、閉塞的な冬から解放的な夏へと思いを馳せるLordeのメンタルヘルスがテーマである。
冒頭の歌詞では、季節的な側面から冬の気候とメンタルの関係性について触れている。
Writer in the Darkとの関係
というのも、Lordeはセカンドアルバム『Melodrama』の収録曲「Writer in the Dark」で、“季節で私の感情は変わってしまうの”と綴っており、季節性感情障害(冬季うつ等)に悩んでいると推測できる。
“冬は嫌い、寒いのが苦手だから
約束があってもキャンセルしがちなの(ごめんね、行けそうにないわ)
でもこの温かさが私に元気を与えてくれる”
Lordeとキリスト教
Lordeという名前は“Lord(神様/キリスト)”という単語から取られており、キリスト教ではイエス・キリストが浜辺にたくさんの人々を集めて噂話をした、という逸話がある。
ここで登場する噂話というのが、歌詞に登場する“私の秘密”として比喩されている。
“さぁみんなビーチに集まって
男の子も女の子もみんなで一つになろうよ、私の秘密を教えるわ
まるでキュートなイエス・キリストみたいな気分よ”
Solar Powerと解放
次の一文で表現されている“新たな光”とは、今回のアルバム『Solar Power』のテーマである“自然界への賛美”と関連している。
過去の辛い経験は捨て去り、輝きに満ちた夏の光に包まれて全てを解放したい、という希望を表現している。
“新たな光が差し込んでくる
これが太陽の恵みよ
さぁ、至福の時間が始まるわ”
憂鬱感溢れる冬から、夏への解放。
今回歌詞で描かれた冬から夏への移り変わりは、コロナ禍のパンデミックで孤立や憂鬱を感じていた世界情勢からの解放、すなわちコロナ収束への希望と紐づけることができる。
海外ではワクチン接種が進み、様々な夏のイベントが再開しつつある。
“Solar Power”、すなわち“太陽の力”を肌で感じ、しがらみから解き放たれた夏のような日常が早く来ることを願うばかりだ。
Solar Power作品クレジット
Lorde(ロード)の「Solar Power」のクレジットは下記となっている。
プロデューサー:Malay, Lorde & Jack Antonoff
作詞・作曲:Lorde & Jack Antonoff
レーベル:Universal Music New Zealand Limited, Republic Records & Lava Records
リリース日:2021年6月10日
Lordeリリースアルバム
3rdアルバム『Solar Power』
発売日: 2021/8/20
収録曲:
1.The Path
2.Solar Power
3.California
4.Stoned at the Nail Salon
5.Fallen Fruit
6.Secrets From a Girl (Who’s Seen It All)
7.The Man with An Axe
8.Dominoes
9.Big Star
10.Leader of a New Regime
11.Mood Ring
12.Oceanic Feeling
フォーマット:Mp3、アナログ
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2ndアルバム『Melodrama』
発売日: 2017/6/16
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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1stアルバム『Pure Heroine』
発売日: 2013/9/27
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Lordeプロフィール
“コンテストで優勝する計算高い人や、偽物の派手な人、安っぽいコピーの人々が存在するなか、ロードは本物の“オリジナル”な存在である。
彼女の名前はエラ・イェリッチ・オコナー。ニュージーランドのオークランドの北海岸で生まれ育った彼女は並外れた能力をもっている。彼女の年齢や経験からは想像もできないような印象的なメロディーを十代のうちに作り上げ、多くの人々を虜にした。
ニール・ヤングやフリートウッド・マック、ザ・スミス、ニック・ドレイクを聞いて育ち、エタ・ジェームスやオーティス・レディングのソウルにも影響を受けたエラは、確実に強い音楽の基盤をもっていた。その後エラは、ジェイムス・ブレイクやボン・イヴェール、ブリアル、アニマル・コレクティブやSBTRKT、ドレイクなどを発見し聴いてきた。いずれも個性的なインパクトを残してきたアーティスト達だ。ロードの鋭い目線で書かれた歌詞と複数に重ねられたヴォーカルに、彼らの音楽はいろんな方向から影響を与えていた。”
Lordeの評価
“印象的なポップ・ヴォーカルと前衛的なサウンド・スタイルの融合。ロードはスターになる!”―NME
“新しいヴァージョンのラナ・デル・レイとティンバランドを想像してごらん、それがロードだ。”-NYポスト
“次なる“クイーン・オブ・ポップ”―米/ハフィントンポスト
“アデルやフローレンス&ザ・マシーンを思わせる、華麗なポップミュージックである。”-ビルボードマガジン
米ローリング・ストーン誌が選ぶ、2013年の最優秀デビュー作に『ピュア・ヒロイン』が選出。”
Lorde代表曲(Youtube)
- Lorde(ロード) – Royals (US Version)
- Lorde(ロード) – Green Light
- Lorde(ロード) – Liability
Lorde関連記事
Lorde(ロード)の新曲「Solar Power」に参加したアーティストについて、BELONGではこれまでにPhoebe BridgersとClairoを取り上げている。
ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
BELONG Mediaのライター/翻訳。
高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。
13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。
関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。
2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。
2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。
普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。
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