最終更新: 2021年9月23日
LGBT(エルジービーティー)とは性的マイノリティーを指す言葉であるが、音楽の世界ではPet Shop BoysやQueenを始め、活躍してきたアーティストが多くいる。
今回はLGBTであることを告白している新世代アーティストをおすすめ曲のプレイリストと共に紹介し、彼らが作った音楽だけでなく、セクシャルマイノリティについても触れる機会になれればと思う。
目次
LGBTとは
LGBTとは“Lesbian(レズビアン)”、“Gay(ゲイ)”、“Bisexual(バイセクシュアル)”、“Transgender(トランスジェンダー)”の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティーを示す言葉である。
“LGBTは、レズビアン(女性同性愛者 Lesbian)・ゲイ(男性同性愛者 Gay)・バイセクシュアル(両性愛者 Bisexual)・トランスジェンダー(こころの性と身体の性が一致していない方 Transgender)の頭文字をとった、性的少数者の総称です。「ストレート(こころの性と身体の性が一致している異性愛者)」ではない性のあり方の人、とも言えます。
最近よく聞くようになったLGBTですが、日本における割合は8.9%(11人に1人)とも言われています。”
近年はLGBTにまつわる言葉も増えてきており、“Questioning(クエスチョニング)”も含めて“LGBTQ”と言われることも多い。
しかしながらLGBTにQを含めただけでも、性的マイノリティーの全てを包括することができないため、全てを包み込めるものとして“LGBTQ+”という言葉も出てきた。
また、レインボーフラッグはLGBTの象徴であり、彼らがフラッグを掲げてプライド・パレードを行った模様を目にした人も多いことだろう。
LGBTの新世代アーティストおすすめ曲プレイリスト
LGBTの新世代アーティスト5組をまとめたおすすめ曲のプレイリストを作ったので、彼らの紹介と一緒に音楽も楽しんで欲しい。
The XX
The XX(ザ・エックス・エックス)はUK・ロンドン出身のエレクトロポップバンドである。
メンバーはロミー・マドリー・クロフト(Vo./Gt.)、オリヴァー・シム(Vo./Ba.)、ジェイミー・スミス(Dr./Key.)の3人編成であり、メンバーのオリヴァー・シムはゲイであることをカミングアウトしている。
The XXはこれまでに3枚のアルバムをリリースしており、フジロック・フェスティバルへの出演を含めて7回来日。
The XXの音楽の特徴は音数を極限までに絞ったダンスミュージックをバンドで演奏している点にある。
そこにオリヴァーとロミーのボーカル、サンプリングの3つを組み合わせて他に類を見ない洗練された音楽を作り上げた。
彼らは最先端のダンスミュージックばかり聴くのかと思いきや、意外とWham!が好きらしいのでメジャーなポップスを聴くリスナーにも聴いて欲しい音楽である。
発売日:2017年1月13日
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Alabama Shakes
Alabama Shakes(アラマバ・シェイクス)はその名の通りアメリカ・アラバマ州で結成されたロックバンドである。
Alabama Shakesを率いるブリタニー・ハワードはレズビアンであることをカミングアウトしている。
これまでにAlabama Shakesはアルバムを2枚、ブリタニー・ハワード名義のソロアルバムを1枚リリース。
Alabama Shakesとブリタニー・ハワードのソロの特徴として、60年代の音楽をモダンに解釈してソウルフルかつ洗練された音楽を演奏している。
Alabama Shakesのセカンド・アルバム『Sound & Color』はグラミー賞でベストオルタナティブアルバム、収録曲「Don’t Wanna Fight」でベストロックソングを受賞。
ソロデビューアルバム『Jaime』の収録曲「Stay High」は最優秀ロック・ソングを受賞している。
ブリタニー・ハワードの心を揺さぶるボーカルを是非、聴いて欲しい。
発売日:2019年9月20日
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Boyish
Boyish(ボーイッシュ)はニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するドリーム・ポップデュオである。
メンバーはインディア・ショアとクレア・アルテンダールの二人組で、クレアがクィアであることを公表している。
Boyishはこれまでに2枚のアルバムをリリースし、最新EP『We’re all gonna die, but here’s my contribution』を2021年5月にリリース。
彼らの特徴は名門校であるバークリー音楽大学の出身であり、新人ながら作り込まれた音楽を制作している。
気だるくも心地良い音楽の根底には自分らしくいることを肯定してくれる包容力がある。
そんなBoyishの音楽が広く聴かれるようになって欲しい。
発売日:2021年5月28日
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Orville Peck
Orville Peck(オーヴィル・ペック)はカナダを拠点に活動するカントリーミュージシャンである。
カウボーイの姿とマスクという出で立ちで活動しており、Orville Peckという名前はステージネームで本名ではないそうだ。
これまでに1枚のアルバムをNirvanaやWashed Outを輩出したSub popからリリースしている。
Orville Peckはゲイであることをカミングアウトしており、Lady Gagaの「Born This Way」をカントリー調でカバーしている。
ちなみには「Born This Way」は“自分らしく生きる”という意味でLGBTのテーマソング。
Orville Peckの音楽は寂れたアメリカ中西部を思わせるような孤独なカントリーミュージックを演奏しているのだが、それがかえって自身のボーカルの良さを強調することに成功した。
見た目から想像できない美声を是非聴いて欲しい。
発売日:2019年3月22日
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The Japanese House
The Japanese House(ザ・ジャパニーズ・ハウス)はシンガーソングライターである、アンバー・ベインによるプロジェクト。
これまでにデビューアルバムをThe 1975とWolf Aliceが在籍するDirty Hitからリリースしており、最新EP『Chewing Cotton Wool』を2020年8月にリリースしている。
アンバー・ベインはレズビアンであることを公表している。
活動初期の曲「Clean」はボーカルにエフェクトを加え、男性なのか女性なのか分からない謎に包まれたまま活動を続けていた。
そこには性別や人種などに捉われずに、自由に音楽を解釈して欲しいというアンバーの願いが込められている。
フラットな気持ちでThe Japanese Houseの音楽を聴いてみて欲しい。
発売日:2020年8月13日
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LGBTの新世代アーティストまとめ
この記事ではLGBTの新世代アーティストとして、5組(The XX(オリヴァー・シム)、Alabama Shakes(ブリタニー・ハワード)、Boyish(クレア・アルテンダール)、Orville Peck、The Japanese House(アンバー・ベイン))を取り上げた。
LGBTのアーティストを調べる上で気になったことは、日本でLGBTQ+であることをカミングアウトしているアーティストの少なさだ。
ここ最近日本でも毎年6月に行われるプライド月間に合わせてパレードを行う模様がテレビでも見られる一方で、近所の人が同性愛者だと嫌悪感を抱くと答えている地域もあるのが実際のところだ。
今回取り上げた音楽が多くの人に届くことで、安心してカミングアウトし、自分らしく生きられる社会の一助にあればこれほど嬉しいことはない。
LGBTの新世代アーティスト関連記事
LGBTの新世代アーティストの関連記事について、BELONGではこれまでに の記事を取り上げている。
ライター:yabori
BELONG Mediaの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻
これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。
過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。
それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行してきた。
現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。
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Twitter:@boriboriyabori