最終更新: 2021年9月11日
FINNEAS(フィニアス)が新曲「The 90s」をリリースした。
Billie Eilishの兄としても知られるFINNEASは、girl in redやジャスティン・ビーバーなども担当した世界的音楽プロデューサーの顔を持つアーティストである。
この記事では、「The 90s」の歌詞をBELONG Media独自の解釈で和訳し、内容を考察している。
インターネットに接続されていない自由な世界が広がっていた90年代への憧れ。
90年代への回想から浮き彫りになった、現代の問題とは。
目次
FINNEASとは
FINNEAS(フィニアス)ことフィニアス・オコネルは、プロデューサーにシンガーソングライター、そして俳優の顔を持つアーティスト。
Billie Eilishの兄としても知られ、Billie Eilishの楽曲のプロデュースはもちろん、セレーナ・ゴメスやジャスティン・ビーバー、
girl in redなども手掛ける世界的プロデューサーで、グラミー賞では最優秀アルバム賞や最優秀アルバム技術賞などを受賞している。
俳優としての顔も
俳優としては、アメリカのドラマ『glee/グリー』や『Modern Family』などに出演。そしてジェームス・ブレイクの「Say What You Will」のミュージックビデオにも出演している。
これまでのリリース
FINNEASはこれまでに、1st EP『Blood Harmony』を2019年にリリース。
そして2021年10月15日にデビューアルバム『Optimist』を発売する。
The 90sとは
FINNEAS(フィニアス)の新曲「The 90s」はデビューアルバム『Optimist』の収録曲。
「The 90s」のミュージックビデオは、FINNEASの「What They’ll Say About Us」や「I Lost A Friend」などを手がけてきたサム・ベネットが監督を務めている。
FINNEAS(フィニアス) – The 90s (Official Music Video)
The 90s歌詞和訳
FINNEAS(フィニアス)の新曲「The 90s」について。
90年代というインターネットに接続されていない自由だった時代への回想がテーマの歌詞を和訳し、内容について掘り下げていく。
90年代について時々考えるんだ
みんなあの時代を美化しがちだって分かってるさ
インターネットのない世界に
僕も招待してくれよ
奴らが簡単に僕を探し出せることが嫌なんだ
僕の母さんのアドレスを調べてさ
90年代について考えるんだ
僕がまだ問題児じゃなかった頃を
“Sometimes I think about the 90s
I know that everyone romanticized it
But you could sign me up
For a world without the internet
Hate how easy they can find me
Just by looking up my mom’s address
I think about the 90s
When I was not a problem yet”
ここにいた頃はずっと幸せなはずだった
心配することに時間を費やし、なんとか消し去ろうとした
でも今は悩みごとが尽きないんだ
この堤防を守るために取り残された
家にいるというのに、自分の故郷じゃないみたいだ
“All the time I should’ve been so happy I was here
Wasting it on worrying just made it disappear
Now my head feels so heavy
I’m left holding up the levee
Feels so foreign, I’m already home”
90年代について考えるんだ
これから美しく輝いた時代になっていくっていう保証があったんだ
そう思ってた、でも今は
僕たちは残された時間が過ぎるのをただ数えてるだけさ
過ぎ去った全ての物と一緒に
どれだけのことをこれから忘れていくんだろう
90年代について考えるんだ
後悔したことについて考えてたあの時代を
“I think about the 90s
When the future was a testament
To something beautiful and shiny, now
We’re only countin’ down the time that’s left
With everything behind me
I wonder how much of it I’ll forget
I think about the 90s
When I think about what I regret”
ここにいた頃はずっと幸せなはずだった
心配することに時間を費やし、なんとか消し去ろうとした
でも今は悩みごとが尽きないんだ
この堤防を守るために取り残された
家にいるというのに、自分の故郷じゃないみたいだ
心が何も感じられなくなったら
自分の庭にいる時ぐらいは気を緩めよう
あの頃と同じ裏庭なのに自分の家じゃないみたいだ
“All the time I should’ve been so happy I was here
Wasting it on worrying just made it disappear
Now my head feels so heavy
I’m left holding up the levee
Feels so foreign, I’m already home
When your heart starts to harden
Lay your guard down in your garden
Same backyard, but we are not home”
時々考えるんだ・・・
あの頃を思い出してさ・・・
“Sometimes I think about the—
Sometimes I think about the—”
ここにいた頃はずっと幸せなはずだった
心配することに時間を費やし、なんとか消し去ろうとした
でも今は悩みごとが尽きないんだ
この堤防を守るために取り残された
家にいるというのに、自分の故郷じゃないみたいだ
心が何も感じられなくなったら
自分の庭にいる時ぐらいは気を緩めよう
あの頃と同じ裏庭なのに自分の家じゃないみたいだ
“All the time I should’ve been so happy I was here
Wasting it on worrying just made it disappear
Now my head feels so heavy
I’m left holding up the levee
Feels so foreign, I’m already home
When your heart starts to harden
Lay your guard down in your garden
Same backyard, but we are not home”
和訳まとめ:90年代への回想
FINNEAS(フィニアス)の新曲「The 90s」を和訳してみたところ、90年代という自由な時代へ戻りたいと願う回想がテーマであることが分かった。
現在、多くの人々が90年代へ憧れを抱いている。
それは、現代のSNSの利便性と反比例に失われてきた心の充実度によるものではないだろうか。
そこで冒頭の歌詞では、インターネットというしがらみのなかった90年代がいかに自由であったかが表現されている。
“90年代について時々考えるんだ
みんなあの時代を美化しがちだって分かってるさ
インターネットのない世界に
僕も招待してくれよ”
Billie Eilish「NDA」へのリンク
FINNEASの妹であるBillie Eilishの「NDA」という楽曲の歌詞で綴られたストーカー事件。
さらに2020年には、FINNEASが幼少期に住んでいた家の住所がネット上に流出し、多くのファンやストーカーが押し寄せたという事件がある。
SNSの普及により、いとも簡単に家族が危険に晒されるこの時代から逃げ出したい心情が次の歌詞で表現されている。
“奴らが簡単に僕を探し出せることが嫌なんだ
僕の母さんのアドレスを調べてさ
90年代について考えるんだ
僕がまだ問題児じゃなかった頃を”
プライベートがいとも簡単に侵害されてしまうこのSNS社会で最も大切なのは、自分が本当に安らげる“帰るべき場所”である。
次の歌詞では、FINNEASが幼少期に住んでいた家の裏庭という“帰るべき場所”への回想、そして昔のように家族と裏庭で安らぐ時間が持てるのか不安な心情が綴られている。
“家にいるというのに、自分の故郷じゃないみたいだ
心が何も感じられなくなったら
自分の庭にいる時ぐらいは気を緩めよう
あの頃と同じ裏庭なのに自分の家じゃないみたいだ”
FINNEASからのコメント
FINNEASはApple Musicのインタビューにて、こうコメントしている。
“90年代はインターネットに支配されていない最もモダンな時代だった。2021年では感じられないような楽観的な空気が流れていたんだ。常に楽観的でいることはとても大切なことだと思うんだけど、希望に満ち溢れた未来が待っているという感覚が90年代にはあったんだよ。”
SNS社会で削られていく心、プライベート、そして帰るべき場所。
90年代は輝いていた、という感覚は、現代の“満ち足り過ぎた生活”では満たされない“心の悲鳴”なのかもしれない。
生活の利便性を追い求めることは本当の幸せに繋がるのか?という疑問を現代人に投げかけている。
The 90s作品クレジット
FINNEAS(フィニアス)の「The 90s」のクレジットは下記となっている。
プロデューサー:FINNEAS
作詞・作曲:FINNEAS
レーベル:OYOY
リリース日:2021年9月2日
アルバム
1stアルバム『Optimist』
発売日: 2021/10/15
収録曲:
1.A Concert Six Months From Now
2.The Kids Are All Dying
3.Happy Now?
4.Only A Lifetime
5.The 90s
6.Love Is Pain
7.Peaches Etude
8.Hurt Locker
9.Medieval
10.Someone Else’s Star
11.Around My Neck
12.What They’ll Say About Us
13.How It Ends
フォーマット:Mp3
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FINNEASプロフィール
“1997年7月30日生まれの23歳、米国ロサンゼルス在住のシンガー・ソングライター、音楽プロデューサー。
ビリー・アイリッシュの実の兄で、彼女の唯一のコラボレーターとして、多数の楽曲をプロデュース。セレーナ・ゴメスやカミラ・カベロなどの大スターたちにも楽曲を提供しており、その作詞作曲・プロデュース力には太鼓判が押されている。第62回のグラミー賞では5部門にノミネートされ、楽曲賞・アルバム技術賞・レコード賞・プロデューサー賞を受賞。
幼少期に俳優としても活動していた彼は、映画『バッド・ティーチャー』やドラマ『モダン・ファミリー』、『glee / グリー』などの人気番組にも出演していた。”
FINNEAS代表曲(Youtube)
- FINNEAS(フィニアス) – A Concert Six Months From Now (Official Music Video)
- FINNEAS(フィニアス) – American Cliché (Official Lyric Video)
- FINNEAS(フィニアス) – What They’ll Say About Us (Official Video)
FINNEAS関連記事
FINNEAS(フィニアス)「The 90s」の関連記事について、BELONGではこれまでにBillie Eilishと
を取り上げている。
ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
BELONG Mediaのライター/翻訳。
高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。
13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。
関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。
2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。
2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。
普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。
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