最終更新: 2022年6月5日

Hatchie(ハッチー)がセカンドアルバム『Giving The World Away』より新曲「Quicksand」をリリースした。

この記事では、BELONG Media独自の解釈で「Quicksand」の歌詞を和訳し、内容を考察している。

幸せを追い求めても決して現状に満足することのできない人生。

そんな人々へ送る、Hatchieが「Quicksand」で伝えたかったメッセージとは。

Hatchieとは

Hatchie(ハッチー)
Hatchie(ハッチー)は、オーストラリア出身のシンガーソングライターであるハリエット・ピルビーム(Harriette Pilbeam)によるソロ・プロジェクト。

2018年にファーストEP『Sugar & Spice』をリリースし、Pitchforkを始めとする多数のメディアから高評価を獲得。

デビューアルバム『Keepsake』を2019年にリリース。

2022年4月22日にセカンドアルバム『Giving The World Away』をリリースする。

Quicksand

Hatchie(ハッチー)の新曲「Quicksand」は、セカンドアルバム『Giving The World Away』の先行シングル。

「Quicksand」は、2022年のグラミー賞にノミネートされたオリヴィア・ロドリゴのコラボレーターであるダン・ニグロと、長年のコラボレーターであるジョー・アギウスとの共作曲である。

Hatchie – Quicksand (Official Video)

Quicksand歌詞和訳

Hatchie(ハッチー)の新曲「Quicksand」について。

幸せを認識することの難しさがテーマの歌詞を和訳し、内容を考察していく。

最高の気分だって思い込みたいの
だってここにいれば私は幸せなはず
叶えたいと願うものは全て
私の心の奥まで見透かしてるの

“I feel myself take it for granted
I know I should be happy here
Everything that I wished would happen
Is staring back at me crystal clear”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

思考や行動は全てを支配してる
ゲームを何度もプレイしていたら
一生止められないって思い知らされるの
そんなのとっくに知ってるわ

“That’s when the pattern takes control
Playing the game over and over
Letting me know it’s never gonna let me go
I know”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

欲しいものが全て手に入ったとしても欲は消えないかしら?
戦う目的がなくなったとしても戦い続けるかしら?
たまに流砂に沈んでいくような感覚になるの
これが私の生きる目的だって当時は思ってた
確信が持てなかった自分自身を認めることすら嫌だったの
たまに流砂に沈んでいくような感覚に陥るのよ

“If I had everything I wanted would I want more?
Would I keep fighting if there’s nothing left to fight for?
Sometimes I feel like I’m just sinking into quicksand, quicksand
I used to think that this was something I could die for
I hate admitting to myself that I was never surе
Sometimes I feel like I’m just sinking into quicksand, quicksand”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

私が唯一ならないと思ってた自分像があるの
感情に任せて無駄な努力ばかりして
ベッドに横たわって、天井を見上げてる
そして一日が終わって、夜に吸い込まれていくの

“Onе thing I never thought I’d be
Chasing my tail just for the feeling
Lying in bed, stare at the ceiling
And farewell the light, the dark is stealing”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

それが私の知ってる全てなの、だから全て取り戻すわ
それが私の知ってる全てなの、全て取り戻さないと

“It’s all I know and I’m taking it back, taking it back
It’s all I know and I’m taking it back, taking it back”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

欲しいものが全て手に入ったとしても欲は消えないかしら?
戦う目的がなくなったとしても戦い続けるかしら?
たまに流砂に沈んでいくような感覚になるの
これが私の生きる目的だって当時は思ってた
確信が持てなかった自分自身を認めることすら嫌だったの
たまに流砂に沈んでいくような感覚に陥るのよ

“If I had everything I wanted would I want more?
Would I keep fighting if there’s nothing left to fight for?
Sometimes I feel like I’m just sinking into quicksand, quicksand
I used to think that this was something I could die for
I hate admitting to myself that I was never sure
Sometimes I feel like I’m just sinking into quicksand, quicksand”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

私はずっと待ちわびて、期待して、ただ息を潜めてる
挑戦しなかった過去のできごとに思いを馳せながら
私は頑張ってる、だけど頑張ることに意味はあるのかしら
こんな全てに対して幻滅し切った状況でも

“I’m waiting, anticipating, breath bated
Thinking about everything I never did
I’m trying but what’s the use in trying
When all I’m left with is disillusionment”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

それが私の知ってる全てなの、全て取り戻すわ
それが私の知ってる全てなの、全て取り戻すわ

“It’s all I know and I’m taking it back, taking it back
It’s all I know and I’m taking it back, taking it back”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

欲しいものが全て手に入ったとしても欲は消えないかしら?
戦う目的がなくなったとしても戦い続けるかしら?
たまに底なし沼に沈んでいくような感覚になるの
これが私の生きる目的だって当時は思ってた
確信が持てなかった自分自身を認めることすら嫌だったの
たまに底なし沼に沈んでいくような感覚に陥るのよ

“If I had everything I wanted would I want more?
Would I keep fighting if there’s nothing left to fight for?
Sometimes I feel like I’m just sinking into quicksand, quicksand
I used to think that this was something I could die for
I hate admitting to myself that I was never sure
Sometimes I feel like I’m just sinking into quicksand, quicksand”

引用元:Hatchie(ハッチー)「Quicksand」歌詞(Genius Lyrics)

Quicksand歌詞和訳まとめ

Quicksand歌詞和訳まとめ
Hatchie(ハッチー)の新曲「Quicksand」の歌詞は、人生において幸せを認識することの難しさがテーマの楽曲である。

冒頭の歌詞では、現状の人生が幸せだと思い込みたい主人公の心情と、考えれば考えるほど行動に移せなくなる人間心理を表現している。

“最高の気分だって思い込みたいの
だってここにいれば私は幸せなはず”

生活習慣は思考と関連しており、習慣は人生を大きく変化させる。

そこで次の歌詞では、同じ生活習慣を繰り返しているうちに、“ゲーム”という名の“ルーティン”から抜け出せなくなることを示唆している。

“思考や行動は全てを支配してる
ゲームを何度もプレイしていたら
一生止められないって思い知らされるの
そんなのとっくに知ってるわ”

タイトルの“Quicksand(流砂)”について。

Sink in quicksand

歌詞に登場する、“Sink in quicksand(流砂に沈んでいく)”という表現には“窮地に陥る”という意味もある。

自分の求める幸福に限度はあるのか、そして本当に幸福は存在するのか。

幸福を求めてもがき苦しむ主人公が窮地に陥る様子が次の歌詞で描かれている。

“欲しいものが全て手に入ったとしても欲は消えないかしら?
戦う目的がなくなったとしても戦い続けるかしら?
たまに流砂に沈んでいくような感覚になるの
これが私の生きる目的だって当時は思ってた
確信が持てなかった自分自身を認めることすら嫌だったの”

次の歌詞では、家で何もせずに一日を終えた時に感じる虚無感を、人生で何も成し遂げずに年齢を重ねるだけの主人公の人生と重ね合わせて表現されている。

“私が唯一ならないと思ってた自分像があるの
感情に任せて無駄な努力ばかりして
ベッドに横たわって、天井を見上げてる
そして一日が終わって、夜に吸い込まれていくの”

行動を起こさず、後悔だけが積もっていく人生。
そして、人が本当に疲弊している時は何も手につかない様子が描かれている。

“私はずっと待ちわびて、期待して、ただ息を潜めてる
挑戦しなかった過去のできごとに思いを馳せながら
私は頑張ってる、だけど頑張ることに意味はあるのかしら
こんな全てに対して幻滅し切った状況でも”

Hatchieからのコメント

Hatchie(ハッチー)
Hatchieは「Quicksand」に関して以下のようにコメントしている。

“「Quicksand」は満足することのできない現実と向き合うことがテーマなの。”

引用元:Hatchie – “Quicksand”(stereogum)

“本当は全てうまく行っているにも関わらず、罪悪感や不快感が邪魔をして自分が幸せと感じられないできごとがいくつかあったの。過去や未来に執着せず、現在の自分に満足する方法を理解するために、何年もかけて身につけてきた思考回路や感情を克服する必要があったの。”

引用元:Hatchie – “Quicksand”(stereogum)

幸せは求めれば求めるほど遠のいていくという人生のジレンマ。

「Quicksand」は、過去の後悔や未来への不安に翻弄され、自分が幸せだと感じることが難しい人々へ向けたメッセージである。

Quicksand作品クレジット

Hatchie(ハッチー)「Quicksand」のクレジットは下記となっている。

プロデューサー:Dan Nigro
作詞・作曲:Hatchie, Joe Agius & Dan Nigro
レーベル:Ivy League Records & Secretly Canadian
リリース日:2022年1月19日

Hatchieアルバムリリース

2ndアルバム『Giving The World Away』

発売日: 2022/4/22
収録曲:
1. Lights On
2. This Enchanted
3. Twin
4. Take My Hand
5. The Rhythm
6. Quicksand
7. Thinking Of
8. Giving The World Away
9. The Key
10. Don’t Leave Me In The Rain
11. Sunday Song
12. Til We Run Out Of Air
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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1stアルバム『Keepsake』

発売日: 2019/6/21
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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Hatchieプロフィール

Hatchie(ハッチー)

“Hatchieはインディ・ロック・バンド、Babaganouj等での活動で知られるオーストラリはブリスベン出身、Harriette Pilbeamによるソロ・プロジェクトだ。2018年、EP『Sugar & Spice』をリリース。収録曲「Sleep」はPitchforkのベスト・ニュー・トラックに選ばれ、Stereogumではアーティスト・トゥ・ウォッチに選出。FADERもEPを絶賛した。2019年にはデビュー・アルバム『Keepsake』をリリース。Dork(5/5)、DIY(4/5)、The Line of Best Fit(8.5/10)、PopMatters(9/10)、Uncut(4/5)等、アルバムは各メディアから高評価を獲得。この間、Japanese Breakfast、Girlpool、Alvvays、Death Cab for Cutie、Beach House、Men I Trust、Kylie Minogue等とプレイ。アメリカとイギリスではヘッドラインのショーも行い、Pitchfork Paris、The Great Escape、Primaveraといったフェスティヴァルにも出演した。”

引用元:Hatchie(ハッチー)プロフィール(Big Nothing)

Hatchie代表曲(Youtube)

  • Hatchie(ハッチー) – This Enchanted (Official Video)
  • Hatchie(ハッチー) – Sure (Official Video)
  • Hatchie(ハッチー) – Sugar & Spice (Official Video)

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    Rio Miyamoto
    BELONG Mediaのライター/翻訳。

    高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

    13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

    関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

    2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

    2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

    普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

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