最終更新: 2022年5月11日
The Smile(ザ・スマイル)が新曲「The Smoke」をリリースした。
The Smileは、Radioheadのトム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、Sons Of Kemetのトム・スキナーの3人によるプロジェクトである。
この記事では、「The Smoke」の歌詞を和訳し、BELONG Media独自の解釈で内容を掘り下げている。
我々の生活に影響を与えている地球温暖化を始めとする環境問題。
環境破壊へ抗議するThe Smileが我々へ訴えかける“The Smoke(煙)”とは?
目次
The Smileとは
The Smile(ザ・スマイル)はRadioheadのトム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、Sons Of Kemetのトム・スキナーの3人によるプロジェクト。
“The Smile”というバンド名の由来は、イギリスの詩人であるテッド・ヒューズの詩の一節から引用された。
2021年に開催されたグラストンベリー・フェスティバルのサプライズゲストとして初ライブを行う。
グラストンベリー・フェスティバルのライブではRadioheadの未発表曲「Skating on the Surface」の新バージョンを含む8曲を演奏している。
2022年1月10日にデビューシングル「You Will Never Work In Television Again」、セカンドシングル「The Smoke」をリリースした。
2022年5月13日にはデビューアルバム『A Light For Attracting Attention』をリリースする。
トム・スキナーとは
トム・スキナーはイギリスのジャズグループ、Sons Of Kemet(サンズ・オブ・ケメット)のドラマーである。
Sons Of Kemetはトム・スキナー以外にシャバカ・ハッチングス、オーレン・マーシャル、セブ・ロッホフォードの4人で結成された。
バンドはサックスとクラリネット、チューバ、2人のドラマーという編成でジャズ、ロック、カリブの民族音楽、アフリカ音楽を織り交ぜて演奏するのが特徴である。
2013年にデビュー・アルバム『Burn』をリリースし、これまでに4枚のアルバムをリリースしている。
The Smoke
The Smile(ザ・スマイル)の新曲「The Smoke」について。
「The Smoke」のプロデューサーに、Radioheadやベックなどを手掛けてきたナイジェル・ゴドリッチを起用した。
「The Smoke」の映像はマーク・ジェンキンが監督を務めている。
The Smile – The Smoke (16mm Film)
The Smoke歌詞和訳
The Smile(ザ・スマイル)の新曲「The Smoke」について。
環境破壊へ対する抗議がテーマの歌詞を和訳し、内容を考察していく。
簡単なことさ
俺が眠っている間でさえ懇願してくるんだ
やり直しの機会を望んでる
俺は自分自身に火を付けたんだ
“Easy, easy
It begs me while I’m sleeping
I desire a second chance
I have set myself on fire”
簡単なことさ
ふざけるなよ
このままじゃ痛い目に合うぞ
俺が火の中で死ぬように
自分自身に火を付けるようにさ
“It’s easy
Don’t mess with me
Don’t mess with me
As I die in the flames
As I set myself on fire”
目が覚めたんだ
この煙のせいで
現実に引き戻されて
煙に巻かれるんだ
“Wakes me from my sleep
Smoke wakes me from
Wakes me from my sleep
Smoke wakes me from”
これが本当の革命だ
“A one true revolution”
目が覚めたんだ
この煙のせいで
煙に巻かれるんだ
“Wakes me from my sleep
Smoke wakes me from my sleep
Smoke”
俺を無視するなんて簡単だろ
自分たちにもう一度チャンスを与えるべきなんだ
苦しみを解き放ち
愛情へ昇華させて
抱擁しよう
そしてみんなで火を放とう
自分たちの体に火を放つんだ
“It’s easy to leave me
We should give ourselves another chance
Let go of our troubles
Into our caress
Our caress
And we set ourselves on fire
We set ourselves on fire”
目が覚めたんだ
この煙のせいで
現実に引き戻されて
煙に巻かれるんだ
目が覚めたんだ
この煙のせいで
現実に引き戻されて
煙に巻かれるんだ
“Wakes me from my sleep
Smoke wakes me from
Wakes me from my sleep
Smoke wakes me from
Wakes me from my sleep
Smoke wakes me from my sleep
Smoke wakes me from my sleep
Smoke”
The Smoke歌詞和訳まとめ
The Smile(ザ・スマイル)の新曲「The Smoke」は、環境破壊へ対する抗議がテーマの楽曲である。冒頭の歌詞では、CO2増加による地球温暖化を始めとする気候変動に関して地球からの警告を無視している、という内容に触れている。
我々が日常でできる小さな努力をせず、自らが招いた地球温暖化によって自身に火を付けているという比喩が表現されている。
“簡単なことさ
俺が眠っている間でさえ懇願してくるんだ
やり直しの機会を望んでる
俺は自分自身に火を付けたんだ”
次の歌詞では、地球温暖化は自身に火をつけるようなものという比喩だけでなく、伝統的に仏教の僧侶たちが仏教徒弾圧に対して抗議の意を込めて焼身自殺したことを示唆しており、環境破壊への抗議をしている、という意味も含んでいる。
“簡単なことさ
ふざけるなよ
このままじゃ痛い目に合うぞ
俺が火の中で死ぬように
自分自身に火を付けるようにさ”
The Smokeの意味について
タイトル「The Smoke(煙)」の意味について。タイトルの“煙”とは、温暖化によって燃え尽きる地球から吹き出す煙を意図していると同時に、先ほど登場した僧侶の焼身自殺によって生まれた煙が我々の意識を変化させるのではないか、という希望が込められている。
“目が覚めたんだ
この煙のせいで
現実に引き戻されるんだ
この煙のせいで”
歌詞に登場する革命
歌詞に登場する“革命”とは、スウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥンベリを始めとする環境破壊へ対する抗議デモを指していると読み解ける。“これが本当の革命だ”
地球温暖化が我々の生活に与える影響は近年顕著となっているが、環境へ対する一人一人の意識を変えることは難しい。
そして身近な存在である音楽は人々に問題提起できる一つのツールであると信じている。
「The Smoke」はこうした環境破壊へ対するプロテストソングであり、焼身自殺によって抗議意志を示した僧侶たちのように人々に危機感を抱かせるための“煙”なのである。
The Smoke作品クレジット
The Smile(ザ・スマイル)の新曲「The Smoke」のクレジットは下記となっている。
プロデューサー:Nigel Godrich
作詞:Thom Yorke
作曲:Nigel Godrich, Tom Skinner, Jonny Greenwood & Thom Yorke
レコーディング・エンジニア:Nigel Godrich & Mikko Gordon
アートワーク:Stanley Donwood
リリース日:2022年1月27日
The Smileリリース作品
1stアルバム『A Light For Attracting Attention』
発売日: 2022年5月13日
収録曲:
01.THE SAME
02.THE OPPOSITE
03.YOU WILL NEVER WORK IN TELEVISION
04.PANA-VISION
05.THE SMOKE
06.SPEECH BUBBLES
07.THIN THING
08.OPEN THE FLOOD GATES
09.FREE IN THE KNOWLEDGE
10.A HAIRDRYER
11.WAVING A WHITE FLAG
12.WE DON’T KNOW WHAT TOMORROW BRINGS
13.SKRTING ON THE SURFACE
14.OPEN THE FLOOD GATES (LIVE FROM MAGAZINE LONDON)※国内盤のみボーナストラック収録
フォーマット:CD、アナログ
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2ndシングル『The Smoke』
発売日: 2022/1/27
フォーマット:Mp3
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1stシングル『You Will Never Work In Television Again』
発売日: 2022/1/5
フォーマット:Mp3
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The Smileバンドプロフィール
“ザ・スマイルは、レディオヘッドのメンバーであるトム・ヨークとジョニー・グリーンウッド、サンズ・オブ・ケメットのドラマーであるトム・スキナーが結成したイギリスのロックバンドである。2021年5月にグラストンベリー・フェスティバルで配信されたパフォーマンスでサプライズ・デビューし、2022年1月に2枚のシングルをリリースした。レディオヘッドのプロデューサー、ナイジェル・ゴドリッチとのコラボレーションが実現。2022年5月よりヨーロッパ・ツアーを開始することが決定している。”
The Smile関連記事
The Smile(ザ・スマイル)の関連記事について、BELONGではこれまでにRadiohead、トム・ヨークの記事を取り上げている。
ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
BELONG Mediaのライター/翻訳。
高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。
13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。
関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。
2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。
2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。
普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。
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