最終更新: 2025年4月22日

青山の実家への帰郷

まりりん:青山さんは一度、実家の愛知県に帰っていましたよね?また戻ってきたじゃないですか。愛知から帰ってこないと思っていました。
青山:そのつもりで帰ったんです。

まりりん:バンドのために戻ってきた、と。
青山:そうですね。そもそも実家で料亭の女将をしている母親と“バンドをダラダラやらない”という約束をしていたんです。大学を卒業して、フリーターでバンドをやる、という話をしたら“実家はどうするの?継ぐの?継がないの?”って言われて。自分なりの期限や考えを提示することになり“2年以内に300人のワンマンを埋める”という目標を立てました。できなければ帰る、と。

まりりん:300人って、ハードル高いですよね。
青山:そうなんです。当時バイトしていた新宿MARZというライブハウスが300人キャパなんですが、TENDOUJIやTempalayが、2年でワンマンをしてステップアップしていくのを目の前で見ていたので、2年で300人、という目標を立てました。

Tempalay×Homeshake
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まりりん:なるほど。
青山:結果、300人のワンマンもできなかったし、同じく2018年にまりこも第一子の産休に入り活動スタイルも変わるということで、実家に帰って継ぎます、と言いました。でも、ライブがある時は東京に行かせてほしい、と。親もバンドを応援してくれてはいたので、承諾してくれました。

まりりん:そうだったんですね。
青山:1年間実家で働いたんですが、その間に仲間のバンドや、一緒にライブをやっていた羊文学がどんどん人気になっていくのを見て、めちゃくちゃ悔しくて。自分で決めた道だけど、歯がゆい毎日でした。東京にいた時より音楽のことが頭から離れなくて、デモを作りためたりしていました。衝動に駆られて家出しようか、と考えたこともありました。でも、東京の先輩方に“いい歳なんだから、ちゃんと話して出てこい”って止められて。冷静になりました(笑)。

まりりん:(笑)。
青山:実家を出てどうしても東京で音楽がしたい、と話して東京へ出戻りしました。そしたら、「summertime」の世界バズに直面する、という流れです。

まりりん:すごいタイミングですね!
青山:おかげさまです。ですが、ここぞとばかりに意気込んでいたところでコロナが流行し。東京に戻ってきて半年後の話です。

まりりん:前回のライブはギリギリ、コロナ禍が明けたくらいでしたよね。
青山:そうですね。海外のお客さんが半数くらいだったし。インバウンドも戻ってきている時だったので。

まりりん:マジで、全部良い話ですね!
青山:こんなに話すことはあまりないですね。僕とまりこは随分支え合ってきたので、言葉にしなくても分かり合えているところがあると思っています。これらの想いも抱えて、ライブにぶつけたいし、レコーディングに臨みたいなと思っています。

まりりん:これを読んでいる人やファンに、伝えたいことはありますか?
青山:とにかく、今の熱量は過去とは比べ物にならないくらいあります。ライブを見たら何かを感じてくれるはず。今を見てほしい、と思っています。

まりりん:今が一番良い、と。
青山:そうですね。夜明け前を目の当たりにしてほしいと思っています。

まりりん:ライブ楽しみにしてますね!
青山:ありがとうございます!ちなみにお客さんたちから聞いた話なんですけど、cinnamonsのライブを見てくれた人たちは、恋をしたくなるそうなんですよ。

まりりん:分かるかも。曲の感じもそうだし。
青山:今はボーカルも母親だから、歌い方や歌詞の内容も昔ほどキュートではないのかもしれないけど。それをみんな言ってくれるんですよ。忘れていた乙女心とか、男性も女性を口説く時とか。どういうわけか触発されるらしい(笑)。

まりりん:めっちゃ面白いですね!良いキャッチコピーになりそうですね、それ。
青山:恋したくなるバンド、みたいな。

まりりん:めっちゃ良いですね!ありがとうございました。
青山:どういたしまして。こちらこそ、ありがとうございました。

cinnamonsからのお知らせ

シングル『タイムカプセル』

cinnamons_タイムカプセル_artwork
発売日: 2025年4月23日
Spotifyで見る

自主企画

cinnamons_room103_flyer
cinnamons room103
2025年5月11日(日)@新宿MARZ
開場 18:00 / 開演 18:30
出演:cinnamons、Lucie,Too、あのと
チケット:LivePocket , 各アーティスト予約
adv. ¥3,000(+1D) / U23 ¥2,000(+1D)
※U23チケットは23歳以下の方のみ購入可能なチケットです。入場時に年齢の確認できる身分証等をご提示お願いします。

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まりりん(@Igor_Bilic)
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音楽イベントの企画運営やメディアでの取材を手掛ける音楽好き。

DaisyBarでのスタッフ経験を経て、個人企画“SECOND SUMMER OF LOVE”を主催。

ライターとしてはBELONG MediaでSuchmosやYkiki Beat、Never Young Beachなどのインタビューを刊行。

さらに、レコード会社での新人発掘、メジャーレーベルでの経験を背景に、多角的な視点で音楽シーンを追い続ける。

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