最終更新: 2025年5月1日

7年間の変化とインディペンデントへの道

Beach Fossils(ビーチ・フォッシルズ)『Bunny』

Beach Fossilsのコロナ禍と『Bunny』制作

-まりりん: Beach Fossilsは2018年以来、7年ぶりの来日となりますね。この7年間で、お互いのバンドを取り巻く環境はどのように変わりましたか? コロナ禍など、大きな出来事もあったと思いますが。
ダスティン: 前回の来日(『Somersault』リリース時)以降、常に音楽制作は続けていて、後に『Bunny』に収録する曲も作っていたんだ。でも、ロックダウンがあり、僕に子どもが生まれたこともあって、音楽活動は一時停止せざるを得なかったんだ。集まって音楽を作ることも難しくなったので、その止まった時間を使ってジャズ・ピアノのアルバム(『The Other Side of Life: Piano Ballads』)を作ったりもしたね。その後、再び集まれるようになった時は、音楽制作に戻れることが本当に嬉しくてね。たくさんのアイディアがあったし、興奮していたから、『Bunny』はかなり速いペースで完成したよ。
トミー:パンデミックが少し落ち着いた頃に、Captured Tracks時代の仲間であるWild Nothingと一緒にツアーを回れたことも大きかったね。音楽業界がどうなるか分からない不安の中で、またバンドとして活動できる喜びを再認識できたよ。


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DYGLの独立と”ファーストアルバム”

-まりりん: 秋山さんはこの7年間で、バンドを取り巻く環境はどのように変わりましたか?

秋山: 僕らにとって一番大きな変化は、以前の事務所を離れて完全にインディペンデントになったことです。チームもゼロから作り直す必要があって、バンドによってはこうした変化で解散してしまう可能性もあるかもしれません。でも、集中して活動を見直すことでしがらみがなくなり、DYGLとしても、個人のミュージシャンとしてもどんな音楽をやりたいのかを純粋に考え直すことができました。ここ1、2年はバンドの歴史の中でも一番良い状態だと感じています。次の5枚目のアルバムを制作中ですが、僕らの間では“ファーストアルバム”と呼んでいるくらい、新しい段階に入れたと感じています。
ダスティン: それは素晴らしいね。クリエイティブ・コントロールという意味では、以前と比べてどうかな?
秋山: 以前の事務所に不満があったわけでは全くないんです。ただ、インディペンデントになってみて初めて、“ああ、これが自分たちの本来の姿なんだ”と実感できたというか。自然と、仲間たちとこうして活動していることがバンドのあるべき姿だと感じられるようになりました。

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