最終更新: 2025年8月11日
嘉本、エフェクターを忘れる

嘉本康平:語弊があるけどね(笑)。
秋山:ここは大きい文字でお願いします、”嘉本、エフェクターを忘れる”って見出しで(笑)。
鈴木:(笑)。正しく言うと、みんなで機材を車に積んでいるときに、かもちゃんのエフェクターを積み忘れちゃって。取りに戻ってもらったので、一度リハーサルが止まったんですね。それで、取りに行った組とスタジオに残った組に分かれて、スタジオに残っていたメンバーが練習しようとして、好きに音を出し始めたら、そのセッションが”いいね”ってなって。それを録音して聴き直したら、”今までの曲とは違うけど、これはすごく良いぞ”と。そこから”このセッションの手応えを追求していこう”となった記憶があります。かもちゃんのおかげじゃないかな(笑)。
下中:加地君が運転して取りに行ったんだよね。
加地:そうそう。
嘉本:ありがとうね。
加地:あの時、まだかもちゃん免許持ってなかったしね(笑)。
嘉本:そうだったかも(笑)。
秋山:かもちゃんの情報がいっぱい出てくるね(笑)。
鈴木:なので、既存曲の延長線上でやろうというよりは、メンバーも全員揃っていなかった状況で偶然、セッションをやっていたら、それが今までと違うけど良いものになった。そこが出発点だったんです。
下中:俺が覚えているのは、その時に「All Tomorrow」という曲の原型を作ったんですよ。その曲はこのアルバムには入っていないんですけど、今後収録する予定ですね。
セッションの生々しさをそのまま作品に

-まりりん:”今までと違うけどいいね”という手応えは、具体的にどういう部分で感じましたか?
下中:DYGLはライブやリハーサルの時にすぐセッションを始めることが多くて、PAさんたちに”また始まった”と思われているくらいなんです。毎回、自分たちでも気に入るセッションがかなり生まれるんですよ。でも、これまでは”作品にするなら、構築しなければいけない”という意識がどこかにあったと思うんです。それを今回、”セッションの生々しい感じのままでいい”という考え方に切り替えられたのが、かなり大きかったんじゃないかな。音楽性以前に、そもそも自分たちのセッションは元から良かったんだ、と僕は思っているので。
-まりりん:これまでの楽曲で、セッションから生まれたものはなかったんですか?
加地:初期の頃はそうでしたし、一番新しいEPでも1曲セッションがきっかけでできた曲がありました。ただ、最近のEPの時は、セッションでできたものをDTMに入れて編集したり、しっかり作り込もうというモードが今よりも強かったですね。
秋山:あのEPの時点で、セッションを活かしたいという気持ちがあったのかもね。
加地:前作も試行錯誤しているEPではあったかなと。この後にできる曲もセッションで作っていくんですけど、セッションで”いいね”となった曲をデータに起こして詰めるよりも自然に仕上げることを目指しました。DTMで仕上げた曲ってあったっけ?
下中:今回の作品にはDTMで仕上げた曲はないね。スタジオで合わせて、展開も紙に書き出して、”この流れでもう一回やってみよう”という流れでOKテイクを録るというやり方でした。
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