最終更新: 2025年9月16日

25年という、深く降り積もった記憶の雪原。

その深雪を踏み分け、現れるはずのなかった足跡が私たちの前に現れた。

Temple Of Angelsのブレ・モレルとWeekendのショーン・ダーカンによるインディー・ポップ・デュオ、crushed(クラッシュド)。

彼らの新曲「oneshot」は、1998年に発売されたゲーム『メタルギアソリッド』に登場する孤高の狙撃手、スナイパー・ウルフに捧げられたレクイエムだ。

この曲やcrushedに触れたとき、それは“新しいアーティストに出会った”というより、“昔の友人に再会した”という感覚に近かった。

四半世紀前に多くのプレイヤーの心を揺さぶった物語が、なぜ今、音楽として蘇るのか。

過去と現在がクロスオーバーするこの物語が、時代を超えて私たちに語りかけてくるものとは?

また、crushedのデビュー・アルバム『no scope』は、アルバム発売日の前日9月25日(木)記事公開予定なので、こちらも楽しみにして欲しい!

Crushedとは


まずはCrushedというアーティストについて。

Crushedが結成したきっかけは深夜のラジオ番組にある。

2010年代初頭、ブレ・モレルは、大学で深夜のラジオ番組のホストを務め、ショーンがかつて所属していたバンド、Weekendの曲をよくかけていた。

それから約10年後、ショーンは自身の番組でブレのバンド、Temple Of Angelsの曲を放送した。

このことがきっかけで、ブレがショーンに連絡を取ったことでデュオとしての活動がスタートした。

2023年、彼らはデビューEP『extra life』をリリースし、2025年9月26日に待望のデビューアルバム『no scope』がリリースされる。

「oneshot」が描く、毒のような愛の陶酔

今回取り上げる「oneshot」は、デビューアルバム『no scope』の先行曲だ。

まず、この物語の核心を成す歌詞の世界に深く潜ってみたい。

ここに描かれるのは、あまりにも自己破壊的で、中毒性の高い愛の形だ。

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