最終更新: 2025年11月25日
ソロ作品制作への道
きっかけは仲間からの後押し
-まりりん: そうだったんですね。それでは今回のソロ作品『Dangle Candle』についてお伺いしていきます。ソロで作品を作ることは以前から考えていたんですか。
Kohei Kamoto: 以前から作ってはいましたけど、このようにしっかりとリリースするというのは全く考えていませんでした。
-まりりん: 例えばBandcampやSoundCloudなどにアップしたりは?
Kohei Kamoto: 昔は1、2回、告知せずにアップロードするようなことはありましたけど、ここ5、6年は全くなかったです。
-まりりん: ご自身の名義で、人の目につく形でリリースするのは初めてですか。どういった心境の変化があって、リリースしようとなったのでしょうか。
Kohei Kamoto: ずっと出したいとは思っていましたけど、なかなかきっかけがないとできないタイプなんです。Ykiki Beatの時もDYGLの時も、秋山や他の皆と曲を作っていました。DYGLだとライブをして次のリリースへ、という自然な流れがありますけど、一人の場合はきっかけが全くありませんでした。
-まりりん: ソロならではの難しさですね。
Kohei Kamoto: 今回、共同プロデューサーという形で入ってもらった香田悠真くん(※never young beachなどで(Key.)を弾いたり、映画音楽や広告音楽を制作している)と、Yuma Abe(※never young beachの安部勇磨)の2人から、“ソロ作りなよ”とずっと言われていたんです。それで“じゃあ、ちゃんと作って出すか”と。2人にすごく背中を押されて実現した感じです。
1年をかけた制作プロセス
-まりりん: 制作期間はどれくらいかかりましたか。
Kohei Kamoto: 制作タイミングは曖昧ですけど、大体1年くらいです。自分としては長くかかってしまったと思うんですが、共同プロデューサーの香田くんと作っていたので、僕がデモを作って、それを一緒に発展させていく作業に時間がかかりました。それらの作業を含めて、大体1年くらいかかりましたね。
-まりりん: 今まで作っていたものを集めたというよりは、アルバムを作ろうと決めてからゼロから作り始めたんですか。
Kohei Kamoto: そうです。ゼロから作り始めました。
香田悠真との共同制作
-まりりん: 香田さんは映画音楽なども手掛けていらっしゃる方なので、バンドとはまた違ったアプローチがあるかと思います。今回一緒に作業してみて、今までご自身で作っていた時とは違う影響などはありましたか。
Kohei Kamoto: そうですね、かなり違いました。デモを作る前から“どういうものを作ろうか”という相談に乗ってもらっていたんで、彼のアイデアもたくさん入っています。彼が映画音楽だけでなく、インディー・ロックなど本当に色々な音楽を知っていたからこそ、一緒にやれたんだと思います。そのおかげで、“じゃあ、ここに落とし込もう”という作業ができましたし、作りたい雰囲気や質感といった部分を明確にできました。そういった部分は彼の音楽的、映画的な感覚が影響しているかもしれません。
アルバムタイトルとコンセプト
『Dangle Candle』に込められた意味
-まりりん: アルバムタイトルの『Dangle Candle』は、直訳すると“ぶら下がるキャンドル”という意味だと思うんですが、どういった意味が込められているのですか。
Kohei Kamoto: アルバムタイトルとジャケットは、ずっとどうしようか悩んでいました。アルバムの1曲目(「MoL」)でサンプリングを使っているのですけど、その喋りの中に“Dangle Candle”というワードが入っているんです。正確には“Dang Ol’ Candle”という言葉で。“Dang”(クソみたいな)と“Ol’”(古い)、それに“Candle”が続くフレーズが出てきます。“人生は古びたキャンドルのようだ”というフレーズが出てきて、それをそのまま使うのではなく、“Dangle”という響きを使って『Dangle Candle』にしました。
-まりりん: なるほど。略語なんですね。
Kohei Kamoto: “ぶら下がるキャンドル”という意味と、アートワーク(※キャンドルを掴んでいる)にも繋がっています。アルバム全体に通じるのですけど、歌詞も音から作り始めていて、あまり意味は考えていませんでした。直接何かを言いたいというよりは、“余白”がある方が好きで、聴く人や見る人によって解釈が違う方がいい。そういった“二面性”のようなものは意識していたんで、ぶら下がっているものを掴んでいたり、“Dang Ol’”を“Dangle”にしていたり、歌詞も“どっちの意味なんだろう”“意味があるのかな”と思わせるような、そういう部分は意識して作りました。
1曲目「MoL」の秘密
-まりりん: 今お話に出た1曲目ですが、タイトルが“MoL”ですね。これも何かの略ですか?
Kohei Kamoto: これは“Meaning of Life(人生の意味)”の略です。先ほどの“人生”に繋がります。サンプリング元はアメリカのアニメに出てくるあるキャラクターのセリフなんですけど、そのキャラクターが言うことは意味がわからないようで、捉えようによっては哲学的なことを言っているように聞こえるんです。アメリカの“Reddit”という掲示板(日本の2ちゃんねるのようなもの)でも“このセリフはどういう意味があるんだろう”と議論になるくらいで。そのセリフのピッチをいじったり、加工してシンセサイザーを重ねたものが1曲目です。
-まりりん: ちなみに、何というアニメですか。
Kohei Kamoto: 『キング・オブ・ザ・ヒル』という、アメリカのカートゥーンアニメです。ステレオタイプをいじるようなコメディ作品ですね。

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