最終更新: 2025年12月20日
アイルランドという小さな島が生み出す音楽の力

アイリッシュロックシーンの盛り上がりと共生
-滝田優樹:続いて最近のアイルランドの音楽シーンについてお聞きします。あなたたちはもちろん、先ほど名前を挙げたFontaines D.C.やInhalerなども世界中から注目されていて、2020年以降は特にロンドンやアメリカ以上にアイルランドのロックシーンはとてもにぎわっていますよね。そういった状況はあなたたちから見てどのように感じているのでしょうか。私から見てアイルランドの音楽シーンはジャンルを問わず共生していてバンド同士の交流も多い印象です。
シェーン・マグワイア:僕たち自身がアイルランドにいるから、アイリッシュ・ロックバンドが海外でどう受け止められているかを測るのは難しいんだけど、アイルランドのバンドが国際的に成功しているのを見るのはいつも嬉しいし、誇らしくさえ思うよ。特にFontaines D.C.は、現代のアイリッシュ・ロックバンドがどこまで行けるかという点で、今のところ旗手のような存在だと思う。でも全体的には、常に出てきている新しい、若いバンドたちの方にもっとワクワクしてるんだ。
アイルランドのシーンに関して言えば、異なるジャンルのバンド同士の共存は、僕たちがとても小さな国だという事実に起因しているんだと思う。この島の端から端まで演奏するのに3、4時間以上運転する必要がないから、異なる都市や町に小さなシーンのポケットがあるかもしれないけど、アイルランドのシーン全体がとても緊密に結びついている感じがするんだ。そして大小のフェスティバルでは、様々なジャンルのバンドが演奏している。クールな例の一つとして、FontainesのグリアンとLankumのラディ(素晴らしいアイリッシュ・フォークグループだよ)の両方が、ヒップホップグループのKneecapの最新アルバムの曲にフィーチャーされているんだ。
Just Mustardのルーツ
-滝田優樹:前回のインタビューではあなたたちのルーツにあたるアルバムを3枚教えてもらいました。その時はWarpaintとAphex Twin、Girl Bandのアルバムを挙げていました。今回は最近あなたたちが意識しているバンドやアーティスト、もしくは刺激を受けていたり共感しているバンドやアーティストがいたら知りたいです。
デビッド・ヌーナン:Daniel AveryとPJ Harvey、それからDean Bluntは、『WWJH(WE WERE JUST HERE)』を書いている間にたくさん聴いていて、多くのインスピレーションを得ていた3人のアーティストだね。
新作アルバム『WE WERE JUST HERE』
アルバムタイトルの多層的な解釈
-滝田優樹:ここからは最新アルバムについて質問します。まずはアルバムタイトル『WE WERE JUST HERE』の意味について教えてください。アルバムの資料には”四つの言葉のいずれかに強調を置けば、それぞれ異なる意味を帯びる”との説明もありましたが、そちらについても詳しく教えてください。また、bandcampでは、アルバムタイトル及び、曲名が全て大文字になっていますが、これには何か意図があるのでしょうか。
テクニカラーで層の重なったビジュアル

デビッド・ヌーナン:今回のアルバムは全体として、『Heart Under』のような一つのテーマや雰囲気の探求というよりも、ずっとテクニカラーで層の重なったものに感じてほしかったんだ。僕たちはアーティストのAnton Revaを見つけて、彼の作品を気に入って、彼ならこれを実現してくれると感じた。そして実際に彼はやってくれたんだ。僕たちは彼にビジュアル作品のコントロールを任せつつ、僕たち自身のビデオポートレートもいくつか提供したよ。

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