最終更新: 2026年4月5日

The La’sのカバーを選んだ理由


-yabori:本作の中盤には、The La’sの名曲「There She Goes」のカバーが収録されています。デビューアルバムにこの曲を選んだ理由について教えてください。The La’sはThe Paradeにとってどのような存在ですか。

The La’sの1990年のアルバムからずっとファンで、「There She Goes」は特に好きな曲なんだ。カバーしてみようと思って、ずっとスローでシンプルなバージョンにしようと決めた。The La’sへの敬意を持ちながら、曲を壊さずにうまくいったと思っている。ただ、「I’m a Dreamer」で長い間レーベルに縛られていたせいで、他のアーティストが先にカバーする前に出せなかったのが残念だったけど、そういうこともあるよね。

オルタネイト・バージョンを収録した理由


-yabori:デビューシングルとしてリリースされた「I’m a Dreamer」と「Shame」の2曲が、アルバムではAlternate Versionとして収録されています。すでに世に出ているバージョンとは別のテイクを入れた理由について教えてください。

これはなかなか面白くない話なんだけど、レーベルがアルバムとして再アップロードするために、それぞれの曲を少し変えたバージョンを作る必要があったんだ。元のバージョンにはとても満足していたから、実際にはほとんど変わっていないんだ。

曲順の意図


-yabori:アルバムは「Someday」で始まり、「A Little Bit Sad」で終わります。「A Little Bit Sad」はシングルでリリースされた時、序盤か中盤に収録される曲だと思っていたので、最終曲だったことにとても驚きました。この曲順にした理由について教えてください。

「A Little Bit Sad」はアルバムのかなり後半になってから作った曲で、他の曲から少し離れた場所にある気がしていたんだ。でも気に入っていたのでアルバムに入れたかった。他の曲とは少し毛色が違うし、流れを大切にしたかったので、ほとんどボーナストラックのような感覚で最後に置いたんだ。

アルバムタイトルの意味

-yabori:『City of Dreams』というタイトルは、楽観、幻想、憧れ、失望など、さまざまな意味を内包できる言葉です。The Paradeにとってこのタイトルは何を意味しているのか、そしてなぜこの曲集のタイトルにふさわしいと感じたのか教えてください。

そう、この言葉には切なさと憂いのような感触があって、アルバムにぴったりだと感じた。

アルゴリズム以前の音楽へ

-yabori:アルバムの解説には、“アルゴリズムやソーシャルメディアが登場する以前のポップ・ソングライティング”という言葉があり、本作を聴きながらとても納得しました。それらの影響がかつてなく強まっている2026年に、あえて作品性にフォーカスした理由について教えてください。

音楽を作ることが好きだから、それは難しいことじゃなかった。アルゴリズムに合わせるためじゃなく、自分たちのため、そして音楽への愛情から作っているんだ。残念なことに、音楽業界にいる人の中には、アルゴリズムやストリーミングが登場する前の業界がどんなものだったかを経験したことがない人が多くなっていて、それは悲しいことだと思う。今は数字のことばかり考えていて、それが本物かどうかさえどうでもよくなってしまっている。音楽やその制作の質に集中する代わりにね。リスナーも同じ状況にあるけど、責めるつもりはない。今の時代、何が本物で何が偽物かを見分けるのは本当に難しいから。でも僕たちは、音楽にだけ集中することが自分たちには合っていると感じている。大事なのはアプリの上でどれだけ高く跳べるかじゃなく、人目を引くような何かを言えるかでもなく、音楽そのものだから。僕たちは道化師じゃない。

制作中に驚かされた曲

-yabori:『City of Dreams』のレコーディング中に、自分たちを驚かせた曲はありますか。スタートとはまったく違う場所に着地した曲や、バンドについて予想外の何かを明らかにした曲があれば、ぜひ教えてください。

「Together」という曲が一番手こずったかな。親しい友人のエマと共作した曲で、いくつかの方向性とテンポの変更を経て、ようやく正しい形に落ち着いたんだ。何かがあると分かってはいたんだけど、アルバムの他の曲ときちんと馴染むようにするのが大変だった。

ライブへの思い

-yabori:活動内容は楽曲制作が中心で、ライブ活動は行っていないようですね。もし話せるようであれば、ライブとして音楽を届けることについて、現時点でどのように考えているか教えてください。

オープンでいるよ。すごいオファーが来てスケジュールが合うなら、やってみたいと思う。ただ、2枚目のアルバムが出て、もう少し曲が増えてからかな。

理想のリスナー像

-yabori:『City of Dreams』がリスナーに届く場面を想像するとき、誰がどんなふうに聴いているイメージが浮かびますか。このレコードを作りながら、頭の中にあった具体的な人物像や、一日の中のある瞬間があれば教えてください。

特定の人物や場面を思い浮かべていたわけじゃないんだ。ただ、この音楽がちゃんと届いてほしいと思っているし、聴いた人を驚かせて、いい気分になってほしい。ノスタルジックに感じるかもしれないし、新しいものを発見するかもしれない。それは聴く人次第だよ。

日本のファンへ

撮影:Daniel Ersson
-yabori:このインタビューは日本の音楽ファンが読みます。その多くにとって、The Paradeとの出会いはこれが初めてになるかと思います。ぜひ彼らへメッセージをお願いします。いつか日本でライブを見られる日を楽しみにしているファンへの言葉も、ぜひ添えてください。

いつかきっと、僕たちの音楽があなたの元へ届く日が来ると思う。それまで、僕たちの音楽を楽しんでもらえたら嬉しいよ。

-yabori:以上で、すべての質問を終わります。お時間をいただき、本当にありがとうございました。この質問を準備する間、『City of Dreams』を最初から最後まで繰り返し聴いていました。Spotifyを音楽の主な聴き方にしてから、1曲目から通して聴きたいと感じたアルバムは、久しぶりでした。リスナーを信頼し、ソングライティングに真摯に向き合い、バズることよりも作品の完成度を選んだ作品だと思っています。いつかThe Paradeのライブを日本で観られる日を、心から楽しみにしています。

それは本当に嬉しいよ、ありがとう。スタジオでこうして質問に答えられて、僕たちもとても楽しかった。いつかきっと会おう!(The Parade)

The Paradeアルバムリリース

1stアルバム『City of Dreams』

The Parade『City of Dreams』
発売日: 2026年3月13日
収録曲:
1. Someday
2. Sail Away
3. She Knows
4. Together
5. Lost and Found
6. There She Goes
7. I’m a Dreamer (Alternate Version)
8. Echoes
9. Shame (Alternate Version)
10. How Long Will I Be Waiting
11. A Little Bit Sad
bandcampで見る

ライター:Tomohiro Yabe(yabori)

BELONG Media/A-indieの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・​後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻

これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。

過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。

それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。

現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。

今まで執筆した記事はこちら
Twitter:@boriboriyabori