最終更新: 2020年6月10日
The Radio Dept.(ザ・レディオ・デプト)の新作『Running Out Of Love』のリリ-スは“待望”という2文字では表せないほど待ちわびたが、待つには余りにも長過ぎた。
前作『Clinging to a Scheme』から約6年、久しぶりの新作『Running Out Of Love』が国内盤でリリースされる。
目次
『Running Out Of Love』
The Radio Dept.(ザ・レディオ・デプト)と言えばシューゲイザーとドリームポップを折衷したサウンドをDIYで作り上げたスウェーデンの誇るべきアーティストである。
ソフィア・コッポラの監督による映画『マリー・アントワネット』のサウンドトラックに使用され、ここに日本でも人気を獲得した。
手作りでありながら丹念に作り上げられたサウンドが美しく魅力的であった。
しかしながら本作『Running Out Of Love』は“社会全体のレベルが後退し、間違った方向に動いているすべてのことについてのアルバム”だそうだ。
今までのThe Radio Dept.は、サウンド重視で社会的なメッセージを発していなかったにも関わらず、ここにきて一体どうしたのだろうか。
「Death to Fascism」
本作には収録されていないが、2年前に突然公開された「Death to Fascism」という新曲があった。この曲はその年にスウェーデンで行われた同時選挙が関連している曲と言われている。
しかもその後に公開し、本作に収録されている「Occupied」はバンドと所属 レーベルであるLabrador Recordsとの間に起きた訴訟問題に踏み込んだ曲とある。
6年もの間に彼らの身に何が起こったというのか。先日公開された新曲「Swedish Guns」は攻撃的で不穏なエレクトロビートが目立つ。
それでもなお哀愁漂うメロディーと透明感のあるボーカルは普遍である。そういう意味ではThe Radio Dept.の代わりになるバンドなどどこにもいない。
事実彼らの不在を埋めるアーティストはいなかったし、彼らを愛するリスナーからするとかけえがえのない作品になる事に違いはない。
自主レーベルで独立
前述したLabrador Recordsとの問題について、The Radio Dept.(ザ・レディオ・デプト)は自主レーベル、Just Soを立ち上げ、旧作を再リリースしている。
新曲も発表されており、これからのThe Radio Dept.の活動に期待が高まる!(2020年6月10日追記)
リリース
発売日: 2016/10/19
レーベル: Labrador
1. Sloboda Narodu
2. Swedish Guns
3. We Got Game
4. Thieves Of State
5. Occupied
6. This Thing Was Bound To Happen
7. Can’t Be Guilty
8. Committed To The Cause
9. Running Out Of Love
10. Teach Me To Forget
11. It Looked Like Heaven (But
Feels Like Hell) *
12. Down Down Down – Liminals Remix *
* Bonus Tracks
プロフィール
“ザ・レディオ・デプトは、ヨハン・ドゥンカンソンとマッティン・カールベリによってスウェーデンのマルメで結成される。その後、ヨハンとマッティンを中心にメンバーチェンジを重ね、2001年にLabrador Recordsと契約。
2003年にLabrador、2004年にXL Recordingsからリリースされたデビュー・アルバム「レッサー・マターズ」がNME誌の「50 Best Albums of 2004」のTop 10に選出され、一躍当時のネオ・シューゲイズ・ムーヴメントの代表格として最注目される。 2006年にリリースされた2nd・アルバム「ペット・グリーフ」でシューゲイズ系ギター・サウンドに、エレクトロニカと北欧バンドならではのポップ・センスを散りばめたニュー・スタイルと、2006年公開のソフィア・コッポラ監督による映画『マリー・アントワネット』のサウンドトラックに使用されたことで世界的に高い評価を受ける。 2010年に入りNME誌が発表した「The Top 100 Greatest Albums of the Decade」に選出され、アメリカでも「Billboard Heatseeker Top 20 album」やPitchforkの「Best New Music」に輝くなど、各国のTOP 10チャートを席捲。その存在感と影響力が再注目される中、3rdアルバム「クリンギング・トゥ・ア・スキーム」をリリース。奥深い歪みと北欧らしいポップなメロディ・センスはさらに磨きがかかり、浮遊感と閉塞感が共存する夢想的なドリーム・ポップ・アルバムに仕上がった。その後にベストアルバムをリリースして以来、音沙汰がなくなった彼らだったが、2014年に4年振りの新曲となる「Death to Fascism」を公開。2015年、ニュー・アルバムからの1st・シングル「Occupied」が発表される。「Occupied」はバンドと所属レーベルであるLabrador Recordsとの間に起きた訴訟問題に踏み込んだ曲としてファンに衝撃を与えた。そして遂に6年振りとなるニュー・アルバム「ランニング・アウト・オブ・ラヴ」が発表される。かつてないパターンの楽曲には、大いなる期待と良い意味での戸惑いは入り混じるものの、正にザ・レディオ・デプトらしい挑戦である。”
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The Radio Dept.– Swedish Guns
The Radio Dept.– Death To Fascism