最終更新: 2021年2月4日


ピックアップアーティスト・・・I.A.M with The Benjamin Livingstone/SOAK/Twin Peaks/Courtney Barnett

I.A.M with The Benjamin Livingstone(yabori)
最後のパンクロッカーこと、伊藤優雅が率いてきたイルゼとマーゴットは、ピストルズのようなパンクロックとガレージロックサウンドを鳴らし、都内のライブハウスを中心に活動していた。その活動形態は独特で、フロントマンの伊藤がライブの度にバックバンドを集めながら演奏していた。そのイルゼとマーゴットの活動がいったん終了した今、彼はThe Benjamin Livingstoneをバックバンドに、I.A.M with The Benjamin Livingstoneという名前でシーンに帰ってきた。今回もパンク色の強いサウンドを展開するのかと思いきや、一転して王道感のあるUKロックサウンドにシフトチェンジしていた。今回リリースされる4曲入りのシングルは、どの曲もビートルズやオアシスを思わせるようなエバーグリーンなサウンドを鳴らしている。勢いに任せた表現ではなく、純粋なソングライティングと演奏力で勝負しにきたのだ。正直、ここまで完成度の高いものを作るとは思わなかったし、伊藤のこの転身劇には現代のジョン・ライドンと思える程のトリックスターぶりをみた。

SOAK(Chappy)
北アイルランド出身の18歳のシンガーソングライター、SOAK。BBC sound of 2015にも選出されている今年期待の新人。見た目のやんちゃなボーイッシュ感からは想像も出来なかった、ハスキーがかった柔らかさのある歌声には驚かされた。どこか儚さも漂う彼女の音楽性は胸の奥にある誰もが通った青春の記憶をくすぶる。きっと、14歳という思春期真っ只中からデモ録音を始め、十代の繊細な感情をソウルやフォーキーな音で表現しているように感じた。既にTegan and SaraやChvrchesのサポートアクトを務めており、彼らも太鼓判を押している。そんな彼女のルーツはJoni MitchellやPink Floyd。18歳にしてノスタルジックな世界観を放つ彼女が、今後どんな風に変化していくのかが楽しみだ。

Twin Peaks(Yada Mayumi)
シカゴ出身のガレージロックバンド。メンバー全員まだ20歳かそこら。言わずと知れたデヴィッド・リンチの名作TVドラマのタイトルをそのままバンド名にしてるとか、きっと音楽も小難しくて不穏な空気を感じさせるようなサウンドなんだろうなと思いきや超どストレートで、ガレージロックの中でもこれまた古き良きといった感じの素直でシンプルにカッコいい音を鳴らしているバンド!変にひねったり、頭でっかちな現代っぽいアレンジをしていないのは、非常に好感がもてるし聴いてて安心、ノスタルジーすら感じる。だからこそ今のミュージックシーンには新鮮!これは幅広く好かれる大物バンドに成長するのでは…!?

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Courtney Barnett(桃井かおる子)
先日足を運んだタワレコの洋楽フロアでガンガン流されており、「なんかスゲぇカッコイイ!!」と衝撃を受け、思わずソッコー買ってしまいました(笑)。何者か全く分からずに買ってしまいましたが、まあスゴイらしいです。オーストラリアはメルボルンからやって来た彼女の名前はコートニー・バーネット。現在26歳ということで新人としてはやや遅咲きではあるが、日本でのデビューが少し遅かっただけで、実は現地をはじめ英米圏内では既にその人気がじわじわと来ていた様子。まずは2013年に発表したシングル曲がピッチフォークの2013年ベストソング100に選ばれ、さらにNMEが選ぶ2014年の最重要新人アーティストにも選ばれ、とにかくその注目度はハンパない!だがそんなこと知ってか知らずか(いや、もちろん知ってると思うけど)、彼女のその歌声はハスキーながらも脱力感満載(笑)。それでいてフォークをベースにしたなかなかの骨太ギターロックサウンドを鳴らすもんだから、声とサウンドにギャップがあって、聴いている側にどこかひねくれた印象を感じさせる。「こんなおもしろい人、なんで日本に入ってくるの遅かったの?」と、その存在を知らなかったことを後悔させられるくらい、これからの活動が本当に楽しみ。MVの中でさえないピエロに扮してる彼女もちゃめっ気たっぷりだ!