最終更新: 2020年12月6日

踊ってばかりの国とは

踊ってばかりの国
2008年に神戸にて結成された5人組サイケデリック・ロックバンド、踊ってばかりの国。

東京を拠点として活動行うバンドはメンバーの脱退と加入を挟み、現在オリジナルメンバーは下津光史(Vo./Gt.)ただ一人である。

ギターには大久保仁と元ドレスコーズの丸山康太を、ベースには谷山竜志、そしてドラムは、THE★米騒動や中華一番に在籍する坂本タイキを据える。

いくらメンバーが変わったとしても踊ってばかりの国が鳴らす音に、唄う歌に変わりはない。

嘘偽りのない音楽

踊ってばかりの国が創る音楽は、聴き手を混乱させる。

彼らが見た、感じた、ありのままが届けられているからこそ聴き手は多様に解釈する。嘘偽りのない音楽。

ここまで聴き手に委ねられる音楽はないのではないか?

それはある意味では丁寧だけど、ある意味ではぶっきらぼうである。丸裸になってすべて自分で判断しなきゃならんのだ。

『私は月には行かないだろう』アルバムレビュー

私は月には行かないだろう※初回限定盤(CD+DVD)
前作『光の中に』からわずか8ヶ月後、2020年1月22日にリリースとなる7枚目のフル・アルバム『私は月には行かないだろう』。

その新作から先行で公開された「バナナフィッシュ」と「青いピアス」も上記で言及したものと例外無い。

とはいえ、ダークとホワイトそれぞれの濃度が対になっているこの2曲が先行曲に選ばれているところからは、強かな一面も伺える。

「バナナフィッシュ」はアラビアンな雰囲気をまとったサイケロックナンバー。人が抱える潜在的な歪みを肯定するリリックも彼ららしい。

「青いピアス」は、それとは対照的に開放的なフォークポップを聴かせる1曲である。何の変哲もない日常に価値を見出す健気な佇まいにほっこりしてしまう。

こんなにもモードが違う2曲であっても本質は同じである。“見たまんまの世界を映し出しているだけ、良いか悪いかはそちらで判断してくれ”

どうやらニューアルバム『私は月には行かないだろう』も愚直な作品であるに違いない。

鳴らされている音が平凡であっても、非凡なものであっても彼らが見てきた世界がどんなものかに注目して聴きたいところだ。

リリース情報

私は月には行かないだろう※初回限定盤(CD+DVD)
踊ってばかりの国
FIVELATER (2020-01-22)
売り上げランキング: 510

フォーマット: CD+DVD, 限定版
初回限定盤DVD収録曲:
2019/6/24「踊ってばかりの国がやって来る!サラダ!サラダ!サラダ!リターンズ」at 恵比寿リキッドルーム
01. ghost
02. weekender
03. 光の中に
04. heaven
05. いややこやや

私は月には行かないだろう※通常盤(CD)
踊ってばかりの国
FIVELATER (2020-01-22)
売り上げランキング: 40,397

フォーマット: CD
収録曲(限定版・通常版共通):
01. バナナフィッシュ
02. タイムワープ
03. クロール
04. サリンジャー
05. 群鳥
06. In your eyes
07. 青いピアス
08. Hell hole
09. ペット
10. 秋の黄昏
11. アルビノのコウモリ
12. Right now
13. 君が愛したあの空へ

Youtube

踊ってばかりの国「In your eyes」レコーディングドキュメンタリー、トレーラー映像
2020.1.22発売の『私は月には行かないだろう』Recording Documentary
※DVDに収録されている映像のトレーラー動画となります。

踊ってばかりの国『バナナフィッシュ』Music Video(2019)

踊ってばかりの国『青いピアス』Music Video(2020)

踊ってばかりの国 「私は月には行かないだろう」初回限定盤DVD トレーラー

ライブ情報

踊ってばかりの国リリースワンマンツアー2020「潜伏」
2020年2月19日(水)宮城県 enn 2nd
2020年2月22日(土)沖縄県 Output
2020年3月14日(土)北海道 SOUND CRUE
2020年3月26日(木)広島県 HIROSHIMA 4.14
2020年3月27日(金)大阪府 Shangri-La
2020年4月9日(木)福岡県 THE Voodoo Lounge
2020年4月11日(土)愛知県 Tokuzo
2020年4月18日(土)東京都 LIQUIDROOM

プロフィール

踊ってばかりの国
2008年神戸で結成。翌年より2枚のミニアルバムを発表、各地の大型フェスに注目の新人として出演。2011年初のフルアルバム「SEBULBA」を発表。全国ツアーを行うなど活動の幅をさらに拡大させる。同年11月には2ndアルバム「世界が見たい」をリリース。2012年末、ベースの柴田脱退と共に活動休止。
2013年春、新メンバーの谷山竜志加入し、COMIN’KOBE 13のステージで活動を再開。2014年1月に新メンバーで録音した、セルフタイトルを冠する3rdアルバム「踊ってばかりの国」を発売。同年に限定アナログ盤シングルを2枚発売。2015年春、メンバー主導による最新フルアルバム「SONGS」を発売。11月、オリジナルメンバーの佐藤が脱退。同月、新ドラマー・坂本タイキ加入。
2016年、FUJI ROCK FESTIVAL ’16(STAGE : FIELD OF HEAVEN)に出演。同年11月、林が脱退。2017年1月、新メンバー丸山康太が加入し、活動再開。「2017年、春のワンマンツアー」中、5人目のメンバー・大久保仁が加入。2018年4月、3年ぶり5枚目のオリジナルフルアルバム「君のために生きていくね」を発表。
HP:https://odottebakarinokuni.com/
Twitter:https://twitter.com/odotte_official
instagram:https://www.instagram.com/odottebakarinokuni_official/

ライター:滝田優樹

北海道苫小牧市出身のフリーライター。音楽メディアでの編集・営業を経て、現在はレコードショップで働きながら執筆活動中。猫と映画観賞、読書を好む。小松菜奈とカレー&ビリヤニ探訪はライフスタイル。
Twitter:@takita_funky

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