最終更新: 2025年7月2日
テキサス州デントン出身の4人組スローコアバンドTeethe(ティーズ)が、待望のセカンドアルバム『Magic Of The Sale』を2025年8月8日にリリースすることを発表した。
現在「Magic Of The Sale」「Holy Water」「Hate Goodbyes」の3曲が先行配信されており、MVも公開されている。
Teethe(ティーズ)とは

約5年前、デントン音楽シーンでの出会いから始まったバンドで、メンバーはそれぞれ異なるバンド活動を経て集結した。
パトレロはDead Sullivanを、ダウドはCrismanを、ロビンソンはMAH KEE OHを結成しており、ギャレットが2019年にダウドのCrismanに加入したことで、メンバーが揃った。
彼らはリビングルームでのジャムセッションや音響実験を重ね、プレッシャーや期待なしに自分たちだけの音楽言語を発見していった。
2020年デビュー作の成功
バンドは2020年にセルフタイトルのデビューアルバムをリリース。
ホームレコーディングで制作された同作は、話題を呼び、アナログの完売、アメリカとヨーロッパでのツアー成功へと発展。
DIYスペースとリビングルームでのジャムから生まれたバンドが、自ら切り開いた道で成功するに至った。
批評家からの高評価
Teetheは、既に音楽業界からの評価も高く、ConsequenceはTeetheを”2025年最も注目すべきアーティスト”に選出し、”現代のスローコア復活を牽引するリーダーとしての地位を確実にするだろう”とコメントしている。
スローコアとは

“サッドコア”とも呼ばれ、極端に遅いテンポとミニマルな演奏、感情を抑制した歌唱を特徴。
代表格のLowやCodeineに始まり、静寂や音の間を活かした内省的な作風は、当時のグランジ全盛への静かな反発でもあった。
Dusterなどの再評価を経て、現代ではCigarettes After Sexらにその美学が継承されている。
派手さとは無縁で、孤独や喪失感を静かに表現し、聴き手の心に寄り添う音楽である。
『Magic Of The Sale』
進化した制作環境と手法
デビュー以降、メンバーの機材とホームスタジオは大幅にアップグレードされ、特にロビンソンとパトレロは熟練したエンジニアとしても成長した。
『Magic Of The Sale』の制作は、ダラスとオースティンに分散したスタジオで行われ、メンバーはデモ、断片、完成した楽曲を共有フォルダにアップロードする方式を採用した。
ギターアイデア、リズムファウンデーション、歌詞などがオンラインで共有され、他のメンバーがパートを追加していく革新的な制作プロセスが実現された。
豪華ゲストミュージシャンとの協働
制作過程では、WednesdayのMJ Lendermanやサンディ・チェルミス、Hovvdyのチャーリー・マーティン、Melaina Kolのローガン・ホルニャックをはじめとする全米の音楽家たちが参加した。
さらに、Japanese BreakfastやAngel Olsenと共演経験があるチェロ奏者エミリー・エルキンなど、弦楽器・管楽器奏者たちがパトレロの作曲したパートを演奏。
パトレロは4か月かけて全てを編集し、自宅でミキシングを完成させ、複数のビジョンを一つの完成作品に昇華させた。
リリース情報とツアー

収録曲について
『Magic Of The Sale』は14曲収録で、アルバムアートワークはマデリン・ダウドが手がけている。
デビュー作のカバーに描かれた心配と緑の涙のような顔料の滴りで歪んだ困惑した表情のキャラクターとは対照的に、
今作では赤い衣装を纏い歩いている道化師のような姿で描かれ、遠くの未開の大地と空の広大な世界への入り口のアーチウェイに立っている。
これはTeethe自身の『Magic Of The Sale』での感覚とサウンドを表現しており、新たな自信を持ちながらも未知への疑問で満ちている状態を象徴している。
『Magic Of The Sale』は、テキサス音楽シーンの片隅から現れたTeetheが、新たな自信を持ちながらも、次に何が来るのかという未知への疑問で満ちたバンドの現在を映す鏡となっている。
間違いなく言えるのは、『Magic Of The Sale』はスローコアファンにとって必聴の一枚となるだろう。
アルバム名:『Magic Of The Sale』
アーティスト: Teethe
リリース日: 2025年8月8日
フォーマット: デジタル、パープルダスク・ヴァイナルLP、CD、カセットテープ
収録曲:
1. Tires & Bookmarks
2. Magic Of The Sale
3. Anywhere
4. Push You Forever
5. Holy Water
6. Iron Wine
7. China Day
8. Lead Letters
9. Ammo
10. Funny
11. Build & Crash
12. Hate Goodbyes
13. Make It Red
14. Matching Durags
bandcampで見る
ワールドツアー予定
バンドは9月から12月にかけて大規模なツアーを予定しており、アメリカ国内ではフェニックス、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ポートランド、シアトルなどの主要都市を回る。
さらに10月31日にはアムステルダムのLondon Calling 2025、11月4日にはロンドンのPitchfork London 2025、11月5日にはパリのPitchfork Music Festival Parisへの出演も決定している。
ヨーロッパ公演では、Deep Sea Diver、Momma、Jay Somといった注目アーティストとの共演も予定されている。
イベント名:Teethe Tour 2025
日時・会場:
9月5日(金)Phoenix, AZ – Valley Bar @ 7:00 PM
9月6日(土)Los Angeles, CA – Zebulon @ 7:00 PM
9月7日(日)San Francisco, CA – Rickshaw Stop @ 8:00 PM
9月9日(火)Portland, OR – Polaris Hall @ 7:00 PM
9月10日(水)Seattle, WA – Barboza @ 7:00 PM
9月12日(金)Boise, ID – Shrine Social Club @ 7:00 PM
9月13日(土)Salt Lake City, UT – Kilby Court @ 7:00 PM
9月14日(日)Denver, CO – Globe Hall @ 8:00 PM
9月27日(土)Maspeth, NY – Knockdown Center w/ feeble little horse, Pink Must @ 6:00 PM
10月16日(木)Houston, TX – White Oak Music Hall @ 7:00 PM
10月17日(金)Austin, TX – 29th Street Ballroom @ 8:00 PM
10月18日(土)Denton, TX – Rubber Gloves Rehearsal Studios @ 8:00 PM
10月31日(金)Amsterdam, Netherlands – London Calling 2025 w/ Mamalarky, Chalk, Deep Sea Diver, etc. @ 7:00 PM
11月4日(火)London, United Kingdom – Pitchfork London 2025 w/ Deep Sea Diver, Winter, Momma, etc. @ 6:00 PM
11月5日(水)Paris, France – Pitchfork Music Festival Paris @ 7:00 PM
12月1日(月)Nashville, TN – DRKMTTR @ 7:00 PM
12月2日(火)Atlanta, GA – Aisle 5 @ 7:00 PM
12月3日(水)Raleigh, NC – Kings @ 7:00 PM
12月4日(木)Washington, DC – DC9 @ 7:00 PM
12月5日(金)Philadelphia, PA – Foto Club @ 7:00 PM
12月7日(日)Allston, MA – Brighton Music Hall @ 7:00 PM
12月9日(火)Toronto, ON, Canada – Drake Underground @ 7:00 PM
12月10日(水)Lakewood, OH – Mahall’s @ 7:00 PM
12月11日(木)Columbus, OH – Ace of Cups @ 7:00 PM
12月12日(金)Chicago, IL – Schubas Tavern @ 7:00 PM
12月13日(土)Cudahy, WI – X-Ray Arcade @ 8:00 PM
12月14日(日)Minneapolis, MN – 7th St Entry @ 8:00 PM
12月16日(火)Oklahoma City, OK – Resonant Head @ 7:00 PM
チケット:https://bnds.us/imwh2d
Winspear Recordsについて
なお、今回のリリースを手がけるWinspear Recordsは、インディアナ州ブルーミントンを拠点とするインディペンデント・レーベルで、Slow PulpやKevin Krauterといった才能あるアーティストを輩出している。
2015年の設立以来、年間3作程度のアルバムリリースに絞った”レス・イズ・モア”のアプローチを採用。
一作一作のプロモーションに時間と労力を注ぎ、アーティストと真摯に向き合い共に成長していくレーベルとして定評がある。
同レーベルは、アルバムリリース後もデモ、アコースティックバージョン、Bサイド集といった追加コンテンツを継続的に投入する”フェーズ2″戦略でも知られ、
作品への関心を長期的に持続させる独創的な手法を確立している。
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BELONG Media編集部
インディーロックを中心に日本や欧米、アジアの音楽を取り上げる音楽専門メディア。“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。
2021年、J-WAVEのSONAR MUSICににゲスト出演。2022年、英語版姉妹サイトA-indieを開設。
編集部メンバーの栄養源は、主にシューゲイザーやドリームポップから得ています。
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