最終更新: 2025年11月18日
Nitrodayのメンバーであり、ART-SCHOOLのサポートでも注目を集めるyagihiromi(ヤギヒロミ)が、11月19日に初のソロアルバム『lemma』をリリースする。
昭和モダニズム文学を着想源とし、幽玄さと実験性を兼ね備えた全7曲は、エレクトロニック、フォーク、アブストラクト、アヴァンギャルドといった多様な要素を横断しながら、彼女の内的世界を音で紡いだ作品だ。
また、本作はBELONG Media / A-indieのDiscordコミュニティで先行試聴を行った。メンバーから届いたメッセージは、記事の最後で紹介している。
yagihiromiとは

yagihiromiは1999年生まれ。ロックバンドCruyffのメンバーとして活動する傍ら、ART-SCHOOLなどのサポート、ソロライブ、即興演奏など、多岐にわたる音楽表現を展開している。
2023年11月にはアメリカのインディーレーベルEye Vybe Recordsよりファーストミックステープ『MeV』をリリース。
ジャンルや形式に囚われることなく、常に新たなサウンドの創造に挑み続けている音楽家だ。
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『lemma』

本作『lemma』は、尾崎翠や左川ちかといったロマンチシズムを排した昭和モダニズム文学を着想源としている。
水面の波紋のような繊細なアルペジオに導かれ、揺れ続けては消え入るかのような歌声は、音楽ではなく詩の響きだけが残るような不思議な余韻を持つ。
サンプリングのような美しいノイズも混じえながら、シンプルながら幽玄さを持つ音楽が展開される。
小川美潮「デンキ」のカバーを含む細部までこだわった全7曲は、デヴィッド・リンチとヴィム・ヴェンダースの映画が交互に現れるような、不完全なポップへの賛歌だ。
本作では、yagihiromiがエレクトリックギター、アコースティックギター、ボーカル、ノイズ、エディット、ミックスを担当。
楽曲「tennessee」と「foolproof」ではピエール畳(Dr.)が参加している。
ジャケット写真は有本ゆみこ(SINA SUIEN)、デザインはダダオ、マスタリングはGeorge Moriが手掛けた。
本作に先駆けて、先行EP『siki』が既にリリースされている。
このEPは『lemma』への導入として機能しており、本作の音楽的方向性を示唆する重要な作品となっている。
アルバムタイトル『lemma』に込められた意味
アルバムタイトル『lemma』は、数学用語”補題”と仏教用語”直感的な理解”の意を重ねたことに由来する。
yagihiromi自身は本作のテーマを「追憶」と「複数のペルソナの一致」と語っており、幼少期の記憶や匂い、静寂の中にある感覚を手がかりに、自身の内的な断片をひとつに結ぶことを意識したという。
Discordコミュニティでの先行試聴

BELONG Media / A-indieが運営するDiscordコミュニティでは、信頼できるメンバーのみに限定した先行試聴を実施している。
URL短縮サービスを利用した配布先追跡可能な仕組みにより、公開リスクを最小限に抑えながらファンとの密接な関係を築いている。
コミュニティメンバーから、下記のようなコメントが届いており、早くも本作の世界観に没入するリスナーが続出している。
まるで他人の日記のこっそり覗いているかのような親密さ
遠い街を歩くような感覚”を覚えるノスタルジー
周波数の合わないAMラジオみたいな、ノイズ混じりの心地よさ
集まったコメントは、本作が持つ実験的な要素が決して難解なだけでなく、聴き手の心に寄り添うものであることを証明している。
ぜひあなたも本作を聴きながら、自身の記憶と向き合ってみてほしい。

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リリース詳細

ソロアルバム『lemma』
リリース日:2025年11月19日(水)
仕様:CD、配信
価格:3,080円(税込)
レーベル:MY BEST! RECORDS
収録曲:
1. esquisse (about red bird)
2. deadline
3. denki
4. tennessee
5. 6×6
6. tobari
7. foolproof
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ライター:Tomohiro Yabe(yabori)

BELONG Media/A-indieの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻
これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。
過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。
それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。
現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。
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Twitter:@boriboriyabori
BELONG Media編集部

インディーロックを中心に日本や欧米、アジアの音楽を取り上げる音楽専門メディア。“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。
2021年、J-WAVEのSONAR MUSICににゲスト出演。2022年、英語版姉妹サイトA-indieを開設。
編集部メンバーの栄養源は、主にシューゲイザーやドリームポップから得ています。
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