最終更新: 2026年1月17日
こんにちは!BELONG Media編集部です。
前回の“ささやかな楽しみ”の話に続き、今回はyabori(司会)、滝田、まりりんの3人が集まりました。
テーマはずばり、“今、推したい漫画”。
音楽好きのメンバーが集まれば、漫画の趣味もやっぱりどこか一癖ある……?
“名作”から“話題の新作”、そして“説明不能な怪作(!?)”まで。それぞれの個性が爆発した漫画トークをお届けします。
あなたの積読リストに、新たな一冊が加わること間違いなし!

参加者:yabori(司会)、滝田、まりりん イラスト:フリダシ太郎
スタッフが推す、“いま読むべき”漫画たち

今回は前に話してた推したい漫画の話をしたいと思ってて。まりりんさんからこの話が出たから、まずはまりりんさんから話してもらおうかなと思ってる。
みんなのを見て何を出すか決めようかって思ってました。
ここ最近で言うと、ハマっているのは『ありす、宇宙までも』っていう漫画で。
『ありす、宇宙までも』

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『ありす、宇宙までも』1話目はこちら
“宇宙”って漢字で書いて、当て字で”どこ”って読むんですけど。絵はちょっと苦手な感じかなと思ったんですけど、読んでみたらすごい面白くて。内容が、いわゆる”セミリンガル”っていう言葉、この漫画で初めて知ったんですけど。
子供の頃にバイリンガル教育を受けた子が、どっちの言語も中途半端になっちゃうと”セミリンガル”って言うんです。日本語と英語、どっちも話せないっていう状態になっちゃう。主人公が中学生の女の子で、その”セミリンガル”っていう状況に陥ってる子なんです。すごい綺麗でスポーツも万能なんで人気はあるんですけど、日本語が拙いというか変な感じなので、変わった子だなみたいに思われてて。自分も頭が悪い子だ、出来が悪い子だと思い込んじゃってるんです。
その子が、すごく頭がいい男の子と出会うんですけど、その子がお前は出来が悪いんじゃなくて、いわゆる”セミリンガル”だって教えてくれて。自分の”出来が悪い子供じゃないんだ”っていう衝撃的な認識から始まって、そこからいろんなことがあって、宇宙飛行士を目指すっていうような話なんです。
知ってます。割と連載始まったばっかりなんですけど、最初からすごい評判良くて。
そうですそうです。それが理由で僕も読んでみようと思って読んでみたらハマったって感じです。
正直言うとまだ読めてないです。絶対いいことがわかっているんですが、まだ手は出せていないんですけど。
確かに絵だけを見たら、この絵は結構読み人を選びそうな絵やけど、内容が面白いんかな?
そうです。”絵苦手かも、でも読んでみよう”と思って読んだっていうギャップがあったんで、余計にハマってしまって。物語もサクセスストーリーで、すぐにハマりやすいってんですよね。まだ5巻までしか出てないですけど、1巻目から”ああ、これ面白い”と思って。
ああ、スピリッツで連載してるんだ。スピリッツって今何やってんだろう。
今やっている『ダンス・ダンス・ダンスール』はスピリッツですね。
そうですね。あと『九条の大罪』とか。一番有名なのは『土竜の唄』ですね。
はい、舞台が阿佐ヶ谷で自分が住んでるところと隣の町のなので。ドラマも良かったです、NHKでやってた。
冷戦時代のサスペンスミステリー漫画
じゃあ、次に行かせてもらって、最後はまりりんさんにしようか。自分は浦沢直樹の『MONSTER』が一番推したくて。二人とも読んだことある?
『MONSTER』

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『MONSTER』1話目はこちら
そうなんや。『MONSTER』を知ったのは、高校時代にめっちゃ漫画詳しいやつがおって。で、そいつがめちゃくちゃ面白い漫画があるって言ってて。”それ何?教えて”って言って聞いたんやけど、”これはめちゃくちゃ面白いから、そんな簡単に教えられへんわ”って。で、3回目でやっと”浦沢直樹の『MONSTER』っていうやつなんやけど”って。
そう。で、『MONSTER』はベルリンの壁崩壊の以前と以後のドイツの話なんやけど、主人公がめちゃくちゃ優秀な医者なんやけど、とある子供を助けて。でも、そいつが成長してやばい殺人鬼になるっていう話で。その医者は助けてしまったもんだから、自分が殺しに行かなあかんっていう話なんやけど。
あの漫画は何が面白いかっていうと、その殺人鬼の名前がヨハンって言うんやけど、本人が出てくるんやけど、そいつの情報のがほとんどなくて。いろんな人が断片的にヨハンについて語っていって、”こいつはこういうやつだ”っていうのがどんどん分かってくるっていう。その謎が散りばめられてる展開ががめちゃくちゃうまいなと思って。
やっぱり名作ですもんね。長いこと名が残ってる漫画なんで。
どっちかっていうと『20世紀少年』の方が有名なんじゃない?
そうですね。僕の中では手塚治虫クラスの漫画なので、逆に手を出しにくいって感じになっちゃってます。
ああ、そういうこと。浦沢直樹は『PLUTO』っていう手塚治虫原作のやつ書いてたりもしてるからね。
はい。『MONSTER』って、なんか他の漫画とはまた違った、格の高い感じのような。
なんかあれじゃないですか、子供の時に友達の親が持ってたくらいの距離感。
友達の漫画じゃないんですよね。友達の親の本棚に並んでいるのを見ていたイメージで。『AKIRA』とかも多分そういう感じなんですけど。
『AKIRA』の方が映画化されたり、カルチャー誌で取り上げていたりするんで、触れる機会が多いから手を出しやすいんじゃないですかね。浦沢直樹作品ってあんまりそういうのもないから。
知ってはいるけど、触れるきっかけが意外と難しかったりするかもしれない。
なんていうんですかね、気安く浅い知識で語るのもちょっとな……っていう感じなんですよね。自分の場合は、友達から教えてもらったから、敷居の高さは感じなかったんやけど、『20世紀少年』の方が入りやすいんじゃない?
『20世紀少年』は実写映画が話題になった、っていうのもあるかもですね。
そうか、なるほどね。なんかピンク・フロイドみたいな感じかな。
ピンク・フロイドも作品によってかなり違うから、どこから入るか最初はハードル高いよな。その編は人の紹介で入りやすさってけっこう変わってくると思うけど。
本当にタイミングとかそういうきっかけがないといけないのもありますよね。
追放系ラノベコミカライズの異端児
というわけで、まりりんさんの話を聞きたいと思うんやけど、まりりんさんは候補がいくつかあったん?
とにかく推したい漫画なんて死ぬほどあるんで、その中からどれにしようかなっていう。
じゃあこれまでの話を聞いて、これを推したいって漫画はある?
2人が好きそうなやつか、もしくは今ここで私が推さなければ一生触らなさそうなやつか、どっちがいいですか?
じゃあえっと、これですね。『追放された・・・魔術師は・・・セカンドライフを・・・する』という。
『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する』という。”チート付与”って呼ばれている漫画なんですけれど。
『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。』

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『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する』1話目はこちら
そうです。もともと同じタイトルのライトノベルっていうか、”小説家になろう”のウェブで連載されてたやつで、小説のコミカライズなんですけど、基本的に原作にないんですよね、コミカライズで起きてることが。
キャラクターの名前以外は全部違うくらいな感じで始まってるんですよ。
まあ、最初の方は一応なぞってはいるんですけど、基本的に漫画で面白かったところは原作にないっていう。
はい。で、絵もかなりヘタな絵で書かれてて。最初話題になってたんですけど、それが途中でだんだん能力バトルものとして面白くなっていくっていう。
で、なおかつ今となっては、もちろん主人公たちの話も面白いんですけど、サブで書かれるキャラクターたちのちょっとした話もマジでめちゃくちゃいい話が多くて。ただちょいちょい挟まれるマジで様子のおかしいギャグとかもあるし。いい話がどんだけあっても、結局原作の小説にはないし、っていうので、本当に変な漫画なんですよ。
『ドラゴンボール』も最初はギャグ漫画からスタートして、バトルものになったやんか。イメージとしてはそんな感じってこと?
基本的にはそうなんですけど、ずっと様子はおかしい。
バトルものになっても様子おかしいってこと?全体的に様子がおかしいんだ(笑)。
漫画として本当に面白いし、いい話もちょいちょいあるんですけど、”すごいこれいい話だな”と思った次のページではマグロがすごい泣いてる、みたいな。
ドラゴンを倒したらサブマシンガンをドロップするし、なんか隣のギルドマスターは明らかにブラック企業の成金社長だし。
どういうこと?本当になんか……世界線がおかしい感じってこと?
そうなんですよ。主人公がいるギルドのギルドマスターはパチンコに行ってるし。
まあそうですね。でも、本当に面白くて、”なんでこれこんなに意味わかんないのに面白いんだ”っていう。困惑をしながら毎回更新を今楽しみにしてます。
月刊少年マガジンRですね。紙で出ているようです。私は基本的にコミックデイズのアプリで読んでます。
そうですね。私も基本的に異世界転生のものは好んで読みはしないんですけれど、この”基本的に原作にない。なんなんだこの漫画は”みたいなので話題になっていたので試しに読んでみたら、すごい面白かったっていう。
なるほどね。じゃあまりりんさん、冒頭で言ってた”2人が好きそうなやつ”だとどんな漫画になる?
さっきスピリッツの話をしてたのと、『MONSTER』が東西のドイツ時代の話って言ってたので、2つになっちゃうんですけど、宮下暁っていう作家のやつで『東独にいた』と『ROPPEN-六篇-』。この人の絵も正直うまくはないんですけれど。
この人はバトルの表現がうまくて、見開きのページがものすごくかっこいいです!『東独にいた』の話はストーリーとしてすごい好きなんですけれど、今それが休載して、スピリッツで『六篇』を連載してるっていう。
『東独にいた』は、一般人として街で出会った男女が、実はそれぞれ西ドイツ、東ドイツのスパイっていう話なんですけど、これも特殊強化された人なので、肉体の力がすごく強かったり、強化人間たちの戦いで。
『東独にいた』

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『東独にいた』1話目はこちら
なるほどね、やっぱその時代の話になるとそんな感じになるよね。めっちゃすごいやつ出てくるみたいな。
ファンタジー寄りで、現実に沿ってるかと言われたら多分そうではないんですけれど、そのバトルのかっこよさとちょっとした人間の感情のバランスが好きですね。あと怪しい人がマジで怪しいっていうところが効いてます。
宮下暁の漫画は、ヤバそうな人が出てきたっていうのが一瞬でわかるという。
そうですね。遺産を争って、殺し屋たちがバトルするっていう漫画です。
『ROPPEN-六篇-』

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『ROPPEN-六篇-』1話目はこちら
なるほどね、まりりんさんって好きな漫画の特徴とかってあったりするの?例えばさっき言ってた見開きが良いとか。
いや、多分多岐にわたって、この漫画はこのポイントが好きなみたいな枠はいくつかあるんですけど、最近は変な漫画が好きなんだなって思いました。一番好きなのは水城せとなと沙村広明ですけど。
この間、Xで『ボボボーボ・ボーボボ』の話してたやん。
“チート付与魔術師”の話は、『ボボボーボ・ボーボボ』みたいな感じやなと思って。
確かにそうかもしんない。『ボボボーボ・ボーボボ』ほど不条理ではないんですけど、どちらかというとシュールだし、たまにいい話も入る。
あ、『ボボボーボ・ボーボボ』いい話なんて入らんもんな(笑)。滝田くんはなんか好きな漫画のポイントってある?こういうの一貫して好きだなみたいな。
一貫性となると難しいですね。今読んでるものはジャンル的にも結構バラバラで。『葬送のフリーレン』も好きですし、あとジャンプだと『あかね噺』とか。あとは『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』とか。
そうですよね。『カグラバチ』みたいなバトル系や多分ジャンプでこれから来そうなやつとかも好きになったりするんで。そう考えると、自分の好きなものの一貫性ないかもしれないですけどね。今は本当に読んで楽しければ、面白ければみたいな感じです。
自分の場合、ここ最近全然漫画読んでなかったんやけど、一番読んでた時期の好きな漫画の傾向としては、展開が予測できない系の漫画がやっぱ好きだったな。『MONSTER』もそうなんやけど、『DEATH NOTE』もめっちゃ好きやったから。それでいくと、なんかもう展開がわからないやつの方がおもろいっていう。漫画読んでたら今後の展開が序盤でわかるやつとかあるやん。ああいうのは楽しめないかもしれん。
あんま気にしたことないかもしれないですね。そんな先を予測して読んでないかもしれないです。予測できた時って、こうだったら……それ通りに来たら嬉しかったりするし、予測できなくて、逆にがっかりすることもあったりすると思うので。
そうですね、展開は気にしないかもです。ちなみに紹介している内容的に変な漫画が好きな人だと思われそうなので、一番好きな漫画家は水城せとな(代表作:『脳内ポイズンベリー』)と沙村広明(代表作:『無限の住人』)だと言わせてください!
編集後記

というわけで、三者三様の漫画トークでした。
漫画の話になってみても、浦沢直樹の『MONSTER』、売野機子の『ありす、宇宙までも』、そして原作をほぼ無視したコミカライズ『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する』まで。
本当に三者三様の“好き”を持つ私たちが、これからどんな化学反応を起こしていくのか。
気になった作品があれば、ぜひチェックしてみてください!
今回紹介した作品リスト
滝田:『ありす、宇宙までも』(売野機子 / 小学館)

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『ありす、宇宙までも』1話目はこちら
yabori:『MONSTER』(浦沢直樹 / 小学館)

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『MONSTER』1話目はこちら
まりりん:『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。』(漫画:業務用餅、原作:六志麻あさ / 講談社)

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『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する』1話目はこちら
まりりん:『東独にいた』(宮下暁 / 講談社)

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『東独にいた』1話目はこちら
まりりん:『ROPPEN-六篇-』(宮下暁 / 小学館)

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『ROPPEN-六篇-』1話目はこちら
BELONG Media編集部

インディーロックを中心に日本や欧米、アジアの音楽を取り上げる音楽専門メディア。“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。
2021年、J-WAVEのSONAR MUSICににゲスト出演。2022年、英語版姉妹サイトA-indieを開設。
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