最終更新: 2026年1月20日
音楽メディアとして長くシーンを見つめていると、時折、理屈抜きで胸がざわつく瞬間に出会うことがある。
それは緻密に計算されたアーティストを見つけた時ではない。“衝動”がそのまま形になったような、歪だが磨けば光る原石を見つけた時だ。
GIRLFRIENDZ(ガールフレンズ)とは

2026年1月21日、東京のインディ・シーンに突如として現れた4人組バンド、GIRLFRIENDZ(ガールフレンズ)。
彼らが放ったファーストシングル「Tonight」は、まさにそんな初期衝動の塊だ。
驚くべきはそのスピード感。2025年12月に結成され、翌日にはレコーディング、さらにその翌日には自宅でグリーンバックを用いたMV撮影を敢行したという。
レーベルに所属せず、完全なDIY(自主制作)体制で、誰の許可も待たずに公開された本作。
この性急さは、彼らが“今、この瞬間の空気”をパッケージすることに何より自覚的であることを示している。
メンバーについて
メンバーは、Mayu Morimoto(Vo.)、Hitomi(Gt.)、Ido Kyo(Ba.)、そしてコンポーザーを務めるスペイン出身のゲームサウンドクリエイター、Miguelの4人。
国境もバックグラウンドも異なる彼らが鳴らすのは、インディ・ポップの甘さと、ゴシック・ホラーの不穏さが同居する不思議なサウンドスケープだ。
「Tonight」が描くリアリティ

「Tonight」を再生した瞬間、耳に飛び込んでくるのは、どこか懐かしくも捻くれたポップ・サウンドだ。
スウェーデンのThe Cardigansが持っていた“砂糖菓子のような毒気”や、The Cureに通じる“陽気な絶望”――そんな形容をしたくなる、80s〜90sオルタナティブの遺伝子を感じさせる。
だが、私がこの曲に最も強く惹かれたのは、その歌詞が持つ鋭いリアリティだ。
現代社会は、私たちに“正しく”あることを強要しすぎる。ウェルネス(心身の健康)ブーム、SNSに溢れるポジティブな格言、丁寧な暮らし。
それらは確かに素晴らしいのだが、時として私たちの首を静かに締めつける。
“健康的に生きてみようとした / それで何か特別になれる気がして / でも朝のスムージーじゃ / ヘヴィな一週間は変わらない”
クリスタルを買い、セラピーに通い、アプリでメンタルを管理する。そうやって必死に“まとも”であろうとする滑稽さと切なさ。
GIRLFRIENDZは、そんな私たちの矛盾を否定しない。
“負け続けて、選び続けてる / 「間違い」なのに心地いいものばかり”
彼らが歌うのは、解決策ではない。
矛盾を抱えたまま、それでも「今夜は逃げないでいられる(I can still show up tonight)」と顔を上げる、等身大の勇気だ。
それは、諦めでも開き直りでもない。ただ、自分の足で立つためのきっかけだ。
アートワークはMei Semonesの作品を手掛けるBaba
また、視覚的なアプローチも秀逸だ。ジャケットのアートワークを手がけたのは、NY・ブルックリンのSSW、Mei Semonesの作品にも関わるアーティスト、Baba。
柔らかいタッチの中に痛みが滲むそのイラストは、楽曲の持つ複雑な感情を静かに形を与えている。
「Tonight」のMVについて
そして、メンバー自身の手で撮影されたミュージックビデオ。退廃的なゴシックホラーの世界で骸骨たちが踊る映像は、チープでありながらとてもシュールだ。
この“わちゃわちゃしたローファイ感”こそが、彼らのシリアスなメッセージを重苦しくさせない魔法のスパイスとなっているのだ。
Discordコミュニティでの先行試聴

BELONG Media / A-indieが運営するDiscordコミュニティでは、日本・海外の約50名の信頼できるメンバーのみに限定した先行試聴を実施した。
URL短縮サービスを利用した配布先追跡可能な仕組みにより、公開リスクを最小限に抑えながらファンとの密接な関係を築いている。
コミュニティメンバーから、下記のようなコメントが届いており、国境を超えてこのサウンドが“刺さっている”ことがわかる。
The CureとThe Cardigansが好きなら、クリティカルヒット間違いなし🔥
良くない予感がしてもその瞬間の心地良さに抗わないという歌詞がいい。
Really smooth indie pop, very classy. / ほんとになめらかで心地いいインディーポップ、すごく上品。
Very 90s. / めっちゃ90年代っぽい。
this was great! / 最高だった!
i think i’ll grab this and play it in my party / この曲をDJパーティーでかけようかな。
集まったコメントは、サウンドの心地よさを評価するものから、歌詞の哲学に共鳴するものまで多岐にわたる。
特に海外のリスナーからの“90s感”や“Classy(上品)”という評価は、彼らの音が単なる日本のインディ・ポップの枠に収まらない可能性を示唆しているだろう。
ぜひあなたも本作を聴きながら、自分の中にある“割り切れない感情”をこの曲に重ねてみてほしい。
GIRLFRIENDZリリース情報

Artist: GIRLFRIENDZ
Title: Tonight
Release Date: 2026.1.21
Format: Digital
Label: Independent / DIY
Release Link: https://linkco.re/ZpQyMYT3
Instagram: https://www.instagram.com/girlfriendz_band/
GIRLFRIENDZイベント情報

“Diary” By GIRLFRIENDZ
日程:2025年2月13日(金)
開場・開演:18:30 / 19:00
会場:下北沢THREE
出演:GIRLFRIENDZ / Emma Aibara @emmaaibara / Yüksen Buyers House @yuksen_buyers_house
料金:
・前売り ¥3,000 (+1D)
・当日 ¥3,500 (+1D)











