最終更新: 2020年12月6日
Never Young Beach(ネバーヤングビーチ)ことネバヤンのボーカル、安部は肩パンして喜び合う“旧世代のバンド”だと言う。
“デジタルネイティブ”世代にも関わらず、自ら“旧世代バンド”と言っていたのが印象的だ。
そんなネバヤンはどのように音楽を作っているのか、また安部が世間のミーハーを一喝したい理由とは?本筋から脱線しながらもメンバー全員に話を聞いた。
目次
ネバヤンメンバー全員インタビュー
アーティスト:安部勇磨(Vo,Gt)、松島皓(Gt)、阿南智史(Gt)、巽啓伍(Ba)、鈴木健人(Dr) インタビュアー:まりりん 撮影:Masahiro Arita
ネバヤンのルーツ
-話は戻りますが、そのYOUHTWAVEの特集では、古い年代のアーティストでも自分が知らなければ、新しいという価値観があるようです。その考え方に共感する部分はありますか?
鈴木:それはすごくある。
安部:知らなかったらそうでしょ。昔のものがあるこそ、今の基盤を作ってるしね。だからいつまでも古くならないし新しい。そこに毛が生えたようにその時代の音を組み込んで、今っぽくなったりするんじゃないですかね。
阿南:キングクリムゾンの前身でジャイルズっていう兄弟がやってたバンド(Giles, Giles & Fripp)がいて、それがすごく面白かった。ルーツ的なものも混ざってるから、新しいというか面白い。個人的には80年代のポップスを今聴くとすごく新しいと思う。シンセを入れてバンドをやるってスタイルが流行ってるけど、80年代には既にやってたんだなって。知らなかったけど、すごく新しい。
鈴木:ドラムに関しては生楽器なんで音速は変えられないから、新しいものはもう全部出ちゃってる。
阿南:テーム・インパラはひとつのリズムをずっと繰り返してるのが新しいよね。ロックバンドというよりEDMみたいな感覚で。
巽:阿南くんが言った通り、80年代のポップスや最近のアーティストでは、Tuxedoみたいなファンクが流行ってるじゃないですか。70sディスコやR&Bのノリを再構築してるなっていう風に僕は思うんで。ベースが下手くそなんで、僕はあんまり意識したことないですけど。でもそうやってクロスオーバーさせることによって、いい感じになってるんじゃないかなって思います。
-“YOUTHWAVE”という世代のアーティストは楽曲の元ネタを惜しげもなく、SNSで公開しているような人たちが多いように思います。一昔前は自分の手の内をなかなか明かさないアーティストも多かったように思いますが、最近のアーティストは楽曲の元ネタを自分から公開していると思います。そういう部分についてどうして自分から公開しようと思うのでしょうか。
安部:ほんとにこれいいなって思ったら公表しない。誰にも言いたくないもん。バンド内に収める。でも好きなものはバンバン公表するけどね。単純に「これいいから聴いてごらんなさい」っていう。
阿南:これ好きだから聴いてみてって感じだよね。
安部:「いいものあるわよ」みたいな。僕らのこと好きならこういうのも好きだから、僕らからもっと海外の人を掘下げてったらいいんじゃない。
阿南:マック・デマルコは最新アルバムの元ネタを貼ってたよ。日本の70年代のインストのシンセサイザー弾く人。彼は日本の音楽好きなんだよね。
安部:ふーん・・・。惜しみなく出していきますよ、僕は。いや出さないけど。本当に良いものは出さないけど、こういうの聴くよっていうのは出していきます。ほんとに丸々1曲似すぎっていうのは出せないけど、こういうのが好きで影響されてるってやつは出します。
-それではnever young beachのルーツに当たるアルバムを3枚教えてください。
Mac DeMarco『2』
安部:根っこは違うけど、最近好きなのは同じだよね。
Little Joy『Little Joy』
阿南:アルバムはこれ聴いてレコーディングしたよね。
鈴木:ドラムはミックスの時にこれを流して、今風のバーンって音じゃなくてドラム全体で鳴ってるようなちょっと丸い音作りを参考にしてます。
安部:今風の音っていう概念がどうかしてんだって。勝手なイメージがあるだけで今も海外では意識しないでああいう音を出してる人がいるわけじゃん。流行の音はあるけど、好きな音を出したら良いんだよ。
鈴木:日本で流行っているような四つ打ちの音よりもそういうのが明らかに好き。
安部:でも昔の音って意味わかんないものもある。僕らも昔っぽいけど、今にフィットしてる音が好きです。
Alabama Shakes『Boys & Girls』
安部:音もだけどグルーヴとか全部。俺はマック・デマルコのバカそうで危うい感じにアラバマ・シェイクスみたいなグルーヴと、ちょっといい感じの昔っぽいフレーズが入って、リトル・ジョイみたいに楽しくなればいいってバンドがnever young beachだと思う。そこに日本の昔からあるメロディーを乗せたらええやんけっていう僕の中での発明(笑)。で、みんな他にルーツもあるし。ほんといいバンドだ。
松島:最高だ。
ネバヤン・安部が一喝
-最後に言いたいことはありますか?
松島:いい病院知りませんか?腰の・・・。
安部:知らねーよ(笑)。好きなバンドがいてそれをただマネするだけじゃなくて、さらにそのバンドが何をルーツにしてるのか、掘下げられる人が増えたらいいんじゃないかなって思います。せっかくYoutubeがあるんだから見やすいだろうし、聴いてもらいたいですね。ただ1個上をマネするだけじゃなくて、そのバンドが何を好きだったのかっていうのを。
松島:僕はキセルとか、海外の音楽をどう日本語に落とし込んでいるかというのを知りたいです。色んなの影響があってこうなってるんだなって思うと面白いし、そういうDIYの音に熱いマインドに入って、それを日本語で日本のメロディーでやってるのがすごいなぁって。
阿南:ルーツ意識してやってるのが日本のインディーで、メジャーが好きな人はルーツを意識してないんじゃないの。日本の場合はメジャーが好きな人は、メジャーを目指してみんなそっちに行っちゃうもんね。
鈴木:せっかく調べられるんだから掘下げてほしいよね。
安部:みんな自分に自信ない人ばっかりだと思うんですよね。特にメジャーが好きな人って。自分の考えがあんまりなくて、普段は社会人をやってて、土日は誰々のライブ行くのが楽しみって言ってるような人ばっかりだから。世の中の人は自信がなさすぎるんですよ。自分が自信を持って楽しいって生活してればもっと余裕持って、色んなもの見れるのに。世の中の大半が人任せすぎで、みんなEXILE好きになりすぎ。筋肉付けすぎだし、黒い車ばっかり買いすぎ。みんなもっと自分を持てよって。自信があったら筋肉なんていらねぇはずだろ。それと俺が総理大臣になったらチェーン店全部潰す。便利すぎるし、24時間だから辛い仕事の人も出てくるし。正月も働くし、辛い思いする人が増えるから。僕よく知らないんですけど、チェーン店にするとブラックな会社が出てくるのに、1番上の人は偉そうにしているんで、そういうのをなくすためにみんな自営業にします。そんなお金稼がなくていいから、みんなでシェアできるくらいの規模でやってほしい。
松島:社会主義は成功しないからねぇ。
安部:みんな自撮りしてブスを隠す暇あったらやることをやりなよ。こんなブサイクが5人揃って自信を持って音楽やってんだから、もっと自信を持ってやりたい事やってほしい!
リリース
Roman Label / BAYON PRODUCTION (2015-05-13)
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ジャンル:シティポップ
収録曲:
1.どうでもいいけど
2.ちょっと待ってよ
3.あまり行かない喫茶店で
4.散歩日和に布団がぱたぱたと
5.無線機
6.夏がそうさせた
7.どんな感じ?
8.駅で待つ
9.chill morning
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ジャンル:シティポップ
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ジャンル:シティポップ
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ジャンル:シティポップ
プロフィール
安部勇磨(Vo./Gt.)、阿南智史(Gt.)、巽 啓伍(Ba.)、鈴木健人(Dr.) ※松島皓(Gt.)は2018年7月に脱退。
土着的な日本の歌のDNAをしっかりと残しながら、USインディなど洋楽に影響を受けたサウンドと極上のポップなメロディ、そして地に足をつけて等身大の歌詞をうたった楽曲で、音楽シーンに一石を投じる存在として、注目を集めるバンド。2014年春に結成。2015年に1stアルバム「YASHINOKI HOUSE」を発表し、「FUJI ROCK FESTIVAL」に初出演。2016年に2ndアルバム「fam fam」をリリースし、様々なフェスやライブイベントに参加。2017年にSPEEDSTAR RECORDSよりメジャーデビューアルバム「A GOOD TIME」を発表。2018年に10inchアナログシングル「うつらない/歩いてみたら」をリリース。そして2019年に、4thアルバム「STORY」を発表し、初のホールツアーを開催。また近年は中国、台湾、韓国、タイでもライブ出演。
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