アンダーソン・パークとは

ドクター・ドレー(DR.DRE)の復帰作『Compton』で6曲に関わり、ローリング・ストーン誌が“今のサウンドを定義する注目の新人”とまで太鼓判を押しているアンダーソン・パーク(Anderson.Paak)という人物をご存知だろうか。ここ日本でも先日、来日公演が発表されたものの即完売するほど注目を集めている。

これまでのキャリア

それでは彼は今までどのような道のりを辿りここまで来たのだろうか。アンダーソン・パーク(アンダーソン・パックとも言う)は韓国人の母親を持ち、元々はドラマーとしてキャリアをスタートさせた。その後、セッション・ミュージシャンを始め様々な仕事と並行しながらブリージー・ラヴジョイという名義でラッパーとして活動を開始。アーティスト活動を続けるうちに彼は昼の仕事を失い、妻と子を抱えて路頭に迷った際には、サー・ラーのシャフィーク・フセインの家に住まわせてもらい、彼のアシスタントや、サー・ラーのツアー・ドラマーなどを務めたこともあったそうだ。

ドクター・ドレーの新作で共演したことが転機に

彼の才能が注目され始めたのは2013年に無料で発表したカバー集『Cover Art』をリリースした前後。この頃よりアンダーソン・パークと名乗るようになり、2014年にデビューアルバム『Venice』をリリースする頃にはその才能がLAシーンで知られるようになっていった。そして時は来た。ドクター・ドレーの15年ぶりとなる新作『Compton』に参加し、メディアから破格の注目を集めるようになった。そんな彼が満を持してリリースしたセカンドアルバム『Malibu』は、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)すらもTwitterで宣伝する特別なアルバムとなった。

意外なルーツ

彼の周りの人脈や音楽性から察するにヒップホップばっかり聴いていたのかと思うと意外や意外。インタビューによるとレディオヘッド(Radiohead)を聴いたのが音楽に興味を持ち始めたきっかけのひとつだったそうだ!そもそもヒップホップは絶対にやりたくなくて、それ以外の何か、オルタナな音楽を作りたかったとある。そういう意思があるからこそ彼はTHE FREE NATIONALSという自身のバンドを率いてライブを行っているのだろう。しかももともとドラマー出身というだけあり、ライブでは自分でドラムを叩きながら歌う場面も!まさに遅咲きの天才、アンダーソン・パーク。この絶好の機会にヒップホップを普段聴かないロックファンにも彼の枠に捉われない音楽が届いて欲しい。

リリース情報

■1st Album『Venice』2014年リリース

Venice
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■2nd Album『Malibu』2016年リリース

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■3rd Album『Oxnard』2018年リリース

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■4th Album『Ventura』2019年リリース

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プロフィール

アンダーグランドで活動していた彼は着々と知名度を上げていったが、彼が世界に注目されるターニング・ポイントとなるキッカケを作ったのは本名に改名してからだった。

アンダーソン・パークとして初のファースト・アルバム『ベニス』を2014年にリリースした彼は、のちにドクター・ドレーのヒット・アルバム『コンプトン』で最多数参加した事で大注目を浴びる。

翌年リリースしたセカンド・アルバム『マリブ』では60年代を思わせるようなソウルからディスコ調のブギーなど幅広いスタイルの音楽を収録。

スクールボーイ・Q、ザ・ゲーム、タリブ・クウェリ、ザ・シカゴ・キッド、ラプソディらがゲストとして名を重ね、プロダクションにはナインス・ワンダー、デム・ジョインツ、マッド・リブ、ハイ・テックなど強力な制作陣が参加している。

インディ作ながら同アルバムは世界中から絶賛の声が上がり、2016年にアンダーソンは同作でサウス・バイ・サウスウエストのグルーク賞を受賞、

またグラミー賞の「ベスト・ニュー・アーティスト」と「ベスト・アーバン・コンテンポラリー・アルバム」の2部にノミネートされ、

他にもBETヒップ・ホップ・アワードの「ベスト・ニュー・ヒップ・ホップ・アーティスト」とNMEアワードの「ベスト・ニュー・アーティスト」のノミネートを獲得。

また2016年のソウル・トレイン・ミュージック・アワードの「ベスト・ニュー・アーティスト」と「アルバム、オブ・ザ・イヤー」を獲得している。

世界的にヒットしヨーロッパでゴールド・ディスク認定を獲得した『マリブ』に収録されている大ヒット曲「カム・ダウン」は多数のテレビ出演と米バスケット・ボール・コマーシャルで流されるさらなる大成功を収めた。

また「アム・アイ・ロング」はグーグルの「Joy ride by you, phone by Google」キャンペーンで使用された事がキッカケにBillboard &Clioの「トップ・テレビ・コマーシャル・チャート」で1位を獲得している。

その後フィラデルフィア出身の気鋭プロデューサー兼トラックメイカーのノレッジとユニット「ノーウォーリーズ」を組んでファースト・アルバム『イェス・ロード!』(アンダーソンが常に口にするフレーズでもある)をリリースすると、ビルボードのトップR&B・ヒップ・ホップ・チャートで最高3位を獲得し話題になる。

アーティストとしてまだ比較的経験が浅いのにも関わらず、アンダーソンは現在に至るまで100曲以上を世に送り出してきた。2017年には恵まれない子供たちや次世代の若手アーティストの為のセーフ・ヘイヴェンとなるNPO法人「.Paak House」を立ち上げ、子供たちの音楽や教育、そしてメンタル・ヘルスの向上をサポートし続けている。

アンダーソンは多数の才能あるアーティストとコラボレーションを果たしており、そのリストにはゴールド認定を獲得したシングル「ダング!」を共にリリースしたマック・ミラーやチャンス・ザ・ラッパー、ラプソディ、ア・トライブ・コールド・ウエスト、ザ・フリー・ナショナルズの名が挙げられる。

アンダーソンの曲「ティル・イッツ・オーバー」はアップル社のコマーシャル「ウェルカム・ホーム」のテーマ曲として取り上げられ、スパイク・ジョーンズ監督が制作した動画には彼の曲に合わせてシンガー・ソングライターのFKAツイッグスが華麗なダンスを躍っている。

ドクター・ドレーのレーベル、アフター・マスと契約を交わしたアンダーソンは、現在待望の最新アルバムの制作に取り掛かっている。

彼の次のステップに世界が注目する。。。。

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