最終更新: 2020年12月6日
目次
ジョナサン・ラドとは
インディーロック界、随一の若手プロデューサーであるジョナサン・ラドという人物をご存知だろうか?
彼はアメリカのサイケ・ロックデュオ、フォクシジェン(Foxygen)のメンバーの一人。
フォクシジェンは『We Are the 21st Century Ambassadors of Peace & Magic』がきっかけで、各メディアから大きな注目を集めるようになった。
というのもこの作品は60年代のサイケ・ロックの墓を乱暴に掘り起こしながら、転調を繰り返し一つにつなぎ合わせた奇跡的な傑作だったのだ。
最新作『Seeing Other People』では彼らのトレードマークであったサイケ・サウンドは影を潜め、ヒップ・ホップとグラム・ロックに大きく舵を切った。
そんな変化し続けるフォクシジェンでジョナサンはバンドでギターとキーボードを担当している。
しかしそれら以外にも楽器類は幅広く演奏でき、音響面のエンジニアリングやレコーディング、プロデュースに至るまで幅広い才能を見せている。
その才覚を活かし、若手アーティストのプロデュースも精力的に行っており、これまでに多くのバンドを手掛けてきた。
その中でも代表的なのはザ・レモン・ツイッグスやザ・フレーミング・リップス、ホイットニーなどが挙げられる。
日本国内では自身のバンドよりも有名になったものもいるほど、敏腕プロデューサーという一面を持つジョナサン。
そしてここ三か月の間に彼が手掛けた作品が続々とリリースされる。
ジャッキー・コーエン
まずはニューヨーク出身のシンガー・ソング・ライターのジャッキー・コーエン(Jackie Cohen)。
彼女は昨年、EPを2枚発表しており、今年の5月にデビューアルバム『Zagg』をリリースしたばかり。
手掛けたのはジョナサン・ラドとナタリー・プラスを手掛けた、マシュー・E・ホワイトの二人。
今作が豪華なのはそれだけではなく、なんとザ・レモンツィッグスのダダリオ兄弟も参加しているのだ!
「It Hurts」では弟のマイケルが、「Yesterday’s Baby」では兄のブライアンがバックボーカルとして参加している。
USインディー豪華競演が結実したこの作品は、アルバム一枚通して聴く価値アリ!
アレックス・キャメロン
アレックス・キャメロンは2006年に結成されたオーストラリアのバンド、シーケイ(SEEKAE)のメンバー。
バンドで3枚のアルバムをリリース後、ソロ活動をスタートさせ、2016年にデビュー・アルバム『Jumping the Shark』をリリースした。
彼が注目されたのはフォクシジェンの二人がヒックアップしたのがきっかけだと言われている。
そういった縁もあり、2作目以降はジョナサンが作品を手掛けており、今年の9月に3枚目のアルバム『Miami Memory』がリリースされる。
新曲「Miami Memory」の民族的なビートと管楽器のハーモニーを絶妙な塩梅で共存させているのが、ジョナサンの手腕によるところ。
アレックス・キャメロンのカリスマ性と絶妙にダサい中腰ポーズが出てくるMVも必見!
ホイットニー
一昨年の11月に東京・大阪で来日公演を行ったシカゴのフォークロックバンド、ホイットニー(Whitney)。
彼らは元スミス・ウエスタンズのギタリスト、マックス・カケイセックとドラマーであるジュリアン・アーリックによるバンド。
スミス・ウエスタンズはサイケポップを奏でるバンドであったが、一転してホイットニーが伝統的なフォークを丁寧に演奏する。
こういったシンプルな音楽の純粋さを活かし、聴かせることに重きを置いたプロデュースを行うのもジョナサンの技だ。
ホイットニーは今年の9月に待望のセカンドアルバム『Forever Turned Around』をリリースする!
ジョナサン・ラドの真骨頂
一癖も二癖もあるアーティストの音楽を引きたてるだけでなく、新しいサウンドも与えながら、決して世界観を壊さないのがジョナサンの真骨頂。
彼の手にかかったアーティストの作品が前作よりも良くなかったということはまずないし、面白みのないアーティストを手掛けることもない。
ここまで見るとUSインディーのサウンド面の底上げに貢献しているのがジョナサンだということが分かる。
彼が関わるところ、全て良いアーティストないしは個性的なアーティストに違いないので、手掛けるアーティストは全て注目していきたい。
リリース情報
ジャッキー・コーエン(Jackie Cohen)
収録曲:
1. FMK
2. Caught in a Feeling
3. Get Out
4. Take Care of Your Skin
5. Chico Chico
6. My Size
7. It Hurts
8. Too Cold To Cry
9. Yesterday’s Baby
10. Goodbye Love of Mine
11. Keep Runner
アレックス・キャメロン(Alex Cameron)
収録曲:
1. Stepdad
2. Miami Memory
3. Far From Born Again
4. Gaslight
5. Bad For The Boys
6. End is Nigh
7. PC With Me
8. Divorce
9. Other Ladies
10. Too Far.
ホイットニー(Whitney)
収録曲:
01. Giving Up
02. Used To Be Lonely
03. Before I Know It
04. Song For Ty
05. Valleys (My Love)
06. Rhododendron
07. My Life Alone
08. Day & Night
09. Friend of Mine
10. Forever Turned Around
フォクシジェン(Foxygen)
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収録曲:
1. Work
2. Mona
3. Seeing Other People
4. Face The Facts
5. Livin’ a Lie
6. The Thing Is
7. News
8. Flag at Half-Mast
9. The Conclusion
ジョナサンが手掛けた楽曲
・Jackie Cohen – Yesterday’s Baby
https://www.youtube.com/watch?v=dzjbXtP8aYQ
・Alex Cameron – Miami Memory
・Whitney – Valleys (My Love) (Official Video)
・Foxygen – Livin’ a Lie
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