アメリカのフォークロックバンド、Bon Iver(ボン・イヴェール)の最新曲「AUATC」がリリースされた。

テイラー・スウィフトとのコラボも話題となったが、今作ではブルース・スプリングスティーンなど豪華ゲストを迎えている。

この記事では「AUATC」の歌詞和訳、そして内容を考察している。

Bon Iverが歌詞に込めたのは、新型コロナウイルスによって浮き彫りにされた資本主義社会が与える我々への影響。

そんなBon Iverの最新曲「AUATC」について深く知っていただきたい。

Bon Iverとは

Bon Iver
Bon Iver(ボン・イヴェール)はジャスティン・ヴァーノンを中心に活動する、アメリカの6人組フォークロックバンド。

メンバーは、ジャスティン・ヴァーノン(Vo./Gt./Key.)、ショーン・キャリー(Dr./Key.)、マシュー・マッコーン(Dr.)、マイケル・ルイス(Ba./Sax/Key.)、アンドリュー・フィッツパトリック(Gt./Key.)、ジェン・ワズナー(Gt.)の6人で構成されている。

これまでのリリース

Bon Iverは2008年にファーストアルバム『For Emma, Forever Ago』をアメリカのインディーレーベルであるJagjaguwarより発売。イギリスとヨーロッパでは4ADからリリース。

2011年にはセカンドアルバム『Bon Iver, Bon Iver』、2016年にサードアルバム『22, A Million』、そして2019年にフォースアルバム『i,i』をリリース。

グラミー賞では、ベスト・ニュー・アーティストとベスト・オルタナティブ・アルバム部門で受賞している。

テイラー・スウィフトの8作目となるアルバム『folklore』に収録されている「Exile」への参加も話題となった。

来日公演

Bon Iverは2016年2月に東京公演にて初来日公演を行っている。

2020年1月21日、22日にはZepp東京にて来日を果たし、両日共にチケットはソールドアウトした。

AUATCとは

Bon Iver「AUATC」
Bon Iver(ボン・イヴェール)の“シーズン5・エピソード2”として発表された最新曲「AUATC」。

“シーズン5・エピソード2”とは5枚目となるアルバムの中から、最初に発表されたシングル曲「PDLIF」に次いで2曲目のシングルとして発表されたことを意味する。

さらにブルース・スプリングスティーンを始め、ジェニー・ルイスやWye Oakのジェン・ワスナーがバックヴォーカルとして参加した豪華な作品となっている。

AUATC歌詞和訳

Bon Iver「AUATC」
Bon Iver(ボン・イヴェール)の最新曲「AUATC」とは、“Ate Up All Their Cake(ケーキを全て食べ尽くした)”の頭文字である。

あぁ、一晩中起きていたんだね
そんな深く考え事をしてさ
自分の揚げた凧が見えるなら(あぁ神よ、もう少し光で照らしてくれないか)
精神的な重荷と破滅することは違うって知ってるよな
君こそが唯一信じられる道なんだ
いや、違う
あの鉄錆の中で燃やし尽くすことこそが正しいことなんだよ

“Well, you’re up all night
And your head’s down low
If you can see your own kite (Shed a little light, oh Lord)
You know a burden ain’t a bust
You are the only way to trust ya
No no no
It’s only fair it burns up in that rust”

引用元:Bon Iver(ボン・イヴェール)「AUATC」歌詞(Genius Lyrics)

マーサ、横になるんだ
神聖な旗じるしを下ろすんだ
マーサ、もう少し持ち堪えるんだ
助けは必ず来てる
そしてこれは間違ってる
僕の栄光に浸るんじゃない
でもやつらはその栄光を僕から奪うことはできないんだ

“Lay down, Martha
Lay down the holy banner flag
Hold out, Martha
Help is surely on its way
And it’s not right
Don’t bask in the glory of mine
But oh no, they can’t come take that part away”

引用元:Bon Iver(ボン・イヴェール)「AUATC」歌詞(Genius Lyrics)

やつらはケーキを全て食い尽くしたんだ
そしてワインも飲み尽くした
やつらは常に自分の利益ばかりを追求してた(神よ、本当に光で照らしてくれるのか?)
精神的な重荷と感情のほとばしりは違うって知ってるよな
愛することへの唯一の道は触れることさ
正義は声高に叫ばれるが、いつかは糾弾に変わるってことは分かってるさ

“They ate up all their cake
And they drank their own wine
They were always on the take (Will you shed a little light, oh Lord)
Well, you know the burden ain’t a gust
The only path to love is touch
I’ll always know that all that proper mounts too much”

引用元:Bon Iver(ボン・イヴェール)「AUATC」歌詞(Genius Lyrics)

マーサ、横になるんだ
アラバスター(白色の鉱物)を置くんだ
マスターなんて存在しないけど
助けは必ずそこまでやってきてる
僕は尋ねやしない
僕は栄光に浸りやしないんだ
まさか(違う、違うんだ)
マスクを着けるかどうかは僕次第なんだ

“Lay down, Martha
Lay all that alabaster down
There’s no master and
Help will surely come around
I don’t ask
I don’t bask in the glory
Oh no (nah nah)
And it’s up to me if I don’t wear a mask”

引用元:Bon Iver(ボン・イヴェール)「AUATC」歌詞(Genius Lyrics)

あぁ、一晩中起きていたんだね
近所の人はそんなこと知りもしない
なぁ、隣人はそんなこと知りもしないんだ
(神よ、少しでもいいから光で照らしてくれよ)
精神的な重荷と破滅することは違うって知ってるよな
真実は支えになるって言われてる
いや、違う
彼を病気にさせ寝込ませた、あの貧困者たちだけだ

“Well you’re up all night
And your neighbors don’t know
Man, your neighbors don’t know
(So shed a little light, oh Lord)
You know a burden ain’t a bust
You know that truth’s been known to crutch
No no no
Only them who’s pauper lays him up”

引用元:Bon Iver(ボン・イヴェール)「AUATC」歌詞(Genius Lyrics)

歌詞和訳からみる「AUATC」に込めた意味

Bon Iver(ボン・イヴェール)
Bon Iver(ボン・イヴェール)の最新曲「AUATC」の歌詞では、資本主義社会による平等性の欠如や、新型コロナウイルスのパンデミックなど、現代の社会情勢に対する内容が含まれている。

タイトルの「AUATC(Ate Up All Their Cake)」は、マリー・アントワネットが語ったとされる、“パンが無ければケーキを食べればいいじゃない”という言葉が元になっており、主食のパンが無く困っている農民に対する内容と関連していると考察できる。

これが意味するのは、資本主義によって発生した上流階級の人々と貧民との格差だろう。

さらに歌詞の内容を細かく掘り下げると、“マスクを着けるかどうかは僕次第なんだ”という一行では、文字通りコロナ禍におけるマスクは、“助け”という必要不可欠な存在であること。

それと共に、マスク=覆面と読み解くと、資本主義の覆面を被った人々や社会とも取れる。

ちなみに歌詞の一行、“I’ll always know that all that proper mounts too much”は歌詞サイトによって、諸説あるようだ。

その他に、“僕の栄光に浸るんじゃない。でもやつらはその栄光を僕から奪うことはできないんだ”という歌詞がある。

ここでの栄光とは、アメリカの栄光だと読み取れる。

ジャスティン・ヴァーノンの思い

自由の国、アメリカ。

新型コロナウイルスによるパンデミックにより、その自由と栄光が脅かされる情勢になってしまったが、みんなで手を取り合い守り抜こうという意思が反映されている。

世界情勢の変化により浮き彫りとなった様々な問題について、アートや音楽によって問題提起し、人々が理解し、助け合う気持ちに繋がる。

それがアートや音楽の持つ力であり、「AUATC」に込められた思いなのではないだろうか。

リリース

4thアルバム『i,i』

ジャンル: フォークロック
フォーマット:Mp3、CD
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3rdアルバム『22, A Million』

ジャンル: フォークロック
フォーマット:Mp3、CD、アナログ、カセット
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2ndアルバム『Bon Iver, Bon Iver』

ジャンル: フォークロック
フォーマット:CD、アナログ
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1stアルバム『For Emma, Forever Ago』

ジャンル: フォークロック
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
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プロフィール

Bon Iver

“ボン・イヴェールは米ウィスコンシン州出身のシンガー・ソング・ライター=ジャスティン・ヴァーノンのソロ・プロジェクト。08年に発表した奇跡のデビュー・アルバム『フォー・エマ・フォー エヴァー・アゴー』で、世界中の音楽メディア、批評家、アーティストから絶大な指示を獲得。同じく08年にリリースした『ブラッド・バンク(EP)』が音楽メディア、アーティストから絶賛され、EP収録の「Woods」を後にカニエ・ウェストがサンプリングし話題となった。セカンド・アルバム『ボン・イヴェール』では米Pitchforkにて9.5/10点を獲得し、全米初登場2位、全英初登場4位を記録。12年第54回グラミーでは賞最優秀新人賞と最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞優秀を受賞した。2016年2月にボン・イヴェールとして待望の初来日を果たし、大成功を収めた。同年2月、サードアルバム『22、ア・ミリオン』をリリース。”

引用元:Bon Iver(ボン・イヴェール)プロフィール(Hostess)

Bon Iver代表曲(Youtube)

  • Bon Iver – Holocene (Official Music Video)
  • Bon Iver – Calgary (Official Music Video)
  • Bon Iver – PDLIF – Official Audio
ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、インターナショナルビジネスを専攻。兵庫県出身のサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。2017年には全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をインディーズレーベル、Dead Funny Recordsよりリリース。サイケデリック、ドリームポップ、ソウル、ロカビリーやカントリーなどを愛聴。好きなバンドはTemplesとTame Impala。趣味は写真撮影と映画鑑賞。
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