最終更新: 2020年12月17日
Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)のセカンドアルバム『The Battle at Garden’s Gate』がリリースされる。
先行リリースされた2曲のシングル「Mt Way, Soon」と「Age of Machine」や代表曲「ハイウェイ・チューン」についての解説と共に、どのようなアルバムになるのか考察している。
Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)の遺伝子を受け継ぐGreta Van Fleetは、自身のアイデンティティーを築くことができるのか。
目次
Greta Van Fleetとは
Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)はアメリカのミシガン州出身のロック・バンド。
メンバーは、ジョシュ・キスカ(Vo.)、ジェイク・キスカ(Gt.)、サム・キスカ(Ba.)、ダニー・ワグナー(Dr.)の4人で構成されている。
Greta Van Fleetは2012年に結成された。
2017年に『Black Smoke Rising』と『From the Fires』と2枚のEPを発売。
2018年にデビューアルバム『Anthem of the Peaceful Army』をリリース。
第61回グラミー賞でセカンドEP『From the Fires』が最優秀ロックアルバム賞を受賞した。
兄弟バンドであること
Greta Van Fleetの特徴として、ユニークなメンバー構成が挙げられる。
まずフロントマンのジョシュとギタリストのジェイクが双子だと言うことに驚きだが、さらにベーシストのサムはその弟であり、ドラマーのダニーは家族ぐるみの旧友である。
兄弟バンドであることによって必然的に生まれた確固たるバンドの一体感は、レッド・ツェッペリンを引き合いに出されても動じないアイデンティティーとなり、多くのリスナーの心を震わせるのだろう。
代表曲 ハイウェイ・チューン
Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)のデビュー曲「Highway Tune(ハイウェイ・チューン)」。
代表曲として知られており、YouTubeのMVの再生回数は6500万回を突破し(2020年10月26日現在)、ビルボードのメインストリームロックとアクティヴロックチャートで4週連続1位を獲得する快挙を果たした。
Greta Van Fleetは「Highway Tune」で“現代のレッド・ツェッペリン”と称されるようになり、ツェッペリンのフロントマンであるロバート・プラント本人が、“Greta Van Fleetはまさにレッド・ツェッペリンだ”とコメントし世界的に話題となった。
「Highway Tune」はイントロから強烈なインパクトを聴き手に与えるストレートなギターロック・リフで幕を開け、ロバート・プラントの若かりし頃が現代にそのまま蘇ったかのような歌声に心掴まれる。
二番煎じという枠には収まりきらない程の高いポテンシャルを世界に知らしめた一曲だ。
Greta Van Fleet – Highway Tune (Official Video)
The Battle at Garden’s Gate
Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)のセカンドアルバム『The Battle at Garden’s Gate』が2021年4月21日にリリースされることが決定した。
デビューアルバム『Anthem of the Peaceful Army』から約2年半ぶりとなる今作は、五大陸で行われた世界ツアーで見えた新たな景色、そこで出会った人々がインスピレーションとなっている。
レコーディングには、ポール・マッカートニーやリアム・ギャラガーを始めとする世界的アーティストを担当してきたグレッグ・カースティンをプロデューサーに迎えて制作された。
先行曲として「My Way, Soon」と「Age of Machine」の2曲が発表されている。(2020年12月17日更新)
メンバーからのコメント
Greta Van Fleetはセカンドアルバム『The Battle at Garden’s Gate』のリリースを記念して、ジョシュ・キスカ(Vo.)、ジェイク・キスカ(Gt.)、サム・キスカ(Ba.)、ダニー・ワグナー(Dr.)の4人からコメントが届いている。
“「たくさんの扉を開いてくれた3年間のツアーがもたらしたものがインスピレーションになった曲。俺の真実であり、今までの旅を包括して俺が感じることだ。でもジェイクとサムとダニーの体験や、考え方の変化も映し出していると思う」(ジョシュ・キスカ)”
“「異なる文化や人や伝統を目にすればするほど、自分たちと様々な異文化との類似点も見えてきた。俺たちみんな、驚くほど似通っている」(ジェイク・キスカ)”
“「世界の様々な場所で暮らす人々の様子を見てきた。そして異なる文化や人々に対して心からの敬意を抱くようになった。サンパウロの会場まで高速道路を車で走りながら延々と続くサンパウロのスラム街を見たかと思えば、地上最高に裕福な場所でも演奏してきた」(サム・キスカ)”
“「“普通”の定義が、この2年ほどで思い切り広がって、それがミュージシャンである俺たちに影響した。特にこのニュー・アルバムの曲を書いてレコーディングする上で。子供の頃は色々なものに守られていたんだと気づいた。知らずにいたことがたくさんあったんだ。それがこの広い世界に放り出されて、最初はちょっとしたカルチャーショックだった」(ダニー・ワグナー)”
My Way, Soon
Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)の新曲「My Way, Soon」。
デビューアルバム『Anthem of the Peaceful Army』から約1年ぶりの新曲で、過去3年間のツアーによって世界を回って得た多様な経験がインスピレーションとなって生まれた楽曲。
「My Way, Soon」を聴いてバンドから伝わったのは、ツェッペリンと比較され続けてきた音楽性からの解放だ。
若さ溢れるエネルギッシュさやストレートだが細やかな装飾が光るギター、そしてポップにも通じる煌びやかなサウンドによって、Greta Van Fleet独自のロック・チューンがここに誕生した。
70年代のクラシック・ロックの影響はあれど、未来に引き継がれるバンドとしての地位をここに確立したではないだろうか。
そしてGreta Van Fleetのメンバー4人で撮影から編集、そして監督まで一貫して制作されたMVでは、プライベートな映像が盛り沢山のドキュメンタリーチックな作品に仕上がっているので、そちらも合わせてチェックしていただきたい。
Greta Van Fleet – My Way, Soon (Official Video)
Age of Machine
Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)の最新シングル「Age of Machine」。
「Age of Machine」はアップビートなロックから一変、ダイナミックさが静かに燃えたぎる壮大なロックソング。
この曲で問われるのはモダニズムへ対する疑問。
テクノロジーを手に入れ我々はどこへ向かうのか、そして代償として何を支払ったのか。
急速に変化し続ける社会の渦の中でも、芯をブレずに貫き通すGreta Van Fleetの自信とバンドのアイデンティティーが何かということを証明した一曲である。(2020年12月17日更新)
Greta Van Fleet – Age of Machine (Official Video)
ツェッペリンが描けなかった未来
Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)のセカンドアルバム『The Battle at Garden’s Gate』。
先行シングル「My Way, Soon」と「Age of Machine」から読み取れるのは、レッド・ツェッペリンを彷彿とさせる歌声やサウンドといったクラシックロックのスタイルは根底に根付いてはいるものの、
カジュアルに聴ける軽快なロックソングである点や、現代社会に問いかけるメッセージ性の強い歌詞はGreta Van Fleetの確かなアイデンティティーであることだ。
70年代や80年代のクラシックロック全盛期には存在しなかった現代のデジタル要素が組み込まれると、
ツェッペリンが辿り着けなかった“その先の未来”を描くことができるのではないかと考えられる。
いずれにせよ、Greta Van Fleetの個性が光る独自のロックが『The Battle at Garden’s Gate』で確立するのは間違いないはずだ。(2020年12月17日更新)
リリース
2ndアルバム『My Way, Soon』
発売日:2021年4月21日
収録曲:
・Heat Above
・My Way, Soon
・Broken Bells
・Age of Machine
他未定
フォーマット:Mp3
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1stアルバム『Anthem of the Peaceful Army』
フォーマット:アナログ
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グッズ(Tシャツ)
カラー: マスタードイエロー
サイズ: S(身幅:約45cm 着丈:約70cm)
カラー: マスタードイエロー
サイズ: M(身幅:約50cm 着丈:約73cm)
プロフィール
“米ミシガン州フランケンムース(Frankenmuth、人口5,000人の町、デトロイトのすぐ北)で生まれ育つ。ジョシュとジェイクは双子。サムはその弟。ダニーは友人。ブルース、R&B、ソウルのアナログ盤に囲まれて育ち、ロックンロールとブルースとソウルのハイブリッド・サウンドをフレッシュに鳴り響かせ、クラシック・ロック世代から同世代までのロック・ファンを虜にしている。
影響を受けたアーティスト/アートは、ジミ・ヘンドリックス、CSN&Y、ザ・フー、チャイコフスキー、映画「ロード・オブ・ザ・リング」、「地獄の黙示録」、ロバート・フロスト、アーネスト・ヘミングウェイなど。
2017年3月衝撃のデビュー・シングル「ハイウェイ・チューン」は全米ロック・ラジオ・チャート5週連続1位&カナダのロック・ラジオ・チャート9週連続1位。11月発表のダブルEP「フロム・ザ・ファイアーズ」はビルボード・ハードロック・アルバム・チャート初登場1位を獲得。2018年1月にはセカンド・シングル「サファリ・ソング」も全米ロック・ラジオ・チャートで1位を獲得。
ザ・ストラッツの全米公演のサポート・アクトとしてツアー・デビュー(2017年5月)、その後全米&ヨーロッパで次々とヘッドライン・ツアーが決定し、そのすべてがソールド・アウトした。彼らの音楽と活躍は、ニッキー・シックスからエルトン・ジョンまでが大絶賛、ガンズ・アンド・ローゼズはサポート・アクトに抜擢。
2018年10月にリリースしたデビュー・アルバム『アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー』は米ビルボード・アルバム・チャート初登場3位。ロック・バンドのデビュー・アルバム(EPではなくフル・アルバム)の同チャート初登場TOP 3入りは、2013年3月のアトムス・フォー・ピース『アモック』(トム・ヨーク、フリー、ナイジェル・ゴドリッチ、ジョーイ・ワロンカー、マウロ・レフォスコによるバンド)の2位以来5年ぶりの快挙。2019年1月、初来日公演(東京と大阪で全3公演)。
彼らの音楽を通してのメッセージは“平和、愛、団結”を広めることにあり、彼らの目標は、ライヴで観客を元気づけ、活気に満ちた爽快感と共に送り出し、その感情を世界に広めることだという。”
Greta Van Fleet代表曲(Youtube)
- Greta Van Fleet – When The Curtain Falls (Official Video)
- Greta Van Fleet – Highway Tune (Live in Toronto / 2018)
- Greta Van Fleet – Always There (Audio)
ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
BELONG Mediaのライター/翻訳。18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、インターナショナルビジネスを専攻。
兵庫県出身のサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。
2017年には全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をインディーズレーベル、Dead Funny Recordsよりリリース。
サイケデリック、ドリームポップ、ソウル、ロカビリーやカントリーなどを愛聴。好きなバンドはTemplesとTame Impala。趣味は写真撮影と映画鑑賞。
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