最終更新: 2022年5月15日

The NationalとBon Iverのメンバーによるデュオ、Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)が新曲「Renegade」をリリースした。

テイラー・スウィフトが作詞とボーカルとして参加している。

そこで新曲「Renegade」の歌詞を和訳すると共に、どのような内容の楽曲なのか考察している。

考察して浮かび上がってきたのはテイラー・スウィフトのアルバム『Reputation』との関係性。

精神疾患を患った相手との恋愛に一歩を踏み出すかどうか葛藤する主人公の心情とは。

Big Red Machineについて

Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)
Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)はアメリカ出身のアーロン・デスナーとジャスティン・ヴァーノンによるフォークデュオ。

アーロン・デスナーはThe Nationalのメンバーとして活躍しており、ジャスティン・ヴァーノンはBon Iverのリーダーである。

2018年にファーストアルバム『Big Red Machine』を発売。

セカンドアルバム『How Long Do You Think It’s Gonna Last? 』を2021年8月27日にリリースする。

アーロン・デスナーとジャスティン・ヴァーノンはテイラー・スイフトのアルバム『folklore』に参加している。

Renegadeについて

Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)の新曲「Renegade(レネゲイド)」。

“Renegade”の意味は直訳すると裏切り者。

テイラー・スウィフトが作詞とボーカルとしてゲスト参加している。

Big Red Machine – Renegade (feat. Taylor Swift) (Official Music Video)

Renegade和訳

Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)の新曲「Renegade」について。

精神疾患を患っている人との恋愛について描かれた歌詞を和訳し、内容を考察していく。

私が部屋の窓を叩いたのは、あなたにとって一番辛い夜だった
ここから見えるあなたの姿は刺々しくて弱々しかった
寝る場所がないの、まぁなんとかやり過ごしたけど
あなたがどれだけ酷く砕け散ったのか、もし分かっていたなら
そっとしといたかもね

“I tapped on your window on your darkest night
The shape of you was jagged and weak
There was nowhere for me to stay, but I stayed anyway
And if I would’ve known how many pieces you had crumbled into
I might have let them lay”

引用元:Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)「Renegade」歌詞(Genius Lyrics)

タイミングについて、こんな時期に本当に話し合うの?
あなたの苦しみを私にちょうだい
精神的な負担は私に任せて
未来史を作ってよ、今がその時だから
長い道のりを辿ってきたんだから、目を開けて、さぁ顔を見せて
あなたは誰かに助けを求めた最初の裏切り者じゃないわ
“もう少ししっかりしてよ、そうしたらあなたのこと愛せるかも”って言うのはさすがに無神経かな
私に全てを託せないのは、あなたの不安症のせい?
それとも、ただそうしたくないだけ?

“Are you really gonna talk about timing in times like these?
And let all your damage damage me
And carry your baggage up my street
And make me your future history, it’s time
You’ve come a long way, open the blinds, let me see your face
You wouldn’t be the first renegade to need somebody
Is it insensitive for me to say “Get your shit together so I can love you?”
Is it really your anxiety that stops you from giving me everything?
Or do you just not want to?”

引用元:Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)「Renegade」歌詞(Genius Lyrics)

私が部屋の窓を叩いたのは、あなたにとって一番辛い夜だった
ここから見えるあなたの姿は刺々しくて弱々しかった
寝る場所がないの、まぁなんとかやり過ごしたけど
わめき散らしたのは、自分のことが嫌いだからでしょ
でも私のことも傷つけてるのは分かってる?
私が出て行こうとすると手を強く握ってくるのね

“I tapped on your window on your darkest night
The shape of you was jagged and weak
There was nowhere for me to stay, but I stayed anyway
You fire off missiles ’cause you hate yourself
But do you know you’re demolishing me?
And then you squeeze my hand as I’m about to leave”

引用元:Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)「Renegade」歌詞(Genius Lyrics)

タイミングについて、こんな時期に本当に話し合うの?
あなたの苦しみを私にちょうだい
精神的な負担は私に任せて
未来史を作ってよ、今がその時だから
長い道のりを辿ってきたんだから、目を開けて、さぁ顔を見せて
あなたは誰かに助けを求めた最初の裏切り者じゃないわ
“もう少ししっかりしてよ、そうしたらあなたのこと愛せるかも”って言うのはさすがに無神経かな
私に全てを託せないのは、あなたの不安症のせい?
それとも、ただそうしたくないだけ?

“Are you really gonna talk about timing in times like these?
And let all your damage damage me
And carry your baggage up my street
And make me your future history, it’s time
You’ve come a long way, open the blinds, let me see your face
You wouldn’t be the first renegade to need somebody
Is it insensitive for me to say “Get your shit together so I can love you?”
Is it really your anxiety that stops you from giving me everything?
Or do you just not want to?”

引用元:Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)「Renegade」歌詞(Genius Lyrics)

あなたがどれだけ酷く砕け散ったのか
もし分かっていたなら
そっとしといたかもね

“And if I would’ve known
How sharp the pieces were you’d crumbled into
I might’ve let them lay”

引用元:Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)「Renegade」歌詞(Genius Lyrics)

タイミングについて、こんな時期に本当に話し合うの?
あなたの苦しみを私にちょうだい
精神的な負担は私に任せて
未来史を作ってよ、今がその時だから
長い道のりを辿ってきたんだから、目を開けて、さぁ顔を見せて
あなたは誰かに助けを求めた最初の裏切り者じゃないわ

“Are you really gonna talk about timing in times like these?
And let all your damage damage me
And carry your baggage up my street
And make me your future history, it’s time
You’ve come a long way, open the blinds, let me see your face
You wouldn’t be the first renegade to need somebody”

引用元:Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)「Renegade」歌詞(Genius Lyrics)

誰か来て、誰でもいいから、誰かの助けが必要なの
タイミングについて、こんな時期に本当に話し合うの?
あなたの苦しみを私にちょうだい
精神的な負担は私に任せて
未来史を作ってよ、今がその時だから
長い道のりを辿ってきたんだから、目を開けて、さぁ顔を見せて
あなたは誰かに助けを求めた最初の裏切り者じゃないわ
“もう少ししっかりしてよ、そうしたらあなたのこと愛せるかも”って言うのはさすがに無神経かな
私に全てを託せないのは、あなたの不安症のせい?
それとも、ただそうしたくないだけ?

“To need somebody, to need somebody, to need somebody, to need
Are you really gonna talk about timing in times like these?
And let all your damage damage me
And carry your baggage up my street
And make me your future history, it’s time
Is it insensitive for me to say “Get your shit together so I can love you?”
You come a long way, open the blinds, let me see your face
You wouldn’t be the first renegade to need somebody
Is it really your anxiety that stops you from giving me everything?
Or do you just not want to?”

引用元:Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)「Renegade」歌詞(Genius Lyrics)

テイラー・スウィフト作品との関係

テイラー・スウィフトが参加したBig Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)の新曲「Renegade」は、精神疾患に苦しむ人との恋愛がテーマである。

Call It What You Wantとの関係

冒頭の歌詞では、テイラー・スウィフトが2017年に発売したアルバム『Reputation』収録の「Call It What You Want」の一文、“きらきらと輝いたあなたの目が、私にとって一番辛い夜を照らしたの”という当時の彼氏との関係性に関する歌詞とリンクしていると考えられる。

“私が部屋の窓を叩いたのは、あなたにとって一番辛い夜だった”

次の一文でのタイミングや時期というのは、コロナ禍というタイミングでのリリースということでもあり、メンタルヘルスの状況を踏まえてこのタイミングで恋愛関係が築けるのかという不安について綴られている。

“タイミングについて、こんな時期に本当に話し合うの?”

主人公は好きという気持ちはありながらも、不安症と闘う男性との恋愛に一歩を踏み出せない気持ちがストレートに表現されている。

“もう少ししっかりしてよ、そうしたらあなたのこと愛せるかも”って言うのはさすがに無神経かな
私に全てを託せないのは、あなたの不安症のせい?
それとも、ただそうしたくないだけ?”

New Year’s Dayとの関係

この一行は、テイラー・スウィフトが2017年にリリースしたアルバム『Reputation』収録の「New Year’s Day」の“タクシーの後部座席であなたは三回私の手を強く握ってきた”という一文と関係していると推測できる。

“私が出て行こうとすると手を強く握ってくるのね”

今やメンタルヘルスは世界的に取り上げられている問題である。

精神的に苦しむのは本人だけでなく、周りの人々もまた苦しみに直面する。

好意を寄せた相手が精神疾患と闘っていたとすれば、その苦しみを自分も背負って乗り越えることができるのか?、という現代の社会問題を等身大な目線で切り取ったのが「Renegade」である。

Renegade作品クレジット

Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)の「Renegade」のクレジットは下記となっている。

プロデューサー:Aaron Dessner
作詞・作曲:Aaron Dessner & Taylor Swift
レーベル:37d03d & Jagjaguwar
リリース日:2021年7月2日

アルバム

2ndアルバム『How Long Do You Think It’s Gonna Last?』

発売日: 2021/8/27
収録曲:
1. Latter Days (feat. Anaïs Mitchell)
2. Reese
3. Phoenix (feat. Fleet Foxes and Anaïs Mitchell)
4. Birch (feat. Taylor Swift)
5. Renegade (feat. Taylor Swift)
6. The Ghost of Cincinnati
7. Hoping Then
8. Mimi (feat. Ilsey)
9. Easy to Sabotage (feat. Naeem)
10. Hutch (feat. Sharon Van Etten, Lisa Hannigan and Shara Nova [My Brightest Diamond])
11. 8:22am (feat. La Force)
12. Magnolia
13. June’s a River (feat. Ben Howard and This Is The Kit)
14. Brycie
15. New Auburn (feat. Anaïs Mitchell)
フォーマット:Mp3、CD、アナログ
Amazonで見る

1stアルバム『Big Red Machine』

発売日: 2018/8/31
フォーマット:Mp3、CD、アナログ、カセット
Amazonで見る

Big Red Machineプロフィール

Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)

“自分たちの楽しみから始めたとDessnerが語るBig Red Machineは、2018年にセルフ・タイトルのデビュー・アルバムをリリース。Dessnerが「構造化された実験主義」と呼ぶこのアルバムは、インプロヴィゼーションから進化し、ライヴで上手く機能するトラックを作るところに焦点があてられた。2019年、VernonがLong Pondを訪れた時、新しいBig Red Machineの素材は形になり始めた。最初の週で「Reese」、「8:22am」、「Latter Days」(Vernon とAnaïs Mitchellが歌うオープナー)といった曲が作られ、「Latter Days」で歌われた子供時代のイノセンスやノスタルジアの損失がアルバム全体を定義するテーマとなった。その後の数ヶ月、二人は可能な限り会い、作業を進めた。パンデミックの初期、Taylor SwiftはDessnerにアプローチし、二人は後に『Folklore』『Evermore』となるコラボレーションをスタートさせた。自ら「creative blur(クリエイティヴ・ブラー/創造的なぼかし)」と表するこの時期、DessnerはSwiftとBig Red Machineの作業を同時に進めていた。「僕にとって非常に成長した時期だった。Taylorとそのプロセスから多くのことを学んだ。そして、未完成だったBig Red Machineの曲を彼女と共有した。Taylorは本当に刺激的で、とてもポジティヴなフィードバックと励ましをくれた。Big Red Machineは自分が行っている他の全てのものと如何に関連しているのか、ということを理解する助けとなったんだ」とDessnerは語る。”

引用元:Big Red Machineバンドプロフィール(Big Nothing)

Big Red Machine代表曲(Youtube)

  • Big Red Machine – Latter Days (feat. Anaïs Mitchell) (Official Lyric Video)
  • Big Red Machine Performs ‘Gratitude’
  • Big Red Machine – The Ghost of Cincinnati (Official Lyric Video)

Big Red Machine関連記事

Big Red Machine(ビッグ・レッド・マシーン)の関連記事について、BELONGではこれまでにTaylor Swiftがアーロン・デスナー、Bon Iverとコラボした『folklore』の考察記事、

ジャスティン・ヴァーノン率いるBon Iver「AUATC」の歌詞和訳、フォークロックの新世代10組の記事ではBon Iverを取り上げている。

Taylor Swift『folklore』

新作『folklore』について、Taylor Swiftのルーツを紐解き、意外なコラボレーションの理由に迫る

Bon Iver歌詞和訳:「AUATC」

Bon Iverが新曲「AUATC」に込めた意味とは?

フォークロックを更新する、新世代バンド10選

フォーク・ロックの新時代を担う10組(Whitney、Big Thief、ROTH BART BARON、Loving、Sundowners、Bright Eyes、Sufjan Stevens、Bon Iver、カート・ヴァイル、Turntable Films)を紹介。

ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
Rio Miyamoto
BELONG Mediaのライター/翻訳。

高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

今まで執筆した記事はこちら