最終更新: 2021年12月18日
2021年の今年もクリスマスの季節になると至る所で耳にするクリスマスソング。
そこで今回は、クリスマスソングの歴史について掘り下げると同時に、おすすめのクリスマスソングのカバー曲にフォーカスを当てて10曲紹介したい。
色褪せることのないクリスマスソングは、カバーされることによって違う一面を見せつつも、年代を超え継承され続けてきた。
宗教の壁を超え、今もなお愛聴されているクリスマスソングの魅力とは?
目次
クリスマスソングとは?
クリスマスソングは、クリスマスシーズンに歌われる楽曲全般のことを指す言葉である。ではそもそも、“クリスマスソング”とは一体何なのか?
クリスマスソングとキャロル
クリスマスソングの歴史を紐解いていくと、元々はキャロルと呼ばれる民謡が派生したもので、宗教的な礼拝などでダンスを踊るための音楽だったとされている。
今はキャロルというと“クリスマス・キャロル”を指すことが多いが、イエス・キリストの生誕を祝う内容の歌詞が主流であった。
現代のクリスマスソングの歌詞は、サンタクロースやプレゼントに関するものを始め、冬の季節感や恋愛などをテーマにした幅広い内容でクリスマスが表現されることが多い。
音楽的な要素としては、トナカイの首に付いている鈴音を想起させるスライベル(ジングルベル)、教会をイメージした鐘の音や聖歌隊などがクリスマスソングによく使用されている。
クリスマスソングおすすめ10曲プレイリスト
2021年のクリスマスソングおすすめ曲を10曲選曲したSpotifyプレイリストを作成したので、ぜひクリスマスのBGMとして楽しんでいただきたい。
Winter Wonderland
オリジナル:フェリックス・バーナード(Felix Bernard)
beabadoobee(ビーバドゥービー)による「Winter Wonderland」のカバー曲。
「Winter Wonderland」はアメリカの作曲家フェリックス・バーナードが原曲で、邦題は「すてきな雪景色」としても知られている。
豪華なオーケストラにウッドベース、そしてベルの音色やコーラス隊が賑やかに音を装飾し、クリスマスの美しい世界観を演出したカバーとなっている。
Wonderful Christmastime
オリジナル:ポール・マッカートニー(Paul McCartney)
Blossoms(ブロッサムズ)「Wonderful Christmastime」はポール・マッカートニーのカバー曲。
原曲のテクノ風のシンセサイザーも忠実に再現されたカバーで、Blossomsの持ち味である陽気なシンセポップが活きたアレンジに仕上がっている。
Santa Baby
Wolf Alice(ウルフ・アリス)による「Santa Baby」はアメリカ人女性シンガーのアーサー・キットのカバー曲で、Spotifyのセッションでレコーディングされた。
シャウトからキュートな歌声まで多彩な声色を操るフロントウーマンのエリー・ロウゼルによるギターの弾き語りで、クリスマスムードに合う優しい歌声は秀逸。
Christmas Time Is Here
オリジナル:Vince Guaraldi Trio(ヴィンス・ガラルディ・トリオ)
Khruangbin(クルアンビン)による「Christmas Time Is Here」のカバー曲。
原曲はアメリカ人ジャズ・ピアニストであるヴィンス・ガラルディの楽曲で、スヌーピーでも知られるアニメ『ピーナッツ』のクリスマスシリーズ『スヌーピーのメリークリスマス』のサウンドトラックとして制作された。
エキゾチックなタイファンクとクリスマスソングの化学反応を堪能していただきたい。
Christmas Waltz
オリジナル:フランク・シナトラ(Frank Sinatra)
Fascinations Grand Chorus(ファシネイションズ・グランド・コーラス)「Christmas Waltz」の原曲はフランク・シナトラ。
今までにThe CarpentersやShe & Himなど、数多くのアーティストによってカバーされてきたクリスマスソングの名曲。
Fascinations Grand Chorusのカバーではジャジーな原曲から一転、60年代のレトロポップな色彩でアレンジされている。
Linus n’ Lucy (Theme from Peanuts)
オリジナル:ヴィンス・ガラルディ・トリオ(Vince Guaraldi Trio)
Ginger Root(ジンジャー・ルート)による「Linus n’ Lucy (Theme from Peanuts)」のカバー曲。
こちらもスヌーピーで知られるアニメ『ピーナッツ』のテーマソングであり、クリスマスソング。
Ginger Rootが得意とする遊び心溢れるローファイなシティポップで、『ピーナッツ』の世界観を独自に表現している。
Amazing Grace
Sufjan Stevens(スフィアン・スティーヴンス)のカバーした「Amazing Grace」は、イギリスの牧師ジョン・ニュートンによって作詞された賛美歌である。
オリジナルの楽曲でもキリスト教の影響を色濃く反映させるSufjan Stevensならではの、キリスト教とアメリカへの愛に溢れたフォーク・カバーとなっている。
Have Yourself a Merry Little Christmas
オリジナル:ジュディ・ガーランド(Judy Garland)
Coldplay(コールドプレイ)による「Have Yourself a Merry Little Christmas」は、BBC Radioのセッションでレコーディングされたカバー曲。
原曲はアメリカ人の女優でありシンガーのジュディ・ガーランド。
フロントマンのクリス・マーティンによる艶やかな歌声とピアノによる弾き語りは、シネマティックなオーケストラが優美な原曲とは異なるクリスマスムードを演出している。
Silent Night
オリジナル:フランツ・クサーヴァー・グルーバー(Franz Xaver Gruber)
キャメロン・アヴェリー(Cameron Avery)による「Silent Night」は、邦題『きよしこの夜』としても知られるクリスマスソング。
Tame Impalaのベーシストとしても知られるキャメロン・アヴェリー。
アコースティックギターと低音の効いた声質の相まったブルージーなアレンジでカバーされている。
Day After Tomorrow
オリジナル:トム・ウェイツ(Tom Waits)
Phoebe Bridgers(フィービー・ブリジャーズ)「Day After Tomorrow」はトム・ウェイツのカバー曲。
トム・ウェイツは2011年にロックの殿堂入りを果たしたアメリカ人シンガーソングライター。
力強い歌声を乗せた原曲のフォークソングから一変、儚さを醸し出す穏やかなカバー曲に仕上がっている。
クリスマスソング2021まとめ
クリスマスソングの成り立ちを始め、2021年版のおすすめ曲を10曲紹介してきたがいかがだっただろうか。今回は紹介した楽曲は全てカバー曲のみで構成したので、気になる曲があれば原曲も合わせてチェックしていただけると、よりクリスマスソングの魅力を感じられるはずだ。
宗教のために作られたクリスマスソングは今や宗教の壁を超え、冬の一時の幸せの象徴として多くの人の耳に届いている。
この寒い季節だからこそ、クリスマスソングを聴いて心に温もりを感じていただけたら幸いだ。
クリスマスソング関連記事
クリスマスソングの関連記事について、BELONGではこれまでにbeabadoobee、Blossoms、Wolf Alice、Khruangbin、Sufjan Stevens、Coldplay、Tame Impala、Phoebe Bridgersを取り上げている。
ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
BELONG Mediaのライター/翻訳。
高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。
13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。
関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。
2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。
2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。
普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。
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