2022年のグラミー賞ノミネーションが発表された。

今回はJapanese Breakfastやアーロ・パークスといった、インディーシーンで躍進を見せる女性アーティストも選出されている。

そこでこの記事では、グラミー賞についてはもちろん、2022年度のグラミー賞にノミネートされたアーティストの中から10曲厳選して紹介している。

1月31日に開催予定だった授賞式は、新型コロナウイルスの影響により無期限延期されることが決定したが、どのアーティストが受賞するのか予想しながら読んでいただきたい。

グラミー賞とは

グラミー賞とは
グラミー賞とは、アメリカのザ・レコーディング・アカデミー(NARAS)が主催する世界最高峰の音楽賞である。

1959年に第一回グラミー賞授賞式が行われた。

アメリカの音楽業界の業績を称える目的で毎年2月に開催され、授賞式の前年にアメリカ国内でリリースされたアーティストや楽曲、さらにはプロデューサーを始めとした音楽に関わる人や物を対象に賞が授与される。

主要4部門として、レコード賞、アルバム賞、楽曲賞、そして新人賞の4つが挙げられ、年によって部門数は異なるが、およそ80前後の部門が存在する。

グラミー賞2022 おすすめ10曲プレイリスト

2022年度のグラミー賞にノミネートされたアーティストの中から、おすすめの10曲をまとめたSpotifyのプレイリストを作成した。

どのアーティストが受賞するのか予想しながら聴いていただきたい。

drivers license

アーティスト名・曲名:オリヴィア・ロドリゴ「drivers license」
グラミー賞ノミネート部門:レコード賞、楽曲賞、年間最優秀アルバム賞、新人賞、ポップ・ソロ賞、ポップ・アルバム賞、ミュージック・ビデオ賞

今回のグラミー賞の最有力候補の一人である、アメリカ人シンガーのオリヴィア・ロドリゴ。

ディズニープラスの『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』への出演など、女優としての顔も持つ。

「drivers license」は、ストーリーテラーかのような物語性の高い歌詞を壮大で豊かなメロディーに乗せたポップソング。

Leave The Door Open

アーティスト名・曲名:Silk Sonic「Leave The Door Open」
グラミー賞ノミネート部門:レコード賞、楽曲賞、R&B歌唱賞、R&B楽曲賞

ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるネオソウル・デュオ、Silk Sonic(シルク・ソニック)。

「Leave The Door Open」は、70年代のクラシックなソウルを踏襲すると同時に、ブルーノ・マーズのポップセンスとアンダーソン・パークによるグルーヴィーなドラムにより、幅広い層のリスナーに響くモダンなネオソウルを体現した一曲。

Happier Than Ever

アーティスト名・曲名:ビリー・アイリッシュ「Happier Than Ever」
グラミー賞ノミネート部門:レコード賞、楽曲賞、年間最優秀アルバム賞、ポップ・ソロ賞、ポップ・アルバム賞、ミュージック・ビデオ賞

グラミー賞史上最年少で主要4部門を受賞した経験のあるビリー・アイリッシュ。

「Happier Than Ever」は、アコースティック・ギターとウィスパーボイスで奏でるバラードから一変、ディストーションの効いたドラムとエレキギターへと展開するアレンジが秀逸な一曲。

Willow

アーティスト名・曲名:テイラー・スイフト「Willow」
グラミー賞ノミネート部門:年間最優秀アルバム賞

今までに年間最優秀アルバム賞を含む11もの賞を受賞してきたテイラー・スイフト。

「Willow」は前作『folklore』に引き続き、フォーク・ミュージックの伝統を継承しつつも、王道のポップなメロディーセンスで敷居の高いフォーク・ミュージックの入り口を拡張することに成功した一曲。

Be Sweet

アーティスト名・曲名:Japanese Breakfast「Be Sweet」
グラミー賞ノミネート部門:新人賞、オルタナティブ・アルバム賞

アメリカ人SSWのミシェル・ザウナーによるソロプロジェクト、Japanese Breakfast(ジャパニーズ・ブレックファスト)。

Wild Nothingのジャック・テイタムとの共作曲「Be Sweet」は、80年代の影響を感じるサウンドメイキングに加えて、ダンサブルなドラムとシンセの装飾が光る一曲。

Pay Your Way In Pain

アーティスト名・曲名:St. Vincent「Pay Your Way In Pain」
グラミー賞ノミネート部門:オルタナティブ・アルバム賞

最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバムを受賞した経験のある、アニー・クラークによるプロジェクト、St. Vincent(セイント・ヴィンセント)。

7作目となるアルバム『Daddy’s Home』に収録されている「Pay Your Way In Pain」はデヴィッド・ボウイを彷彿とさせるエクスペリメンタルなポップと、女性目線ならではの社会的な歌詞が印象深い一曲。

Eugene

アーティスト名・曲名:アーロ・パークス「Eugene」
グラミー賞ノミネート部門:新人賞、オルタナティブ・アルバム賞

マーキュリー・プライズを受賞したサウス・ロンドン出身のSSW、アーロ・パークス。

「Eugene」は甘美なメロディーで奏でられるネオソウルに、詩人ならではの叙情的な歌詞が織り交ぜられた一曲。

Red Room

アーティスト名・曲名:Hiatus Kaiyote「Red Room」
グラミー賞ノミネート部門:プログレッシブ・R&Bアルバム賞

メルボルン出身のネオソウル・バンド、Hiatus Kaiyote(ハイエイタス・カイヨーテ)。

6年ぶりとなったアルバム『Mood Valiant』に収録されている「Red Room」は、音数の少なさとは対照的に、実験的な音の構築によって音の充足感が生まれたHiatus Kaiyoteならではの一曲。

Know You Better(Live)

アーティスト名・曲名:Black Pumas「Know You Better – Live from Capitol Studio A」
グラミー賞ノミネート部門:ロック・パフォーマンス賞・ロック・アルバム賞

エリック・バートンとプロデューサーのエイドリアン・ケサダによる、テキサス出身のネオソウル・バンド、Black Pumas(ブラック・ピューマズ)。

「Know You Better – Live from Capitol Studio A」は、フランク・シナトラやThe Beach Boysを始めとする歴代のアーティストが使用してきたロサンゼルスのキャピトル・スタジオでのライブ音源。

エリック・バートンによる圧巻の歌声が、ライブの躍動感そのままにパッキングされたライブ音源となっている。

I Don’t Wanna Talk

アーティスト名・曲名:Glass Animals「I Don’t Wanna Talk (I Just Wanna Dance)」
グラミー賞ノミネート部門:新人賞

最優秀新人賞にノミネートされた経歴を持つ、イギリスのサイケデリック・バンド、Glass Animals(グラス・アニマルズ)。

「I Don’t Wanna Talk (I Just Wanna Dance)」はアップビートなドラムとサイケデリックなシンセサイザーが織りなすディスコ・チューン。

延期となったグラミー賞2022まとめ

グラミー賞2022
惜しくも延期となった2022年のグラミー賞にノミネートされたアーティストの楽曲を10曲紹介してきたがいかがだっただろうか。

ビリー・アイリッシュに並び、最年少で主要4部門制覇を狙うオリヴィア・ロドリゴを始め、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによるSilk Sonicといったいわゆるメジャーアーティストの躍進だけでなく、

Japanese Breakfastやアーロ・パークスなどのインディーシーンで飛躍を遂げている女性アーティストがノミネートされたことをとても嬉しく思う。

グラミー賞には約80もの部門が存在するため、今回紹介してきた楽曲の他にも多くのアーティストや楽曲がノミネートされている。

今回のグラミー賞を通して2021年の音楽を振り返るとともに、新たなアーティストに出会うきっかけとなれば幸いである。

グラミー賞関連記事

グラミー賞の関連記事について、BELONGではこれまでに​2021年のグラミー賞について、2022年にノミネートしたSilk Sonic、ビリー・アイリッシュ、テイラー・スイフト、Japanese Breakfast、St. Vincent、アーロ・パークス、Hiatus Kaiyote、Black Pumasを取り上げている。

  • Silk Sonic
  • ビリー・アイリッシュ
  • テイラー・スイフト
  • Japanese Breakfast
  • St. Vincent
  • アーロ・パークス
  • Hiatus Kaiyote
  • Black Pumas
  • ライター:Rio Miyamoto(Red Apple)
    Rio Miyamoto
    BELONG Mediaのライター/翻訳。

    高校卒業後18歳から23歳までアメリカのボストンへ留学し、大学ではインターナショナルビジネスを専攻。

    13歳よりギター、ドラム、ベースを始める。

    関西を拠点に活動するサイケデリック・バンド、Daisy Jaine(デイジー・ジェイン)でボーカル/ギターと作詞作曲を担当。

    2017年10月、全国流通作品である1st EP『Under the Sun』をDead Funny Recordsよりリリース。

    2021年2月、J-WAVEのSONAR MUSICへゲスト出演。

    普段はサイケデリック、ソウル、ロカビリーやカントリーを愛聴。趣味は写真撮影、ファッション、映画鑑賞。

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