最終更新: 2025年3月2日
“完全にオリジナルな曲を作りたい”と思ったことはないだろうか。
しかし、音楽の歴史を紐解くと、すべての名曲は何かしらの影響を受けている。
実は、オリジナリティとは無から生まれるものではなく、先人の積み重ねた知恵や技術を“編集”することから生まれるのだ。
前回は、オリジナリティの定義とよくある誤解について解説した。
今回は、より具体的に“編集”がいかにして独自性を生み出すのかを、音楽史に残る偉大なアーティストたちの例を交えながら掘り下げていこう。
記事中盤以降の有料部分では、現在公開中の映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』の主人公、ボブ・ディランの編集の事例を交えた、具体的なアプローチを紹介しているので、是非、チェックして欲しい。
模倣から始まるオリジナリティ
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ビートルズは、デビュー前からエルヴィス・プレスリーやチャック・ベリーなど、当時人気だったロックンロールの曲をコピーして演奏していた。
彼らの初期の楽曲「Please Please Me」は、ロイ・オービソンの影響を強く受けている。
しかし、彼らはただ模倣するだけでなく、自分たちなりの要素として、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの独特なハーモニーやジョージ・ハリソンのギターフレーズを加えることで、徐々に“ビートルズサウンド”を確立していった。
彼らが真に革新的になったのは、「Rubber Soul」や「Revolver」、そして「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」といった後期の作品だ。
インド音楽やクラシック、前衛音楽など様々なジャンルの要素を取り入れ、それらを巧みに“編集”することで、それまでにない音楽を創り出した。
重要なのは、彼らが最初から革新的だったわけではないということだ。
模倣から始まり、徐々に自分たちの個性を見出していったのである。
“編集”がもたらす独自性
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また、“編集”がもたらす独自性について、少し角度を変え、ヒップホップの歴史的名曲「Rapper’s Delight」を例に考えてみたい。
The Sugarhill Gangによるこの曲は、ディスコグループ、Chicの「Good Times」のベースラインとドラムパターンを使用している。
しかし、そこにラップというまったく新しい要素を加えることで、ヒップホップという新たな音楽ジャンルの幕開けとなった。
これは単なる“借用”ではなく、創造的な“編集”の好例である。
既存の音楽要素を別の文脈に置き、新たな意味を与えることで、オリジナリティが生まれたのである。
では、アーティストであるあなたや、レーベルに所属しているスタッフとして関わっているアーティストが“編集”を通じてオリジナリティを獲得するには、どうすればいいのだろうか?
ここから先は最近、公開された映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』がとても良かったので、ボブ・ディランの事例を交えて、具体的なアプローチを紹介していきたい。
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この機会に加入していただき、“編集”から生まれるオリジナリティの秘密や知られざる音楽ビジネスの裏側について知っていただきたい。
それではボブ・ディランと“編集”をテーマに、オリジナリティの正体について、深く迫っていきたい。
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