最終更新: 2025年4月13日

こんにちは。BELONG編集部のTomohiro Yabeです。

このコラムは“世の中にインディー音楽家として活動していく知識やノウハウがいかに少ないか”ということがきっかけでスタートし、彼らが“プロインディー”になることを目指し、少しでも長く活動してもらうことを目標に知識や具体的なノウハウを伝えてきた。

以前、元メジャーレーベル担当のまりりんにご協力いただき、“メジャーに合うバンド、合わないバンド”や“デモテープの重要性”といったテーマでお届けしたコラムを覚えていらっしゃるだろうか?

ありがたいことに、多くの“プロインディー”を目指すバンドの皆さんから反響をいただいた。

その中で、“具体的にどうやって活動を広げていけばいいのか”“今の時代、どんなツールを使えばファンに届くのか”といった声も多く寄せられた。

特に、目まぐるしく変化するデジタル環境の中で、SNSや音楽配信サービスをどう活用すればキャリアに繋がるのか、悩んでいるバンドは少なくないようだ。

そこで、今回から新シリーズとして“プロインディー”のためのデジタル戦略:まりりんと紐解く5つのプラットフォーム活用術をスタートする!

このシリーズでは、プロのインディーバンドとして自律的な活動を目指す皆さんが、現代の音楽活動に不可欠な主要デジタルプラットフォーム – X (旧Twitter), Instagram, TikTok, YouTube, Spotify – を効果的に活用し、

ファンベースの構築、ブランディング、そして最終的にはキャリアの成功に繋げるための具体的な方法を、再びまりりんと一緒に深掘りしていく。

テキスト:Tomohiro Yabe 使用ツール:Claude、Gemini、genspark 編集:Tomohiro Yabe

このシリーズのガイド役:まりりんとは?

クレジット:BOYS AGE

今回の連載でも、強力なガイド役としてまりりんを迎える。

まりりんは、下北沢のライブハウスDaisyBarでのアルバイトから音楽業界でのキャリアをスタートさせ、大手レコード会社の新人発掘部門を経て、メジャーレーベルでバンドのプロモーションを担当。

数々のアーティストを間近で見てきた経験を持っている。現在は音楽業界を離れ、撮影スタジオで勤務しているが、その多角的な視点は、今の時代のバンド活動を考える上で非常に貴重である。

今回のシリーズでは、まりりんのメジャーレーベルでの経験、特に各プラットフォームをレーベルがどう捉え、活用していたか、インディーバンドが陥りがちな罠、そして現在の映像業界での知見などを踏まえ、単なる機能紹介にとどまらない、“プロインディー”として成功するための実践的なデジタル戦略を紐解いていく。

なぜ今、“プロインディー”にデジタル戦略が必要なのか?

クレジット:pexels

“いい曲を作って、いいライブをしていれば、いつか誰かが見つけてくれる”

そう信じたい気持ちは、音楽を愛する者なら誰しもが持っているだろう。しかし、残念ながら現代の音楽シーンは、それだけでは成功が難しい時代になっている。

CDからサブスクリプションへ、マスメディアからSNSへ。

音楽の聴かれ方、情報収集の方法は劇的に変化した。ファンは、もはや受け身で音楽を待っているだけではない。

自ら探し、発見し、そしてアーティストと直接繋がることを求めている。

このような時代において、X、Instagram、TikTok、YouTube、Spotifyといったデジタルプラットフォームは、単なる“宣伝ツール”ではない。

それは、ファンと出会い、関係性を築き、自分たちの音楽と世界観を届け、活動を継続していくための“活動拠点”そのものなのである。

メジャーレーベルに所属せず、自分たちの力で道を切り拓こうとする“プロインディー”にとって、これらのプラットフォームを戦略的に活用するスキルは、音楽性や演奏力と同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に重要な“武器”と言えるかもしれない。

過去コラムとの接続:“ビジネス視点”“バランス感覚”“変化への対応力”

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クレジット:pexels

以前のコラムで、まりりんはメジャーで成功するバンドの資質として“ビジネス視点”“バランス感覚(こだわりと割り切り)”“変化への対応力”の重要性を挙げていた。

これらの要素は、実はデジタルプラットフォームの活用においても、そのまま当てはまる。

ビジネス視点: 各プラットフォームを“なんとなく”使うのではなく、目的(ファン獲得、ブランディング、収益化など)を明確にし、効果測定を行いながら戦略的に運用する。

バランス感覚: 自分たちの表現したい音楽性や世界観(こだわり)と、各プラットフォームのユーザー特性やアルゴリズム(割り切り/適応)の間で、最適なバランスを見つける。

変化への対応力: 新機能の登場、トレンドの変化、アルゴリズムの変更などに常にアンテナを張り、柔軟に戦略をアップデートしていく。

この連載を通じて、これらの抽象的な概念を、具体的なプラットフォーム活用の実践レベルに落とし込んで解説していく。

まりりんの視点(予告編):常に“動いている”ことの重要性

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クレジット:pexels

今回の連載で、まりりんが繰り返し強調していたことの一つが、“常にバンドが『動いている』ように見せること”の重要性である。

これは、単に頻繁に投稿するという意味だけではない。ライブ告知やリリース情報だけでなく、レコーディング風景、練習スタジオでの一コマ、メンバーの日常、他のバンドとの交流など、“今、このバンドは確かに活動しているんだ”という体温を感じさせる情報を、適切なプラットフォームで発信し続けること。

まりりんは、レーベル時代に担当バンドのアカウントで“今日は撮影してます”“〇〇(先輩バンド)のライブに行ってきました!”といった投稿を戦略的に行っていたそうである。

それは、ファンに安心感を与え、親近感を育み、次のアクションへの期待感を醸成するため。

このような“見せ方”の工夫や、各プラットフォームの特性を活かした戦略的な情報発信のヒントが、この連載には満載である。ご期待ください。

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