最終更新: 2025年6月16日
オーストラリア・シドニー出身のSSW、ヘイゼル・イングリッシュ(Hazel English)。
2017年の編集盤EP『Just Give In / Never Going Home』のリリースで日本デビューを飾って以来、
2018年3月には初の来日公演も実現し、2020年には待望のデビューアルバム『Wake UP!』をリリース。
昨年2024年には、2023年に発表した4枚目のシングルと2022年に発表したEP『Summer Nights』を編纂した新作EP『Real Life』をリリースした。
そして今回はその『Real Life』が日本で、世界初のCDとLPでリリースされるとともに8年ぶりの来日ツアーが行われる。
個人的にインディー・ポップ/ドリーム・ポップシーンにおけるお気に入りアーティストのひとりで特に熱心にその活動を追ってきた。
特筆すべき色彩豊かで流麗なメロディとどこか懐かしさの感じる温かみのあるサウンド、歌声。心地良さと切なさを演出し、聴くものの心を揺さぶり、陶酔させる。
ヘイゼル・イングリッシュの曲はいつだってありのままで、いつわりや飾りがない。なにか葛藤やジレンマを抱えていたって聴くと心がリセットされ、爽やかでいられる。
こちらのインタビューでは改めて彼女のキャリアを振り返り、その音楽のルーツを探りつつ、『Real Life』についてや作品におけるベストパートナーであるDay Waveとの出会い、そしてアナログレコードリリースについてなど幅広く話を伺っている。
ヘイゼル・イングリッシュの原点
アーティスト:ヘイゼル・イングリッシュ インタビュアー:滝田優樹 翻訳・編集・校正:BELONG Media / A-indie
滝田優樹:私たちはアーティストのルーツや音楽がうまれた背景、そして影響を受けた音楽・文化・芸術を大切にしているメディアです。今回私たちとははじめてのインタビューなのでまずはあなた自身のことからお聞きすることで読者にもあなたの魅力を知ってもらいたいです。メルボルン出身であると思いますが、地元であるメルボルンではどのような幼少期を過ごしてどのような暮らしをしていたのでしょうか。
ヘイゼル・イングリッシュ:私はシドニー出身だけど、メルボルンにも数年住んでいたの。ビーチのそばで育ったから、美しい場所に住むことができてとてもラッキーだったし、自分の創造性を探求したり、いろんな楽器を習ったり、情熱を育むのを応援してもらえる環境に恵まれていたわね。
言葉から始まった音楽
滝田優樹:音楽家としての活動をはじめる前はクリエイティブライティングの勉強をしていたそうですね。実際にそこではどのようなことを学んでいたのでしょうか。そこでの経験が今のあなたの音楽にどのような影響を与えているのかも知りたいです。
ヘイゼル・イングリッシュ:ええ、そうなの。私はずっと自分のことを、何よりもまず“ライター”だと考えてきた。それが私の曲作りに影響していて、特に曲の中に物語を作って、それを映画みたいに感じさせたいっていうところに表れているかな。私はいつも歌を、時間の小さなスナップショットみたいに捉えていて、歌詞とメロディーを通して感情を呼び起こすのが好きなんだ。でもそれは、私が書く小説や詩みたいな他の種類の執筆とはまた違うものなのよね。
オープンマイクで磨いた表現力
滝田優樹:その後はオークランドに移住して、オープンマイクや地元のパフォーマーとのパフォーマンスから音楽家としての活動を始められましたよね?オークランドへの移住を決意された理由やオープンマイクや地元のパフォーマーとのパフォーマンスはどのようなものだったのか覚えていたら教えて欲しいです。
ヘイゼル・イングリッシュ:オークランドには住んだことはないの。サンフランシスコに引っ越して、オープンマイクにたくさん出たり、街中で演奏したりはしたわ。それが経験を積むのにも役立ったし、人前で演奏することにも慣れていった感じ。あと、そうやって他のミュージシャンと繋がって、コミュニティを作るのも楽しかったわね。
運命的な出会いとコラボレーション
滝田優樹:あなたの音楽家としての活動の転機は、当時働いていた書店でDay Waveのジャクソン・フィリップスと出会ったことだと思います。デビュー時から最新作『Real Life』までDay Waveはあなたの作品に非常に濃く関わりをもっているため、そんな彼との出会いとどのようにこれまで関わってきたのかやどのようにあなたの音楽に影響を与えたのかなど詳しく教えてくれるとありがたいです。
ヘイゼル・イングリッシュ:ええ、二人ともベイエリアに住んでいたころ、私がオークランドの書店で働いているときに出会って、そのすぐ後に一緒に音楽を作り始めたんだ。本当に運命的な出会いが、すごく実りのあるコラボレーションに繋がったと言えるし、今でもよく一緒に仕事をしているよ。彼はいろんな面で私に影響を与えてくれたけど、主にメンターとして、そして友人としてね。頭の中にたくさんのメロディーが浮かんでいる時、彼は私のベストなアイデアを研ぎ澄ますのを手伝ってくれる。私の混乱を整理して、それを簡潔な形にしてくれる感じなの。
自身の音楽性を語る
滝田優樹:過去のインタビューなどではご自身の音楽を“インディーポップ”だと断言されていました。私自身それに対して同意しているのですが、そこには前述のThe CarpentersとABBAやBee Geesなど過去の王道のポップミュージックの要素も含まれています。そしてその要素は時にノスタルジックに時に新しく聴こえていることで、世代を問わず聴き手の耳に感動を与えていると推測しています。今でも自身の音楽は“インディーポップ”だという認識から変わりないようであれば、あなたの“インディーポップ”の他にどのような音楽的要素やまた違った側面があるか、説明することはできますか? もしくはあなたのことを知らない人にあなたは自分のことをどのようなアーティストだと説明しますか?
ヘイゼル・イングリッシュ:正直なところ、自分の音楽をどう説明したらいいのか、いつもよくわからない。聴いてくれた人が、それぞれに判断してくれるのが一番いいと思ってる。たぶん“ドリームポップ”に近いのかもしれないけど、みんながそのジャンルを知っているわけじゃないから、“インディーポップ”も使えるかなって。私は、聴く人を別の場所に連れて行ってくれるような曲を作るのが好きで、現実逃避できるカプセルみたいなものなのよね。
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