最終更新: 2025年6月16日
新作『Real Life』の自然な誕生
滝田優樹:今作にもDay Waveが参加されていますが、今作において彼とはどのような話し合いや展望をもって制作を進められていたのでしょうか。特に前作『Wake UP!』とはまた雰囲気が異なって、『Just Give In/Never Going Home』の爽やかなギターポップが主軸の雰囲気に似たものを感じています。
ヘイゼル・イングリッシュ:曲を作る前に、特にたくさん話し合ったりはしなかった。アルバムにするつもりもなくて、ちょっと休んだ後にまた曲作りを始めたら、いつの間にかアルバムができるくらいの曲数ができていたっていう感じ。曲は、それを作った時期を反映して、自然とまとまっていったのよね。
次作への橋渡し
滝田優樹:今作は4枚目のシングルと2022年に発表したEP『Summer Nights』を編集したダブルEPとなっています。デビューEPである『Just Give In/Never Going Home』も同じ形式でのリリースになっていました。『Just Give In/Never Going Home』はその後のフル・アルバムとしては『Wake UP!』の橋渡し的な役割を持っていたと思いますが、今回の『Real Life』も次のフルアルバムへの橋渡し的な作品であるのでしょうか。であれば次回のフルアルバムがどのような作品になりそうか気になります。
ヘイゼル・イングリッシュ:たくさんの新しい音楽に取り組んでいるし、ええ、それが次の作品への橋渡しみたいなものだと思う。何事も常に次の作品に繋がっていくものだから。これらの新しい曲がどんな形になるかはまだ考えているところだけど、近いうちにいくつか発表できたらいいなと楽しみにしているよ。
アルバムを象徴する一曲
滝田優樹:今回のアルバムであなた自身のブレイクスルーとなった楽曲、もしくは最も変化や進化を感じさせる楽曲はどれですか?
ヘイゼル・イングリッシュ:「Hamilton」だと思う。『Real Life』の中で一番ユニークな曲、というか、私が本当に違うことに挑戦してみたのは「Hamilton」だと思う。ちょっと実験してみたかったのよね。今までトーキング・シング(語るように歌うスタイル)を取り入れた曲を作ったことがなかったから、純粋に楽しみながら作ってみたよ。
日本での特別なリリースとアナログレコードへの想い
滝田優樹:CDとアナログレコードが世界で初めて日本で発売されることもあり、聞きたいのですが、『Real Life』のような流麗なメロディーと色彩豊かなギターサウンドが鳴らされた作品を特にアナログレコードで聴くとまた違った感動を得られるのではないかということです。今回、アナログが世界で初めて日本で発売されることについてあなたの感想が知りたいです。そしてアナログレコードで作品がリリースされるというアイデアはあなた発信のものなのでしょうか。
ヘイゼル・イングリッシュ:P-Vineと一緒に、日本で独占的にアナログ盤をリリースできるなんて、すごくエキサイティング! P-Vineは本当に素晴らしい仕事仲間よ。アナログ盤のパッケージングの仕方も大好きで、すごくクールだしコレクターズアイテムって感じがする。自分の作品をアナログ盤で出せるのは本当にラッキーだと思う。だって、より意識的で、フィジカルな、違った聴き方ができるよね。
フィジカルで聴く音楽体験
滝田優樹:また、あなた自身のアナログレコードとの関係についても教えてください。普段からアナログレコードで音楽を聴くことはあるのでしょうか。デジタル音源をストリーミングサービスで音楽を聴くことが主流になっている今だからこそアーティスト側も音楽の届け方も変わってきていて、アナログレコードで音楽を聴くことは貴重な音楽体験になるかと思います。それに対して何かメッセージを頂けますか?
ヘイゼル・イングリッシュ:ええ、私はこだわりのアナログレコードコレクションを持っていて、本当に音楽に集中したい時とか、友達が遊びに来た時なんかに聴くのを楽しんでいるよ。
リスナーへのメッセージ
滝田優樹:『Real Life』をどのような人に聴いてほしいですか? もしくはどのようなシチュエーションで聴いてほしいですか? 歌詞やサウンド面で特に注目して欲しいポイントがあれば教えてください。
ヘイゼル・イングリッシュ:『Real Life』は、いろんなタイプの人に気に入ってもらえると思う。ロードトリップの時とか、家で寝る前に、夕暮れ時に、朝の散歩中に、料理しながら、本当にどんな時でも聴いてほしいな!
滝田優樹:あなたの音楽が大好きな日本の音楽ファンも多いです。なので、最後に日本のリスナーにメッセージを頂けますか?
ヘイゼル・イングリッシュ:聴いてくれて、応援してくれて本当にありがとう!来月の日本ツアーでみんなに会えるのを楽しみにしているわ すっごくワクワクしてる!
Hazel Englishアルバムリリース
アルバム『Real Life』
発売日: CD:2025年5月21日 / LP:2025年6月18日
収録曲:
1. Nine Stories
2. Summer Nights
3. All Dressed Up feat. Day Wave
4. When You’re Around
5. Blue Light
6. Heartbreaker
7. Real Life
8. Jesse feat. Day Wave
9. Goner
10. River Town
11. Hamilton
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Hazel Englishプロフィール
オーストラリア・シドニー出身のシンガー/ギタリスト。2013年にカリフォルニアのベイエリアへ拠点を移し、音楽活動を本格化させた。ドリームポップ、ジャングリーなフォークロック、インディーポップの要素を融合した楽曲が特徴である。書店で出会ったDay Waveのジャクソン・フィリップスとの共同作業がきっかけで注目を集め、2016年にEP『Never Going Home』でデビュー。RideやField Musicなどの前座を務めキャリアを重ね、2020年にはプロデューサーにジャスティン・ライゼンやベン・H・アレンを迎えた初のスタジオ・アルバム『Wake UP!』をリリースした。
Hazel English ライブ情報
イベント名:Hazel English Japan Tour 2025
日時・会場・共演:
6月18日(水)名古屋・新栄 Partyʼz w/ Gofish
6月19日(木)京都 Urbanguild w/ bed
6月20日(金)大阪 Pangea w/ 揺らぎ
6月22日(日)東京・恵比寿 Kata w/ TV not January, Alborg
6月23日(月)東京・新代田 Fever w/ 浮
開場・開演:19:00 / 19:30 (※6/22のみ17:30開場・18:00開演)
チケット:
前売り 7,000円・当日 8,000円(オールスタンディング・ドリンク代別)
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ライター:滝田優樹
1991年生まれ、北海道苫小牧市出身のフリーライター。TEAM NACSと同じ大学を卒業した後、音楽の専門学校へ入学しライターコースを専攻。
そこで3冊もの音楽フリーペーパーを制作し、アーティストへのインタビューから編集までを行う。
その経歴を活かしてフリーペーパーとWeb媒体を持つクロス音楽メディア会社に就職、そこではレビュー記事執筆と編集、営業を経験。
退職後は某大型レコードショップ店員へと転職して、自社媒体でのディスクレビュー記事も執筆する。
それをきっかけにフリーランスの音楽ライターとしての活動を開始。現在は、地元苫小牧での野外音楽フェス開催を夢みるサラリーマン兼音楽ライター。
猫と映画鑑賞、読書を好む。小松菜奈とカレー&ビリヤニ探訪はライフスタイル。
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Twitter:@takita_funky