最終更新: 2025年6月25日
ニューヨーク・ブルックリンを拠点とするLathe of Heaven(レイス・オブ・ヘブン)が、2025年8月29日に2ndフルアルバム『Aurora』をリリースすることを発表した。
同バンドは2021年に結成され、ポストパンクとニューウェーブの境界を押し広げる革新的なサウンドで注目を集めている。
Lathe of Heavenとは

バンドメンバーは、People’s Temple、Porvenir Oscuro、Pawns、Android、Hustlerなど、ブルックリンの数多くの注目すべきプロジェクトに参加した経験を持つ。
彼らは2023年には1stフルアルバム『Bound By Naked Skies』をリリース。
この11曲入りのアルバムは、イギリスのニューウェーブとフィンランドのポストパンクの要素を巧みに融合させ、高く評価された。
SF文学からの深い影響
Lathe of Heavenの創作活動は、アーサー・C・クラーク、オクタヴィア・バトラー、ケン・リウ、そしてアーシュラ・K・ル=グウィンといったSF作家たちの不可思議な世界観に強く影響を受けている。
バンド名自体も、ル=グウィンの小説から取られたものだ。
新作『Aurora』においても、この文学的な影響は色濃く反映されている。
アルバムは”SFショートストーリー集”として構想され、反植民地主義、多様性、平等といった重厚なテーマが歌詞に込められている。
ル=グウィン、バトラー、グレッグ・イーガン、ピーター・ワッツの小説群からインスピレーションを得たこれらの物語は、聴き手を深い思索の世界へと誘う。
新作アルバム『Aurora』の詳細
音楽的進化と制作背景
『Aurora』は、Lathe of Heavenの音楽的・主題的なパレットを大胆に拡張した作品として位置づけられる。
単一のトーンやムードに従うのではなく、各楽曲が異なるレンズを通してバンドの進化するサウンドと深く内省的な歌詞を提示する、鮮やかで感情的な短編小説のような構成となっている。
アルバムは80年代半ばのイギリスとフィンランドのポストパンクからの影響に、90年代と現代のアンダーグラウンドポップの微妙なニュアンスを組み合わせた。
これまで未開拓だったLathe of Heavenのサウンドの新たな側面を提示し、パンクのルーツと魅力的なニューウェーブ、80年代ポストパンクの美学の繊細なバランスを実現している。
制作面では、Ben GreenbergがCircular Ruinでレコーディングを担当し、Brad Boatrightがマスタリングを手がけた。
音楽的にはThe Cureのメロディックロック、Musta Paraatiのゴシックポストパンクシンセと激しいドラミング、A Flock of Seagullsのアートポップボーカルとギターリフからインスピレーションを得ている。
収録楽曲とハイライト
アルバムには11曲が収録されており、タイトルトラック「Aurora」が先行シングルとして既にリリースされている。
この楽曲は、核汚染により地球が長い間放棄された絶望的な未来を舞台とし、アーサー・C・クラークの短編小説『もしも君を忘れたら、おお地球よ…』からインスピレーションを得ている。
世界の終わりにおける喪失、愛、献身のテーマを探求した楽曲となっている。
リリース情報とフォーマット
『Aurora』は2025年8月29日にSacred Bones Recordsからリリースされる。
Sacred Bones限定の”Slipstream”ボーンホワイトスプラッター・オン・シーブルーヴァイナル、限定のHyperion Blueヴァイナル、CD、限定のカセットテープなど、複数のフォーマットで展開される。
バンドは”恐れることなく夢なき忘却へと震えよ”というメッセージとともに、『Aurora』でその地位を確立しようとしている。
この新作は、Lathe of Heavenが到達した新たな創造的高みを示す作品として、多くの音楽ファンに深い印象を与えることは間違いない。
『Aurora』
収録曲:
1. 「Exodus」
2. 「Aurora」
3. 「Portrait of a Scorched-Earth」
4. 「Just Beyond the Reach of Light」
5. 「Oblivion」
6. 「Kaleidoscope」
7. 「Matrix of Control」
8. 「Catatonia」
9. 「Infinity’s Kiss」
10. 「Automation Bias」
11. 「Rorschach」
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Lathe of Heaven – Aurora (Official Video)
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ライター:Tomohiro Yabe(yabori)
BELONG Media/A-indieの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻
これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。
過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。
それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。
現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。
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Twitter:@boriboriyabori