最終更新: 2025年12月13日
“どんな音楽?”と聞かれて、一言で答えるのが難しいバンドがいる。
札幌発のthe hatch(ザ・ハッチ)は、まさにそんなバンドだ。
激しいハードコアかと思えば、美しいピアノが鳴り響き、ラテンのリズムが体を揺らす。
新作『333』は、そんな彼らの混沌が最もポップに、そして美しく結晶化したアルバムとなった。
キーボードを自販機に置いて帰った過去から、徹夜続きのミックス作業まで。
予測不能なサウンドの裏側にある、意外と人間臭いストーリーを彼らを追い続けてきたまりりんが、メンバー5人に聞いた。
また、インタビュー後編として、バンドメンバーが影響を受けた音楽やカルチャー、料理などについて、一部有料の内容で12月25日に公開予定!
アーティスト:山田碧、宮崎良研、ザキヤマ、岩崎隆太郎、安齋草一郎 インタビュアー:まりりん 編集・校正:BELONG Media / A-indie
the hatch『333』インタビュー前半
札幌のメタルサークルから始まった the hatch の軌跡

バンド名の由来と結成の経緯
-まりりん:BELONG Mediaで取材させていただくのが初めてだと思うので、バンドの結成当初からお話を聴かせていただけますか。では、the hatchというバンド名の由来と、結成の経緯から教えてください。
山田碧:結成の経緯はザキヤマ(山崎健人)しか知らないね。実はオリジナルメンバーはザキヤマしかいないので。
山崎健人:そうです。
山田碧:札幌で悪い意味で有名な大学があって……
山崎健人:超有名な(笑)。
山田碧:そこでこの2人(山崎と宮崎)が同じメタルサークルの先輩後輩で。ザキヤマが一個上の先輩で。ザキヤマが始めた普通のサークルバンドみたいな感じだったんだよね。
山崎健人:最初はね。
山田碧:その時からthe hatchだったんだよね?
山崎健人:そうだね。前のメンバーが抜けて(宮崎)良研が入って。その時、3ピースで俺ベースボーカルだったんですよ。それでピンボーカル入れたいねってなった時に、良研が碧(山田碧)と出会って、碧といっぱい遊んでたら、大学まで遊びに来てて。
山田碧:そう、そこに自分が入り浸ってて。そこの大学生じゃないのに。
山崎健人:サークルに入り浸ってて。で、一緒にライブ……何だっけ?
山田碧:志人かな?
山崎健人:ラッパーの志人が来たライブを見に行って。で、“楽器できる?”って聞いたら“トロンボーンなら吹ける”って言うから、“じゃあ一緒にバンドやろう”って。大学卒業の時にりゅーさん(岩崎隆太郎)がヘルプでドラムやるよってことで、その4人編成になって。で、去年の6月に碧から電話が来て、“そうちゃん(安齋草一郎)をメンバーに入れたい”ってことで、今の5人になりました。
山田碧:最初は楽器を捨てて帰ってたんですよ。最初のライブにキーボードを持ってきたんですけど、2回ぐらいキーボードとトロンボーンとボーカルでやって。で、2回目のライブでキーボードを歩いて持ってくるのが面倒くさすぎて、札幌のパルコ近くの自販機の上に乗せてそのまま帰りました。そこから3年ぐらいピンボーカルでやってて。1st(『Opaque Age』)出てからキーボードが必要だなってことで買いました。
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