最終更新: 2025年12月13日
アルバムごとに変わる制作スタイル
セッションからエディットへの進化
-まりりん:1枚目のアルバム『Opaque Age』を作る時に、制作スタイルが固まってきた感じですか?
山田碧:いや、毎回変わってるから、そんなに固まってないかもね。1stはセッションの部分がめっちゃ強くて。2nd(『shape of raw to come』)は俺と良研で作ってる部分が多くて。で、3rd(『333』)は、最初に作ったものをみんなでアレンジし直してもらうというか、コードとかの大きな軸を作ったところから、みんなに“ここにグルーヴの軸があって”とか説明しながら作ってもらいました。毎回制作スタイルは変わってるし、作り方もアルバムが出るたびに考え直したりしますね。
偶発性を取り入れた曲作り
-まりりん:初めてthe hatchのライブを見たときに何をどうやったら、この音楽が生まれるんだと思いました。普段はどうやって曲作りが始まるんですか。
山田碧:最近は自分が最初のベースとなるデモを作るのが基本かな。でも、みんなと“こういうの作りたいよね”って話から作り始めて。自分だけで作ってたらバンドっぽくなっていかないから、みんながその時持ってる興味を取り入れる感じです。 毎回アルバムを作る時、録ってる間にみんなが鬼練習して録る、みたいな曲が絶対2、3個はある。1stだったら「VEGITA&THE FAMILYSTONE」は本当に直前に作ったし。「2 AM(stoned)」とかも。リハでほとんど合わせてなくて、レコーディングで作り始めたりとか。1stのインスト曲はほとんど直前に作りました。 2ndは「as human」とか、最後の「Discharming us」とかも直前で作った。で、今回のアルバム(『333』)も、最後の「goby cntct」は本当にレコーディングの準備してる時に作りました。もう2曲くらい別の曲が欲しいなと思ってた時に、そうちゃん(安齋)が“こういう曲好き”って曲を聴かせてくれて。それで“じゃあ作るわ”って言って作って。
安齋草一郎:この曲(「goby cntct」)が新説「恐竜は俺の祖先」なんだよね。
山田碧:「goby cntct」は「恐竜は俺の祖先」と構造が似てて。「KUSHIco 7」もレコーディング中に作ってます。
安齋草一郎:ツバメスタジオの上のフロアで録ってる最中に下のギャラリーでね。
山田碧:どうやって作るかと言われると難しいけど、自分がめちゃくちゃ編集をするっていうのは、 the hatch っぽいと思ってて。何も考えないで重ね録りしまくった後に、めっちゃ編集していじったところが多い。そうちゃんはパートが決まってなかったし。みんなが曲を理解してない状態でパスすると、“なんでそうなるの?”みたいなのが返ってきたりするから、そこで俺も“なんでそうなるの?”と思いながら、それが曲になってたりとか(笑)。
-まりりん:予想外の方向に曲が転がっていくんですね。
山田碧:リズムに関しては俺はすごい細かく見ちゃうけど、みんなはもっとラフに捉えてて。“なんでそれが入ってくるの?”って最初はムカつくんだけど、聴いてたら“そういうのでいいか”って。そういう偶発的な部分を、最初にエディットで曲っぽく固めていく、みたいなやり取りをすごいたくさんしてるかも。めちゃくちゃ曲作り直すしね。ザキヤマはせっかちだから、もういいっしょって途中でイラついてくるんだけど。「Tohmei」も、みんなに渡す前に4回ぐらい作った後に、さらに6、7回ぐらい軸をコロコロ変えて作ったりとか。
宮崎良研:展開が多すぎたんだっけ。繰り返しの部分を作ろうってなった気がする。
-まりりん:そこからさらに「Tohmei (album ver.)」になっていますね。
山田碧:そうそう。そこは1回出したやつをまた編集し直してを繰り返して。ずっと聴いてると新しい発見があるからずっといじっちゃう。 最近もアルバムの曲をライブでちゃんとかっこよく見せるための調整をしていて。ずっと作って変わり続けてるかも。だから、自分らでもよく分かってない。
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