最終更新: 2025年12月20日
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2020年代以降のインディーロックにおけるホットスポットは間違いなくアイルランドだ。
Fontaines D.C.を筆頭にInhaler、NewDadが世界的に活躍を果たしているのはもちろん、とにかくリリースされるアルバムすべてが素晴らしい。
共通して、インディーロックの可能性をまだまだ見出しつづけるアグレッシブな姿勢は頼もしく、すべてがダークでスリリングで陶酔的であるから聴き手を飽きさせない。
決して風化されない確固たるサウンドがアイリッシュバンドの作品には宿っている。
そんなアイリッシュバンドシーンをさらに加熱するのが、今回リリースされたアイルランドのJust Mustard(ジャスト・マスタード)によるニューアルバム『We Were Just Here』だ。
彼らにとって3枚目となるアルバム作品である『We Were Just Here』は、インダストリアル・ノイズ色を残しながらとても甘美でメロディアスに聴かせる。
そのデザイン性に特化した作品で、こちらも例外なくダークでスリリングで陶酔的。
シーンにとってもJust Mustardにとっても金字塔となる予感すら感じられる圧倒的作品だ。
今回はここ日本でも1月に来日公演が決定しているJust Mustardへ“アイルランドの音楽シーン”を足がかりにいかにして圧倒的作品が生まれたのか探るべく、前作に引き続き、2度目のインタビューを行った。
また、私とアルゼンチンのライターRAMの二人で執筆した『We Were Just Here』のクロスレビューも読んで、是非彼らの来日公演を楽しみに待っていて欲しい!
前作『Heart Under』のインタビューはこちら クロスレビューはこちらアイルランドが生んだ新たな才能、Just Mustard

アーティスト:シェーン・マグワイア(Dr.)、デビッド・ヌーナン(Gt./Vo.) インタビュアー:滝田優樹(Yuuki Takita) 翻訳・編集・校正:BELONG Media / A-indie
バンドの歩みとFontaines D.C.との絆

シェーン・マグワイア:2022年から2023年にかけて『Heart Under』のサポートツアーを精力的に行っていて、その集大成として初めての南米ツアーでThe Cureのサポートを務めたんだ。それは超現実的な体験だったね。その後2024年は、新しい曲を書いてアルバムをレコーディングすることに集中するためにツアーのペースを落としたんだ。僕たちにとっては、ツアーで定期的に中断されない方が曲を書きやすいからね。
バンドの状況は以前とほぼ同じだったけど、唯一違うのはもうコロナがないってことだね! 僕たちは今でもみんな地元に住んでる。『We Were Just Here』の作曲、レコーディング、プロデュースは、『Heart Under』の時と比べてずっとスムーズで実り多いプロセスだったように感じたよ。もちろんアルバムを作る時には常に困難はあるんだけどね。これは当時の僕たちのマインドセットの反映かもしれないし、あるいは単純にアルバム制作という作業全体に慣れてきたってことかもしれない。
Fontaines D.C.が日本で僕たちのことを取り上げてくれたのはすごくクールだね! 彼らは僕たちの良き友人で、長年にわたって色々な形でサポートしてくれてるんだ。
世界各地でのパフォーマンス、フェス出演を経て
-滝田優樹:今年はウェールズの”Green Man Festival”やアメリカの”Seisiún Festival”、そしてドイツの”Reeperbahn Festival”など各国の音楽フェスにも出演されていたり、ワールドツアーも行われていましたよね。各国でのパフォーマンスはいかがでしたか? 日本以外の国ではあなたたちがどのように受け入れられているのかも気になります。
シェーン・マグワイア:今年のショーは全般的にとても順調で、反応も素晴らしかったよ! ツアー中に新しいアルバムの曲の一部を磨き上げられたのはとても有益だった。ボストンのSeisiún Festivalは興味深かったね。というのも、ラインナップのほとんどがアイリッシュ・フォークやトラッドで、僕たちは数少ない“ストレート”なロックバンドの一つだったんだ。でも他のバンドと一緒に過ごしたり、もちろん僕たちがみんな大ファンのThe Poguesをライブで観られたのは最高だった。
僕たちは他の国で演奏する時にもらえる反応にいつも喜んでいるし、それを決して当たり前のことだと思わないようにしたいと思ってる。特に長い間演奏したかった新しい場所でプレイできる時はいつも特別にワクワクするんだ。日本は間違いなくそのリストの上位にあるよ!
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