最終更新: 2024年12月8日

第1回:プロインディーという生き方とは?

※このコラムは次回から一部有料で更新していく予定。今回の内容はすべて無料購読が可能。

プロインディーとは、大手レーベルや企業に所属せず、自らの音楽活動を主導し、自由と創造性を追求する生き方という筆者の造語である。

だが、この道は決して平坦ではない。 自主制作、資金管理、プロモーションのすべてを自分たちで担う必要があり、時には経済的な不安もつきまとう。

果たして、私たちはどのようにしてこの厳しい航海を乗り切ることができるのだろうか?

そんな問いを持ちながら、2024年11月25日に新しいプロジェクト“ジングル・ジャングル・レンジタウン”を通じて、私たちは新たな一歩を踏み出す決意をした。

それと同時に、インディーミュージックシーンで活動する音楽家に向けた連載“音楽の余白に生きる”も開始する。

コラムを始めたきっかけ

クレジット:image_fx_

この連載を書こうと思った理由は、音楽メディアを10年以上続け、100組以上の国内・海外の音楽家にインタビューをしていく中で、多くの出会いを通じて気づいたことがあったからだ。

それは、“世の中にインディー音楽家として活動していく知識やノウハウがいかに少ないか”ということであった。

私は音楽の専門学校を卒業したが、そこで学んだ知識は現在、活かされているものはほとんどない。

これは専門学校の教育内容が悪いということではなく、私のように組織に属さずに音楽メディアを運営することや、独立した音楽活動をすることを学ぶ場ではなかったということである。

つまり、インディーという生き方を教えてくれる人は世の中にほとんどいないのだ。

それなら自らの経験をインディー音楽家に伝えることで、彼らが少しでも長く活動していくことに繋がるのではないかと考えた。

この連載では、インディー音楽家が“プロインディー”になることを目指すための知識や具体的なノウハウを伝えていきたい。

まず“プロインディー”とは何か? これは、メジャーレーベルに所属せずとも、高い音楽性とプロとしての意識を持ち、レーベルなどに頼らず、自主的な活動を通じて独自のファン層を築いていくアーティストのことを指す。

“インディーズ”との違いは、音楽制作からプロモーション、ファンとの関係構築まで、すべての活動を自らで行うという姿勢にある。

この連載では、バンド運営の実践的ノウハウから、プロモーション戦略、リリース計画、メディア対応に至るまで、プロインディーとして活動していく上で必要不可欠な知識とスキルを体系的に掲載していく。

今後の内容

ライブ
クレジット:pexels

今後の内容としては、以下のテーマを予定している:

・具体的にプロインディーとはどんなバンドなのか

・デジタルプラットフォーム(bandcampなど)の効果的な活用法

・グローバル展開を見据えた英語の向き合い方

・音楽メディアがプレスリリースをチェックするポイント

・プレスリリースの作成とメディア戦略

・楽曲制作における質の担保と効率的なフィードバック収集の方法

・気合を入れて作った曲と自然体で作った曲のどちらが良いのか

・新人バンドの賞味期限 ・新人バンドが最も注意すべきこと

・バンド解散の危機?もしくはメンバーチェンジになる鬼門

・良い音楽と違和感の関係

・バンドの一生のキャリアを決めてしまうX枚目のアルバム

これらのテーマは、私自身がインディーシーンのアーティストと関わる中で、“誰も教えてくれなかった”けれども、実際の活動において必要不可欠だと実感してきた内容である。

読者参加型の取り組み

また、このコラムでは読者の皆さんとともにプロインディーの在り方を探っていくための“みんなで作る プロインディーの指針”として、以下の3つの取り組みを実施していく:

1. 読者参加型のQ&Aコーナー

毎月1回、読者の皆様から匿名で寄せられた悩みや課題について、実際の事例を基に詳しく回答し、要望があればこのコラムにも掲載する。悩みや課題については、下記のアンケート内で記入できるように設定している。

2. アンケートによるインディーバンドの実態調査

読者の皆さんにアンケートを行い、回答を募集する。

アンケートフォームはこちら

3. コミュニティ形成への取り組み

読者同士が成功・失敗事例を共有し合い、互いにフィードバックを行える情報交換の場を提供することで、学び合えるコミュニティの形成を目指す。 理想を持ちながらも現実と向き合い、持続可能な音楽活動を実現するのが“プロインディー”だと思っている。この連載が、音楽への情熱を持つ皆さんの航海の羅針盤となれば幸いだ。 次回からは各項目に入り、まずは“具体的にプロインディーとはどんなバンドなのか”について解説する。

なお、本連載は隔週での連載を予定しており、次回からこちらのサイトで一定文字数を超えると月額500円(税込)での有料配信で執筆していく。

音楽活動に向き合う皆さんに、実践的で価値ある情報を届けられるよう、できる限り自分の知識を共有していきたいと思う。これからもどうぞよろしく。

BELONG Media/A-indie編集長 Tomohiro Yabe

 
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ライター:Tomohiro Yabe(yabori)

Tomohiro Yabe

BELONG Media/A-indieの編集長。2010年からBELONGの前身となった音楽ブログ、“時代を超えたマスターピース”を執筆。 ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・​後藤正文が主催する“only in dreams”で執筆後、音楽の専門学校でミュージックビジネスを専攻 これまでに10年以上、日本・海外の音楽の記事を執筆してきた。 過去にはアルバム10万タイトル以上を有する音楽CDレンタルショップでガレージロックやサイケデリックロック、日本のインディーロックを担当したことも。 それらの経験を活かし、“ルーツロック”をテーマとした音楽雑誌“BELONG Magazine”を26冊発行。 現在はWeb制作会社で学んだSEO対策を元に記事を執筆している。趣味は“開運!なんでも鑑定団”を鑑賞すること。 今まで執筆した記事はこちら Twitter:@boriboriyabori